【完結】公爵様を寝取った悪役令息に転生しましたが、子供が産まれるので幸せになるために、この事件解決させていただきます。

亜沙美多郎

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三章〜クレール・ベルクール編〜

2 双子のバース性とアシルからの提案

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 次にノアとノランに会えたのは三日後のことだった。
 ヒートのような症状は一日で治っていたが、念には念を……とアシルお母様から言われ、退屈な時間を過ごす羽目になってしまった。

 弟が生まれる前は、いろんな大人の人が遊んでくれていた。今は学業と弟の世話にかかりきりだ。それも奪われてしまった時間はあまりにも退屈で苦痛なものだった。

「お兄ちゃまぁ」
「ノア、やっと会えましたね」
「クレールお兄様、もう大丈夫なんですか?」
「ノラン、もうすっかり元気だよ。心配してくれてありがとうね」
 あんなに小さかった二人も、十歳ともなれば手に余るほど成長している。もし二人がアルファなら、僕の身長なんてアッサリと抜いてしまうだろう。

「クレール、ちょっといい?」
 アシルお母様から呼び出される。二人の弟に「ちょっと待っててね」というと、リビングを出て空き部屋に入る。なんとなく、何を言われるかは予想がついていたが、それでも現実を聞いて素直に喜べるかは自信はない。

「二人の、バース性……ですよね?」
 自ら話を切り出す。アシルお母様はこくりと頷いた。

「ノアも、ノランも、アルファだったよ」
「そう……でしょうね。僕のフェロモンの匂いを本能で嗅ぎ分けたので、きっとそうじゃないかと思っていました」
「クレールはまだバース性が発症したばかりで、まだ発情期も不定期だと思う」
「もう、一緒にはいられないと言うことですか?」

 番のいない二人には、僕のオメガの性に当てられる可能性がある。いくら僕が転生者とはいえ、エリアスお父様とアシルお母様の子供には変わりない。もしも実の兄弟で過ちが起きてしまえば大変だ。

 そしてオメガ性の強いアシルお母様は、その危険性を誰よりも理解している。
 そのお母様から忠告されたことは、嫌でも聞き入れるしかないのだ。

 しかし、僕の言葉にアシルお母様は首を横に振る。
「そんな悲しいこと言わないで。せっかくの家族なのに。それに、あの子たちはアルファと診断されたばかりで、バース性の発症はずっと先だよ? その頃には、クレールにも恋人ができてるかもしれないし、学校を卒業して違う場所に引っ越しているかもしれない」
「それは……どういう意味ですか?」

 違う場所って……それはこのベルクール邸では暮らせなくなることを意味しているのか?
 今日のアシルお母様は、いつになく回りくどい気がする。
 それとも、自分の発情期が始まりネガティブになっているだけなのか……。

「アシルお母様、何かあるならハッキリ仰ってください」
「あのね、クレールは薬の開発に携わるのが夢でしょう? そうしたらマルティネス王子が、とても素晴らしい研究室があるから是非来ないか? って言ってくれてるんだ。もちろん、高等部を卒業した後の話だけど」
「本当ですか!? 隣国の研究室といえば、ルベルーノ研究室ですよね? 本当に、いいんですか?」
 思わぬ話の展開に、実感が湧かない。言葉にならない僕を見てアシルお母様は、「本当に話したいのはこの事だったんだ」と言った。

 なんともアシルお母様らしい……と思ってしまった。

「でも、発情期が安定するまでは屋敷でも学校でも気をつけてね。抑制剤、もう飲み忘れたらダメだよ。大変な騒ぎになるんだからね? 何かあっても責められるのはオメガなんだよ? 周りは圧倒的にアルファが多いんだから……」
「分かっています!! 気をつけます!!」
 オメガの話になると熱が入るアシルお母様から逃げ出し、リビングへと帰って行った。
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