五国王伝〜醜男は美神王に転生し愛でられる〜〈完結〉

クリム

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12 黄王の和合

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「太った白い豚は、乾いたパンを食ってろ!」

 堅いフランスパンを次々に口に押し込まれた、川辺のボーイスカウトキャンプ。ダイエットの為に、親に入れられたイベントだ。

 その親と弟は、海外にバカンスに出掛けた。

「かっ……はっ……」

 窒息寸前のアルバートは、ふらふらと水を求めて湖に落ちた。

 ただ、それだけだ。なんの悲しみもない。

 そして、乾いた砂漠で、苦しそうに眉を寄せた男テアンを見た。

 こんな醜い白い豚を見て、

「黄王様が出現された」

と涙を流し喜んでくれた。

 アルバート自身でなくても黄王だからでもいい、苦しそうなテアンを救いたい、愛したいと、そう思ったのだ。




「ん……」

 眩しさにアルバートは目を開く。

「もう、昼近いですよ。起きていらっしゃいますか?黄王様」

 自分の寝台に寝ていたアルバートは、伝書鳥に何やら伝えているテアンを見た。

「山の村の若者がもうじき参ります。お支度を」

「うん……」

 変わらない世界、変わらない自分。

 昨晩のことは夢ではないはずなのに、王としての日常がやって来た。

 アルバートは悲しそうに笑い、寝台から出て身仕度に行こうとする。

「な……に?これ……」

 臍の周囲に、唐草のような赤い血色の紋様が浮かび上がり、美しく彩っていた。

「まさか……」

 寝室の裏の暗い部屋に入ると、鈴の音のような音と、どこからともなく光が差し、樹木には小さな桃のような実が一粒ついていた。

「本当に……テアン」

「アルバート様、私の唯一無二の王」

 後ろからテアンが抱き締めて、剥き出しの肩に顔を埋めてくる。

 温かい液体が肩を伝うのは、テアンの涙……この男の背負っていたものからの解放だろうか。

 先王なんか知らない。

 アルバートはテアンの腕を抱き締める。

 この男は、自分のものなのだ。

 アルバートが死を選ぶまで、テアンは不老のまま自分に従い、精を捧げるのだから。

「アルバート様、お支度を」

 落ち着いたのか、テアンが何時もの口調で戒めてくる。

「どーしてさ?和合したんだから」

 テアンとの和合以上の快楽を味わえない男たちとの交合など……と、考えていると、

「国の若い男たちにとって、王との交合は名誉です。また、王宮に召し上げたの女たちとの交流の場でもあります。神王にはまだ働いていただかなければ」

と、とってかわされる。

「でも……紋様が」

「湯浴びのあと、耐水性の化粧をしましょう。準備はしてございます。お務めでございますれば」

 アルバートは渋々といった風体で頷いた。

「では」

 扉を開いたテアンの後ろから着いてきていたアルバートが膝をつき、頭を下げる、文官、女官、武官一堂に驚く。

「おめでとうございます!黄王様」

 小さな小さな和合の実を、彼らは待ち望んでいたのだ。和合の実は、国の安定と安寧をもたらす。王が国に深く結びついた証でもある。

「ありがとう、お前たち」

 女官長の柔らかな口調に、アルバートは鮮やかに笑った。




 文官長のテアンは、何羽かの伝書鳥に言葉をしたため、記録鳥に言葉を紡ぐと、蝋燭の明かりを移動する。

 和合者となったテアンには、国を治める文官長の仕事に加え、和合の実を太らせるため王と睦まじく和合を繰り返す責務もあった。

「テアン、終わった?」

 王の部屋と隣り合わせの部屋に移ったテアンだったが、アルバートが部屋の壁をぶち抜かせ、広く長い部屋が出来上がり、真ん中の寝台に葡萄酒を飲んで、やや酔いの回ったアルバートが全裸で横たわっていた。

「はい」

「トトの国から届いた葡萄酒。少し甘いかな、飲む?」

 アルバートが口をつけた杯を貰い、液体を口に含むとかなりの甘さが広がり、テアンはそのままアルバートの唇を塞いで流し込んだ。

「ん、ん、甘い……」 

 そのまま深く舌を絡め、甘すぎる葡萄酒を味わうが、テアンは杯の液体を指につけ、アルバートの尻の狭間に塗りつける。

「ああん……あ!」

 冷たさに逃げようとするアルバートの腰を抱いて、背後からニ度三度と葡萄酒を指につけて流し込むと、月明かりにアルバートの狭間の美しい襞がふっくらと膨らみ、薔薇の蕾の様に拓いていく。

「あ……あ、あっ……ん!テアン……テアンを入れて……」

 目眩のしそうな美しい花はテアンを誘い込み、テアンだけが許される体位で、王を愛でる。

 滑らかな背中からまろみのある美しい双丘を割り開き、アルバートの狭間の蕾に、テアンは猛る屹立の張り出しをゆっくりと埋めて行った。

「あ、あっ、あああ……んっ!」

 アルバートが挿入に腰を揺らし、テアンは内壁の柔らかな締め付けに溜め息をつく。

 アルバートの話ではテアンの屹立を埋め込まれると、いつも感じる核の上になにか感じる物が現れて、テアンの挿入出の刺激を後押しするように感じてたまないのだと言う。

「あ、あ、あ、気持ちいっ……ひあっ!」 

 尻肉を広げ深々と埋めて擦り、アルバートの屹立を扱くとアルバートが悲鳴を上げて絶頂に向かった。

 襞がテアンを締め付け、テアンも呻きながらアルバートの内壁を濡らし、テアンは手の中の白珠を、空の杯に入れる。

「テアンキスして……」

 キスが口づけだと知らされてそれを求められ、まだ物足りないとは思いつつ屹立を抜き、アルバートの背を寝台につけ、上から唇を合わせた。

 黄王を濡らす男たちは、黄王に触れることは許されない。王国の中で唯一、テアンだけが深く触れることが出来るのだ。

「ん……」

 満足気に息を吐くアルバートの柔らかな髪に触れながら、テアンは思い出してアルバートに告げる。

「アルバート様、あちらで『白い太った豚』と言われていたのですか?」

 アルバートが明らかに動揺していたが、テアンはその動揺がよく分からない。

「それはとても美しく美味しそうです。あちらでもアルバート様は、豊かな美しさをお持ちでしたのですね」

 テアンはしみじみ呟くと、アルバートは吹き出して、

「あっ……はははは。そうきたか」

と笑った。

 笑って笑って、笑いながら泣いて、アルバートが下からテアンの首に腕を絡めてきて、唇を寄せてくる。

「テアン……テアンが足りない。もっと、して、して。愛してくれ」

「もちろんです。私の唯一無二の王」

 テアンはアルバートを抱き寄せた。
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