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〜1学期編〜
男らしく。
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しばらく蹲ったまま泣いていました。
まさか、こんな事になるなんて……。
嫌われた……嫌われた……どうしよう……どう……すれば………。
素早く着替えてセーラー服を床に投げつけました。
「悪ふざけをした罰ですよね……」
溢れそうな涙を必死にこらえます。
コンコン……
『椿……さっきは……ゴメン。
あんなんじゃ、普通科の奴らと同じだ。
……反省してる。ちょっと、走ってくるから……』
ドア越しに来夢君の声。
えっ……違います……同じなハズないです……。
ガチャっと勢いよくドアを開け叫びました。
「同じなんかじゃないです!!あんな人達と、来夢君が同じなワケない!!僕が悪いんです。悪ふざけしてゴメンなさい!!どうか………嫌わないで……」
堪えていた涙がポロポロと音を立てるように溢れます。
伝えたい気持ちは次々と溢れてくるのに、悪い魔法にでもかかったかのように、まるで一つも言葉に出来ないのでした。
優しい手が伸びてきて、頬を流れる一掬の涙を掬いました。
「椿は悪くねぇだろ。怖い思いをさせたのは俺だ。本当に、ゴメン」
首を小さく横に振る事でしか、応えられません。……来夢君は悪くないって言いたいのに……。
「気持ち入れ替える為に走ってくるから、椿はゆっくり休んでろ」
フワッと髪を撫で、部屋から出て行ってしまいました。
ベッドに寝転び、枕を抱きしめました。
僕は……来夢君にどうして欲しかったのでしょうか。あの続きを……期待していた……??
「わっ!!わわ!そんなワケありません!!」
ガバッと起き上がり、枕で頭上のモヤモヤを蹴散らせました。
再び枕を抱えると、抱きしめられた時の逞しい体を思い出しました。
来夢君も都華咲も、僕がスッポリ収まってしまう程男らしい体をしています。
何故、同じ男なのに僕はこんなにも軟弱なんでしょう。
神様は、不公平です。
その時スマホが着信を知らせました。
「はい…磨理王?お疲れ様です。今部屋に居ますよ。……はい、じゃあカメラを持って行きますね」
1階の食堂まで移動し、磨理王と落ち合いました。
「次の週末に自分で保管したい写真をプリントアウトしに行こうと思ってね。部室のは何となく使いにくいし……」
「良いですね!僕も一緒に行きたいです」
「あれ?都華咲とデートじゃないの?」
今、都華咲の話題は気まずいですね……。
「でも都華咲は部活忙しいかもしれないですし……何も約束もしてません」
「そうなんだ。じゃあ写真屋さん行って、ご飯食べて少し買い物しようと思ってたんだ。来夢と徠駕と都華咲に、それぞれ簡単なアルバム作って渡そうと思ってて」
「ステキです!!是非僕もお手伝いさせて下さい」
それから2人でお互いに撮った写真を見ながらピックアップしていきました。
「やっぱ来夢の応援団長、様になってるね」
「そう……ですね……」
男らしいです……。
…………。
ガタンッと立ち上がり、磨理王に向き合いました。
「わっ!いきなり何?」
「……磨理王っ!!」
ガバッと力強く抱きしめます。
「あわわわ!!何々??椿……!」
バッと体を離し聞いてみます。
「今の僕、男らしかったですか?」
「……は??」
「来夢君みたいに、男らしかったですか?」
「えぇ……男……らしい…??って言うよりかは……貧相なコアラが細い木にしがみついてるイメージしかしなかったけど……」
「ええぇ……!貧相なコアラ(僕)が細い木(磨理王)に………ハァー……」
大きなため息が漏れます。
「どうしたの?急に?」
「磨理王……男らしくなるって、難しいですね」
机に項垂れました。
「あはは!俺たちに男らしいとか、誰も求めてないと思うけどな。
「でも……磨理王は女の子に間違われた事はありませんか?」
「そんなの、子供の頃からしょっちゅうだよ。今は流石にないけどね」
うぅ……磨理王でももう間違われないんですね……。
「もう二度とセーラー服なんて着ない……」
「え?何か言った?」
「……何でもないです。さ、続き選びましょう!!」
「……今日の椿、何か変……」
クスクス……と磨理王が笑いました。
.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇
大切なお時間を頂き、ありがとうございます!
