サーファー先生 イチブガゼンブ

ありがとう↘

　サーファー先生はかく語りき。

『ありがとう』という言葉を知っているかい？その言葉は僕が発明したんだよ！

　先生が発明したんですか？『ありがとう』と言う言葉はずっと昔からありますよ！

　僕もずっと昔から生きている。ゼロが発明されて、論理が生まれた。みんなが同じ事を学んで、同じ知識を持ち、同じ考えをすることが正義だ。1+1が2になれば正義だ。1+1が2にならないことがあると言い出す者がいれば正義は崩れる。しかし、論理は人間界のものだ。自然界に論理はない。人間界と自然界は重なって同時に存在している。世界は人間界と自然界のどっちでもある。この『どっちでもある』を僕は『がとう』と名付けた。例えば『生きている』と『生きていない』のどっちでもある状態は『生きがとう』『寝ている』と『寝ていない』のどっちでもある状態は『寝がとう』『する』と『しない』のどっちでもある状態は『しがとう』だ。『ある』と『ない』のどっちでもある状態が『ありがとう』だ。世界を順に論理付けていくと最後に矛盾が残りシワになる。そのシワを解消するためには論理以外のものを使えばいい。論理を持たない言葉『ありがとう』を使えばいい。人間は何かを食べなければ生きていく事が出来ない。食べると言うことは他の生命を犠牲にしているという事だ。小麦や野菜も生命であることに違いはない。正義を貫くためには、どこかで折り合いをつけなければならない。猟師さんに猪を恵んでもらったら「僕、宗教の関係でブタ食べれないんで…」とか言わないで『ありがとう』と言って食べたらいい。

　それ、いつの時代の何処の国の話ですか？先生！