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第四話 休日の触れ合い
第四話 四
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どのクッキーの出来栄えもよく、十時のおやつの時間は大盛況のうちに終わった。
片付けも済ませたウタセは一度食堂から出て行ったものの、すぐに模造紙と小箱を抱えて戻って来た。
ガザが訝しげに目を細める。
「これが『お願いしたいこと』?」
「うん、そうだよ。あ、シノ。紙広げるの手伝ってもらっていいかな」
「はい」
言われるがまま、床の上に模造紙を広げていく。
現れたのは、いくつにもつながったマスだった。マスの中には字が書かれている。そのすべてが手書きだった。
それを見たソラルが眉間にしわを寄せる。
「すごろくですよね、これ。しかも手作り感満載の」
ウタセは小箱の中から、これまた厚紙で作ったさいころと紙粘土で作ったコマを出していく。
「それも手作りなんだ……」
トゥナが何とも言えない表情でさいころとコマを見つめていた。
「この間からツクシとスギナと三人で作ってたんだよ。ようやく完成したから、試しにやってみてほしくて。……絶対、改善点があると思うから……」
最後の方はウタセにしては声が小さく、慈乃には聞き取れなかったが、概要はわかった。
準備を終え、すごろくが始まった。
しかし、順番を決めた直後に早速問題が起こった。
「このコマ作ったの絶対ツクシだろ!」
ガザの持つコマは妙に芸術的センスに溢れていた。人、いやこの場合は妖精の顔が忠実に再現されていたのだ。二立方センチメートルほどの大きさしかないのに、よくもここまでできたものだと、慈乃はかえって感心してしまう。
それが人数分、小箱から出されている。顔は老若男女、大きな特徴をもってして異なっていた。
一番目のガザはキメ顔の美青年の顔、二番目の慈乃は優しげな母親らしき顔、三番目のソラルは山姥の顔、四番目のウタセは好々爺の顔、五番目のトゥナは泣き叫ぶ赤子の顔をそれぞれ手に取った。
「あの箱の中にもまだコマはあるんだよな?」
「あるよ。あと五個」
「こわっ」
さすがのガザも確認する気にはなれなかったのか言うに止めた。さりげなく箱を覗いたソラルは、本気でひいていた。
「まあまあ、ゲームを始めようよ」
ウタセがその場ととりなすことで、ようやく始まった。
ガザがさいころを振る。
「やった、六じゃ……」
視線で追ったマスには『最初に戻る』の指示。
ガザはコマに触れることなく、自分の番を終えた。
「……ツクシぃ」
「調子に乗るなってことでしょうか。意図しているかはともかく、ツクシさんらしいですね」
「次はシノ姉だね」
トゥナに促されて、慈乃がさいころを振ると一が出た。
「一、ですか……」
「は⁉ このマス、ラッキーじゃん!」
幸先があまり良くないと思っていた慈乃だったが、ガザの声につられて該当するマスを見る。そこには『もう一度さいころをふって偶数がでたら七のマスに進む』と書かれてあった。
「この救済措置……、スギナか」
「さすがですね」
ガザとソラルの感嘆の声を左右に聞きながら、慈乃は再びさいころを振った。
「あ、二。偶数、です」
「うおーっ。まだ始まったばっかりだけど、なんだろう、この敗北感!」
慈乃の右隣では、ガザが文字通り頭を抱えていた。
「次は俺ですね。……四が出ましたよ」
ソラルが出した四のマスの指示を、トゥナが読み上げる。
「なになに。『現在トップのマスにとぶ』」
「あ、それ、僕が書いたやつだね」
ウタセはにこりと笑った。かたやガザは遠い目をしている。
「すごろくにしては序盤からぶっ飛んでるけど、ツクシのインパクトが強すぎて、なんかそうでもないような気がしてくるな……」
「感覚が麻痺してますよ。次はウタさんですね、はい」
「ありがとう」
ウタセはソラルからさいころを受け取ると、それを振る。
