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7話 彼氏が可愛いです(私の前だけでした)
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「真木さん、頭撫でて」
クラスメイト達に盛大な迷惑をかけたあの日以来、高橋くんが今まで以上に可愛く見えます。
私の腕に抱き着く高橋くんの頭を撫でる。
彼はふにゃりと笑うと前髪を上げ、私に額を見せるのでそこに小さくキスを落とす。
自分から強請ったのに、顔を赤くする彼が可愛い。
「あんた達恥ずかしくないの?」
私達を見て、顔を赤くした夏木が言う。周りを見ればクラスメイト達の顔も赤い。
「何が?」
「人前でいちゃついといて何言ってんのよ」
呆れたように夏木が呟く。
別に恥ずかしくはない。私の両親はいつもやっているから私には普通の事だし、愛情表現のひとつだ。
また高橋くんを傷付けて、悲しませない為に私は言葉を行動を惜しまないと決めたから。
「普通の事じゃないの?」
「僕は嬉しいよ!真木さん」
首を傾げる私に、高橋くんが笑って言った。
彼の私の腕に抱きついていた手を外し、指を絡ませて握りこむ。そうすると頬を染め幸せそうに笑う高橋くんに、小さく微笑みかえす。
──高橋くんが良いならいいか
一人納得する私の耳には、夏木の呟きは聞こえていなかった。
「この破天荒バカップルが・・・」
授業後。担任から頼まれた仕事を終え、私は教室に向かう。私が離れる事を嫌がった高橋くんにはしっかりと戻って来ることを言い聞かせた。
悲しそうに眉を下げた彼の顔に胸が苦しくなったが、ずっと一緒に行動する事は出来ない。今のうちに慣らしていかないと、と心を鬼にして教室を出てきた。
──早く高橋くんに会いたい
走りたくなる気持ちを押さえつけ、早足で廊下を進んだ。
「真木さん、ちょっといいかな?」
教室の扉を開けようとした私に、声がかけられた。扉の窓の向こうから私を見つけて嬉しそうにする高橋くんには、もう少し待ってもらう事になりそうだ。
待ての合図を高橋くんに送り、声の主と向かい合う。他のクラスの男子だった。
「何かな?」
「あの、場所移動してもいい?」
彼は周りを気にしながら、ソワソワとしている。それを不思議に思いながらも、口を開く。
「ここじゃ駄目?急ぎの用事があるんだ」
そう、高橋くんを構うという、とても大事な用事が。
「え、あー」
「?」
「あの、」
狼狽えながら彼が言いよどむ。
一体何なんだろうか。要領を得ない彼の言葉に首を傾げる。
──高橋くん、大丈夫かな
「あのっ!俺と付き合って下さい!」
「え?」
「ずっと前から好きだったんだ」
突然の告白に驚く。隣のクラスから生徒達が顔を出しているのが見えた。
私の前で顔を赤くして、返事を待つ彼を見る。
断ろうと口を開いた瞬間、私の背後の扉が大きな音を立てて開く。
「ごめんね?真木さんは僕と付き合ってるんだ」
肩の上から腕が回されて、背後から高橋くんの胸に抱き込まれる。
「だから彼女のことは諦めて?」
小さく首を傾げながら、有無を言わさぬ声で高橋くんが言う。
下から見上げる彼は、私が好きなあのふにゃりとした笑顔ではなく、どこか男の色気が滲んだ微笑を浮かべていた。
「じゃあね」
「え、ちょっと」
何か言おうとしている男子生徒を気に止めず、高橋くんは私の手を引いて教室に入り、扉を閉めた。
廊下には何とも言えない空気が漂っていた。
「真木さん・・・」
教室に入った瞬間に情けない声を出し、私に抱き着く彼に苦笑する。
「助けてくれてありがとう高橋くん。とっても格好良かったよ」
「ほんと?」
おずおずと私の様子を伺う高橋くんの頭を撫でた。さっきまであんなに格好良かった彼が、私の前ではこんなに可愛い。
「本当。でも私は今の高橋くんの方が好き」
私の言葉にふにゃりと幸せそうに笑い、高橋くんが口を開く。
