【完結】公爵様を寝取った悪役令息に転生しましたが、子供が産まれるので幸せになるために、この事件解決させていただきます。

亜沙美多郎

文字の大きさ
199 / 235
三章〜クレール・ベルクール編〜

48 特別なアルファ ★

しおりを挟む
 ヴィクトール様の長大なそれは、僕の最奥まで簡単に届いた。
 腰を揺らすリズムに合わせて喘いでしまう。自分のあられのない場所を見られているというのに、それよりもヴィクトール様と体を重ねていると実感できた悦びに浸っている。

 ヴィクトール様は、もう僕に気遣う余裕はないようだ。ラット状態に入ったアルファは、本能のままオメガを求めると言うが、それは彼も例外ではない。
 最初は緩やかに腰を揺らしていたが、だんだんと激しくなっていく。
 突かれるたびに、溢れ出るオメガの液が淫靡な音を立てて弾ける。自分が飛沫させた白濁とオメガの液とで、下半身はぐずぐずに濡れていた。
 ヴィクトール様は我を失っていても、僕から視線を逸らせない。獣のように鋭い視線を向けながらも、その奥から慈しむような優しさを感じる。
 僕からも、ヴィクトール様を想う気持ちが伝わるように熱い眼差しを向けた。

 ヴィクトール様は僕の上体を起こし、抱えると、下から思い切り突き上げた。
「んぁっ……あっ、あっ」
 突かれる度に嬌声を上げる。横になっていた時よりも、深い所にまで男根が達している。
 必死にヴィクトール様にしがみつき、振り落とされないようにしたいのに、快楽の波に飲まれ力が出ない。それでもヴィクトール様は突き上げる腰を止めようとはせず、律動は苛烈を極める。もう僕は絶頂から抜け出せなくなってしまった。愛蜜はとめどなく流れだし、僅かな刺激でも達してしまう。
 それでもやめて欲しいとは思わなかった。

 ヴィクトール様は胡座を描いて座り、その上に僕を跨らせた。
 この体勢だと、自分の気持ちいいところにあたっても逃げられない。ヴィクトール様はそれを狙って、上に座らせたのか。
 確信犯だとすると、タチが悪い。
 僕は渾渾と与えられる快楽を、全て受け取った。
 
 さっきまで沢山会話をしていたヴィクトール様が、ラット状態になってから無口になっている。
 真剣に僕を捉え、何かを促しているように感じた。

「クレール、噛みたい。自分のものだと安心したい。誰にもこの香りを嗅がせたくない」
「でも、今は発情期では……」

 ヴィクトール様は大丈夫だと言う。

「私がクレールの発情を導くから」
「もしかして……」
 アルファ性が強いとは聞いていたが、ヴィクトール様は、オメガの発情を好きなタイミングで引き出せる、特別なアルファだったようだ。
 後にも先にも、この力を使うのは今回だけだとヴィクトール様は言う。

「クレールは私の番になるのは不満?」
「そんなわけありません。僕は、いつでもヴィクトール様と番になりたいです」
「じゃあ、噛むね」

 息切れしながらいうと、目に熱を宿し、僕を見る。
 ゾワゾワと体の奥から湧き立つほどの熱に、自分が発情したと悟った。
 ヴィクトール様は僕をうつ伏せにさせると、腰だけを持ち上げ、注挿を繰り返す。

「噛む───クレール、私とずっと一緒にいてくれ」
「勿論です。僕をヴィクトール様の番にしてください」
 ヴィクトール様が、返事の代わりに頸を噛んだ。それと同時に、吐精する。
 首元から想像以上の痛みを感じ、瞠目とする。
 しかし腹の中に温かいものを感じると、すぐに法悦となった。

 ヴィクトール様が唸りながら牙を立てた項から顔を離すと、噛み痕がくっきりと刻み込まれた。
しおりを挟む
感想 200

あなたにおすすめの小説

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

妹を救うためにヒロインを口説いたら、王子に求愛されました。

藤原遊
BL
乙女ゲームの悪役令息に転生したアラン。 妹リリィが「悪役令嬢として断罪される」未来を変えるため、 彼は決意する――ヒロインを先に口説けば、妹は破滅しない、と。 だがその“奇行”を見ていた王太子シリウスが、 なぜかアラン本人に興味を持ち始める。 「君は、なぜそこまで必死なんだ?」 「妹のためです!」 ……噛み合わないはずの会話が、少しずつ心を動かしていく。 妹は完璧令嬢、でも内心は隠れ腐女子。 ヒロインは巻き込まれて腐女子覚醒。 そして王子と悪役令息は、誰も知らない“仮面の恋”へ――。 断罪回避から始まる勘違い転生BL×宮廷ラブストーリー。 誰も不幸にならない、偽りと真実のハッピーエンド。

殿下に婚約終了と言われたので城を出ようとしたら、何かおかしいんですが!?

krm
BL
「俺達の婚約は今日で終わりにする」 突然の婚約終了宣言。心がぐしゃぐしゃになった僕は、荷物を抱えて城を出る決意をした。 なのに、何故か殿下が追いかけてきて――いやいやいや、どういうこと!? 全力すれ違いラブコメファンタジーBL! 支部の企画投稿用に書いたショートショートです。前後編二話完結です。

婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました

由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。 彼女は何も言わずにその場を去った。 ――それが、王太子の終わりだった。 翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。 裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。 王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。 「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」 ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。

【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている

キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。 今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。 魔法と剣が支配するリオセルト大陸。 平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。 過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。 すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。 ――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。 切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。 お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /チャッピー AI比較企画作品

婚約破棄で追放された悪役令息の俺、実はオメガだと隠していたら辺境で出会った無骨な傭兵が隣国の皇太子で運命の番でした

水凪しおん
BL
「今この時をもって、貴様との婚約を破棄する!」 公爵令息レオンは、王子アルベルトとその寵愛する聖女リリアによって、身に覚えのない罪で断罪され、全てを奪われた。 婚約、地位、家族からの愛――そして、痩せ衰えた最果ての辺境地へと追放される。 しかし、それは新たな人生の始まりだった。 前世の知識というチート能力を秘めたレオンは、絶望の地を希望の楽園へと変えていく。 そんな彼の前に現れたのは、ミステリアスな傭兵カイ。 共に困難を乗り越えるうち、二人の間には強い絆が芽生え始める。 だがレオンには、誰にも言えない秘密があった。 彼は、この世界で蔑まれる存在――「オメガ」なのだ。 一方、レオンを追放した王国は、彼の不在によって崩壊の一途を辿っていた。 これは、どん底から這い上がる悪役令息が、運命の番と出会い、真実の愛と幸福を手に入れるまでの物語。 痛快な逆転劇と、とろけるほど甘い溺愛が織りなす、異世界やり直しロマンス!

番解除した僕等の末路【完結済・短編】

藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。 番になって数日後、「番解除」された事を悟った。 「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。 けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。

処理中です...