BL短編集①

華愁

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崩壊までのカウントダウン

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{崩壊まで後一ヶ月}

それは何時も通りの休日、俺の家で飲んでた時に
何の前触れもなく煉次が言った。

「別れよう」

手に持っていたコップを危うく落としそうになった。

最初は酔って悲観的になっているのかと思ったが
煉次の目が本気だった。

俺達は確かにもぉいい歳だし
親からもいい加減結婚しろと言われてる。

俺は煉次が居てくれればそれで良かった……

でも、煉次は誰かいい人を見つけたのかも知れない。

俺の心が崩壊するまで後一ヶ月……。

{崩壊まで後半月}

あの日から半月経った。

妹で生徒の澄歌は心配してくれている。

「お兄ちゃん、大丈夫?」

俺の雰囲気で何か感じ取ったのか
澄歌まで悲しそうな顔をしている。

「大丈夫だよ」と答える。

だが、一人になると物凄く泣きたい衝動に駆られる。

俺はお兄ちゃんだから澄歌の前では
泣かないと決めてたのに堪え切れなくなって
澄歌の前で泣いてしまった……

「泣きたい時は歳なんて関係ないんだよ」

子供の様に泣きじゃくる俺に対して澄歌がそぉ言った。

しかし、心の崩壊は止まることを知らない。

崩壊まで後半月。

(崩壊まで後一週間)

「なぁ澄歌、俺は神屋を辞めようと思ってるんだ……」

私情とはいえ、あそこに居るのは堪え難いものがある。

「良いんじゃない」

澄歌が冷凍庫からミルクバーを取出しながら答えた。

「お兄ちゃんがあのバカ担任と同じ空間に
居たくないなら辞めれば良いと思う」

"バカ担任"か。

普段は"煉先生"って呼んでたのにな。

って、俺のせいか(笑)

久しぶりに少しだけ笑った。

「ねぇお兄ちゃん、今日は一緒に寝ようよ」

澄歌なりに励ましてくれているのだろう。

その日の夜、何年か振りに澄歌と同じベッドで寝た。

俺は何時しか煉次を見つけると心が痛む様になった。

そして、俺は退職届を出した。

知ってるのは、校長先生と澄歌だけ……

崩壊まで後一週間。

{崩壊した日}

神屋を辞めて三ヶ月。

隣の市にある公立高校で再び教師を始めた。

澄歌は神屋に通っている。

それは良かったのだが、俺が辞めて三ヶ月しか
経っていないのにその日、澄歌から
衝撃的なことを言われた。

「お兄ちゃん」

何時もよりやけに真剣な声の澄歌に
向き合って「何?」と訊いた。

「本当は言わない方が良いのかも知れないけど
後から知るのも辛いだろうから言うね」

何をだろうか?

「落ち着いて聴いてね」

いやに引っ張るな。

「何だよ、早く言えって」

何となく、煉次絡みなのは予想が着いた。

「あのバカ担任ね、教頭の娘と結婚したんだよ」

やっぱり……って

はぁ!?

何だよそれ!!

「本当なのか……?」

別れてほしいとは言われたが
まさか教頭の娘と結婚するとは予想外だったので

「ぅん、学校中大騒ぎ」

そりゃそぉだな。

ずっと表面上は独り身だった煉次が
いきなり教頭の娘と結婚するとか言われたら
校内中大騒ぎだろう。

「教えてくれてありがとうな澄歌」

上手く笑えてるだろうか?

「お兄ちゃん、今日も一緒に寝よう」

上手く笑えてなかったらしい(苦笑)

「そぉだな」

この日、俺の心は崩壊したのだった。
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