「僕も真木さんが大好き」
私の彼氏が可愛いです(私の前だけの特別でした)
クラスメイト達に盛大な迷惑をかけたあの日以来、高橋くんが今まで以上に可愛く見えます。
私の腕に抱き着く高橋くんの頭を撫でる。
彼はふにゃりと笑うと前髪を上げ、私に額を見せるのでそこに小さくキスを落とす。
自分から強請ったのに、顔を赤くする彼が可愛い。
「あんた達恥ずかしくないの?」
私達を見て、顔を赤くした夏木が言う。周りを見ればクラスメイト達の顔も赤い。
「何が?」
「人前でいちゃついといて何言ってんのよ」
呆れたように夏木が呟く。
別に恥ずかしくはない。私の両親はいつもやっているから私には普通の事だし、愛情表現のひとつだ。
また高橋くんを傷付けて、悲しませない為に私は言葉を行動を惜しまないと決めたから。
「普通の事じゃないの?」
「僕は嬉しいよ!真木さん」
首を傾げる私に、高橋くんが笑って言った。
彼の私の腕に抱きついていた手を外し、指を絡ませて握りこむ。そうすると頬を染め幸せそうに笑う高橋くんに、小さく微笑みかえす。
──高橋くんが良いならいいか
一人納得する私の耳には、夏木の呟きは聞こえていなかった。
「この破天荒バカップルが・・・」
授業後。担任から頼まれた仕事を終え、私は教室に向かう。私が離れる事を嫌がった高橋くんにはしっかりと戻って来ることを言い聞かせた。
悲しそうに眉を下げた彼の顔に胸が苦しくなったが、ずっと一緒に行動する事は出来ない。今のうちに慣らしていかないと、と心を鬼にして教室を出てきた。
──早く高橋くんに会いたい
走りたくなる気持ちを押さえつけ、早足で廊下を進んだ。
「真木さん、ちょっといいかな?」
教室の扉を開けようとした私に、声がかけられた。扉の窓の向こうから私を見つけて嬉しそうにする高橋くんには、もう少し待ってもらう事になりそうだ。
待ての合図を高橋くんに送り、声の主と向かい合う。他のクラスの男子だった。
「何かな?」
「あの、場所移動してもいい?」
彼は周りを気にしながら、ソワソワとしている。それを不思議に思いながらも、口を開く。
「ここじゃ駄目?急ぎの用事があるんだ」
そう、高橋くんを構うという、とても大事な用事が。
「え、あー」
「?」
「あの、」
狼狽えながら彼が言いよどむ。
一体何なんだろうか。要領を得ない彼の言葉に首を傾げる。
──高橋くん、大丈夫かな
「あのっ!俺と付き合って下さい!」
「え?」
「ずっと前から好きだったんだ」
突然の告白に驚く。隣のクラスから生徒達が顔を出しているのが見えた。
私の前で顔を赤くして、返事を待つ彼を見る。
断ろうと口を開いた瞬間、私の背後の扉が大きな音を立てて開く。
「ごめんね?真木さんは僕と付き合ってるんだ」
肩の上から腕が回されて、背後から高橋くんの胸に抱き込まれる。
「だから彼女のことは諦めて?」
小さく首を傾げながら、有無を言わさぬ声で高橋くんが言う。
下から見上げる彼は、私が好きなあのふにゃりとした笑顔ではなく、どこか男の色気が滲んだ微笑を浮かべていた。
「じゃあね」
「え、ちょっと」
何か言おうとしている男子生徒を気に止めず、高橋くんは私の手を引いて教室に入り、扉を閉めた。
廊下には何とも言えない空気が漂っていた。
「真木さん・・・」
教室に入った瞬間に情けない声を出し、私に抱き着く彼に苦笑する。
「助けてくれてありがとう高橋くん。とっても格好良かったよ」
「ほんと?」
おずおずと私の様子を伺う高橋くんの頭を撫でた。さっきまであんなに格好良かった彼が、私の前ではこんなに可愛い。
「本当。でも私は今の高橋くんの方が好き」
私の言葉にふにゃりと幸せそうに笑い、高橋くんが口を開く。
「僕も真木さんが大好き」
私の彼氏が可愛いです(私の前だけの特別でした)
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