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次回もどうぞよろしくお願いします。
まさか、こんな事になるなんて……。
嫌われた……嫌われた……どうしよう……どう……すれば………。
素早く着替えてセーラー服を床に投げつけました。
「悪ふざけをした罰ですよね……」
溢れそうな涙を必死にこらえます。
コンコン……
『椿……さっきは……ゴメン。
あんなんじゃ、普通科の奴らと同じだ。
……反省してる。ちょっと、走ってくるから……』
ドア越しに来夢君の声。
えっ……違います……同じなハズないです……。
ガチャっと勢いよくドアを開け叫びました。
「同じなんかじゃないです!!あんな人達と、来夢君が同じなワケない!!僕が悪いんです。悪ふざけしてゴメンなさい!!どうか………嫌わないで……」
堪えていた涙がポロポロと音を立てるように溢れます。
伝えたい気持ちは次々と溢れてくるのに、悪い魔法にでもかかったかのように、まるで一つも言葉に出来ないのでした。
優しい手が伸びてきて、頬を流れる一掬の涙を掬いました。
「椿は悪くねぇだろ。怖い思いをさせたのは俺だ。本当に、ゴメン」
首を小さく横に振る事でしか、応えられません。……来夢君は悪くないって言いたいのに……。
「気持ち入れ替える為に走ってくるから、椿はゆっくり休んでろ」
フワッと髪を撫で、部屋から出て行ってしまいました。
ベッドに寝転び、枕を抱きしめました。
僕は……来夢君にどうして欲しかったのでしょうか。あの続きを……期待していた……??
「わっ!!わわ!そんなワケありません!!」
ガバッと起き上がり、枕で頭上のモヤモヤを蹴散らせました。
再び枕を抱えると、抱きしめられた時の逞しい体を思い出しました。
来夢君も都華咲も、僕がスッポリ収まってしまう程男らしい体をしています。
何故、同じ男なのに僕はこんなにも軟弱なんでしょう。
神様は、不公平です。
その時スマホが着信を知らせました。
「はい…磨理王?お疲れ様です。今部屋に居ますよ。……はい、じゃあカメラを持って行きますね」
1階の食堂まで移動し、磨理王と落ち合いました。
「次の週末に自分で保管したい写真をプリントアウトしに行こうと思ってね。部室のは何となく使いにくいし……」
「良いですね!僕も一緒に行きたいです」
「あれ?都華咲とデートじゃないの?」
今、都華咲の話題は気まずいですね……。
「でも都華咲は部活忙しいかもしれないですし……何も約束もしてません」
「そうなんだ。じゃあ写真屋さん行って、ご飯食べて少し買い物しようと思ってたんだ。来夢と徠駕と都華咲に、それぞれ簡単なアルバム作って渡そうと思ってて」
「ステキです!!是非僕もお手伝いさせて下さい」
それから2人でお互いに撮った写真を見ながらピックアップしていきました。
「やっぱ来夢の応援団長、様になってるね」
「そう……ですね……」
男らしいです……。
…………。
ガタンッと立ち上がり、磨理王に向き合いました。
「わっ!いきなり何?」
「……磨理王っ!!」
ガバッと力強く抱きしめます。
「あわわわ!!何々??椿……!」
バッと体を離し聞いてみます。
「今の僕、男らしかったですか?」
「……は??」
「来夢君みたいに、男らしかったですか?」
「えぇ……男……らしい…??って言うよりかは……貧相なコアラが細い木にしがみついてるイメージしかしなかったけど……」
「ええぇ……!貧相なコアラ(僕)が細い木(磨理王)に………ハァー……」
大きなため息が漏れます。
「どうしたの?急に?」
「磨理王……男らしくなるって、難しいですね」
机に項垂れました。
「あはは!俺たちに男らしいとか、誰も求めてないと思うけどな。
「でも……磨理王は女の子に間違われた事はありませんか?」
「そんなの、子供の頃からしょっちゅうだよ。今は流石にないけどね」
うぅ……磨理王でももう間違われないんですね……。
「もう二度とセーラー服なんて着ない……」
「え?何か言った?」
「……何でもないです。さ、続き選びましょう!!」
「……今日の椿、何か変……」
クスクス……と磨理王が笑いました。
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