「……五だね。『次のひとはとばす』。あぁ……。その、ごめんね、トゥナ」
「完全に飛び火だよね⁉」
片付けも済ませたウタセは一度食堂から出て行ったものの、すぐに模造紙と小箱を抱えて戻って来た。
ガザが訝しげに目を細める。
「これが『お願いしたいこと』?」
「うん、そうだよ。あ、シノ。紙広げるの手伝ってもらっていいかな」
「はい」
言われるがまま、床の上に模造紙を広げていく。
現れたのは、いくつにもつながったマスだった。マスの中には字が書かれている。そのすべてが手書きだった。
それを見たソラルが眉間にしわを寄せる。
「すごろくですよね、これ。しかも手作り感満載の」
ウタセは小箱の中から、これまた厚紙で作ったさいころと紙粘土で作ったコマを出していく。
「それも手作りなんだ……」
トゥナが何とも言えない表情でさいころとコマを見つめていた。
「この間からツクシとスギナと三人で作ってたんだよ。ようやく完成したから、試しにやってみてほしくて。……絶対、改善点があると思うから……」
最後の方はウタセにしては声が小さく、慈乃には聞き取れなかったが、概要はわかった。
準備を終え、すごろくが始まった。
しかし、順番を決めた直後に早速問題が起こった。
「このコマ作ったの絶対ツクシだろ!」
ガザの持つコマは妙に芸術的センスに溢れていた。人、いやこの場合は妖精の顔が忠実に再現されていたのだ。二立方センチメートルほどの大きさしかないのに、よくもここまでできたものだと、慈乃はかえって感心してしまう。
それが人数分、小箱から出されている。顔は老若男女、大きな特徴をもってして異なっていた。
一番目のガザはキメ顔の美青年の顔、二番目の慈乃は優しげな母親らしき顔、三番目のソラルは山姥の顔、四番目のウタセは好々爺の顔、五番目のトゥナは泣き叫ぶ赤子の顔をそれぞれ手に取った。
「あの箱の中にもまだコマはあるんだよな?」
「あるよ。あと五個」
「こわっ」
さすがのガザも確認する気にはなれなかったのか言うに止めた。さりげなく箱を覗いたソラルは、本気でひいていた。
「まあまあ、ゲームを始めようよ」
ウタセがその場ととりなすことで、ようやく始まった。
ガザがさいころを振る。
「やった、六じゃ……」
視線で追ったマスには『最初に戻る』の指示。
ガザはコマに触れることなく、自分の番を終えた。
「……ツクシぃ」
「調子に乗るなってことでしょうか。意図しているかはともかく、ツクシさんらしいですね」
「次はシノ姉だね」
トゥナに促されて、慈乃がさいころを振ると一が出た。
「一、ですか……」
「は⁉ このマス、ラッキーじゃん!」
幸先があまり良くないと思っていた慈乃だったが、ガザの声につられて該当するマスを見る。そこには『もう一度さいころをふって偶数がでたら七のマスに進む』と書かれてあった。
「この救済措置……、スギナか」
「さすがですね」
ガザとソラルの感嘆の声を左右に聞きながら、慈乃は再びさいころを振った。
「あ、二。偶数、です」
「うおーっ。まだ始まったばっかりだけど、なんだろう、この敗北感!」
慈乃の右隣では、ガザが文字通り頭を抱えていた。
「次は俺ですね。……四が出ましたよ」
ソラルが出した四のマスの指示を、トゥナが読み上げる。
「なになに。『現在トップのマスにとぶ』」
「あ、それ、僕が書いたやつだね」
ウタセはにこりと笑った。かたやガザは遠い目をしている。
「すごろくにしては序盤からぶっ飛んでるけど、ツクシのインパクトが強すぎて、なんかそうでもないような気がしてくるな……」
「感覚が麻痺してますよ。次はウタさんですね、はい」
「ありがとう」
ウタセはソラルからさいころを受け取ると、それを振る。
「……五だね。『次のひとはとばす』。あぁ……。その、ごめんね、トゥナ」
「完全に飛び火だよね⁉」
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