【完結】公爵様を寝取った悪役令息に転生しましたが、子供が産まれるので幸せになるために、この事件解決させていただきます。

亜沙美多郎

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三章〜クレール・ベルクール編〜

14 高等部卒業

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 高等部へ通っている間、僕のオメガ性は強くなる気配はなく、洸希として生きていた時と同じような生活を送った。
 
 それが逆に良かったのか、周りにオメガだとバレないまま卒業を迎えることができた。
 
 同級生からは、僕とイザックが揃ってルベルーノ研究室に入ると知り、誰からも羨ましがられた。

「卒業おめでとう、クレール」
「ありがとうございます、アシルお母様」
「セレモニー、とても良かったよ」
「はい、とても緊張しましたけれどいい思い出になりました」
 卒業セレモニーで僕は卒業生代表として、全校生徒や保護者が見守る中、謝辞を読ませてもらったのだ。
 実に平穏に過ごした日々。
 もっと色んな生徒と友達になる努力をしておけば良かったと、そこは後悔しているが、それでも振り返ってみれば充実した学校生活だったと思う。

 ベルクール家だけで卒業祝いのパーティーをしてもらった。
 エリアスお父様は色んな人を呼んで盛大に行いたかったようだが、隣国への引っ越しの日が近いこともあり、断念した。

 そして、ノアとノランはと言うと……。
「編入を許す条件が、寮に入れだなんて!! 今も納得がいきませんけど」
「ノラン、でもお兄ちゃまと一緒に行けることになったから」
「そりゃそうですけど。ま、休日には会えますし。ね? クレールお兄様」
「そうだね。でも二人ともよくエリアスお父様を説得できましたね」

 正直、エリアスお父様が許可を出すとは思っていなかった。
 だからノランが編入を許してくれたと報告にきた時は、誰よりも僕が一番驚いた。
 エリアスお父様は、交渉の内容はなんでも良かったのだと後になって話す。最後まで諦めないか、それだけが許可を出すかどうかの判断基準だったらしい。

「二年という長い期間、途中で諦めたならこのまま今の学校に通えばいい。別に勉強などどこにいてもできる。それが今の学校でも隣国の学校でも拘る必要はない。例え理由がどうであれ、それが頑張る糧になるなら、私は最初から反対をする気はなかった」

 平然と言ってのけたエリアスお父様に、ノアとノランは肩透かしを喰らっていた。
 そりゃ、なんと言えばお父様が許してくれるのか、そればかりを考えて過ごしたこの二年。それが「内容など、どうでもいい」と言われ、悔しがるノランの表情は、この先ずっと忘れないだろう。

 僕はエリアスお父様が建てた屋敷に新しく雇った使用人と共に過ごす。
 お父様も、隣国に来る際にアシルお母様も連れて来られるようになったと喜んでいる。
 弟たちは寮に入るが、外泊許可ももらえるらしい。

「寮なら安全だし、僕も気兼ねなく働けます」
「別に、クレールお兄様が帰って来るまでは使用人たちも沢山いますし、大丈夫なのに……」
「それは甘えすぎです。僕はこれからきっと、日付を跨いで帰る日も出てきます。使用人だってしっかりと体を休めなければ働けません」
「……すみませんでした。でも、クレールお兄様。どうか私たちとの約束は守ってくださいね」
 約束とは、お互いの休日には必ず会うというもの。
「そりゃ僕だって、これだけ毎日一緒に過ごしていたのですから。本当はずっと一緒にいたいくらいなんですからね」
「お兄ちゃま、お引っ越しの日までは一緒に寝ましょう」
「そうだね。そうしましょう」

 弟たちにお願いされると断れない。
 この二人は、二年もの間エリアスお父様から鍛え抜かれただけあって、甘えるのも更に上手くなっているように感じる。

 でもこの屋敷での生活もあと五日ほど。
 そう思うと、少し名残惜しい。
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