【大正×異世界】妖に溺愛される軍曹は行く先々で狙われて、エッチな目にあう話【軍人】

ハヤイもち

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1章

「ごめんください」

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俺はそれから少女とお手玉やメンコ、おはじきをして遊んだ。

「ずっとこうしたかったんだ」

ぽつりと少女がつぶやく。

「それなのに、あなたがわたしのことを見えたのなんて
あの一回だけ。いつも一緒にいたのにね」

小さな手がころころとビー玉をころがしている様子を
追いかける。


ねぇ、もうここに一緒に住もうよ。
お母さんがいなくなってから、
君はどんどん遠くに行ってしまって、
すごくすごく寂しかったんだよ。
ここならつらいことはないし、
ずっと遊んでいられるよ。
ね、そうしようよ。


こちらを見上げる少女の大きな瞳がゆらゆらと揺れていた。

「だが、俺は…」

「ごめんください」

こんこんと扉をノックする音とともに、
機械音のようなしわがれた男性の声が聞こえた。

「む、来たか?」

俺は巫女が言っていた迎かと思って、
扉の方に近寄る。

扉を開けて迎え入れようとした瞬間、

「だめっ!」

という少女の声とともに俺の手を掴まれた。

「扉、見て」

少女の声に顔を上げて扉を見る。
曇りガラスになった扉の向こう側に
赤く揺れる何かの影が映っている。

それは縦に長くて、扉に収まらないほどの大きさがあった。

「なんだ、これ…?」


わかんない。けどこんな禍々しい気配、初めて。
ここの妖じゃないよ。
絶対に開けちゃダメ。


「巫女の迎えじゃないのか?」

「巫女様からお迎えがあるの?
知らないけどこれは絶対違うよ」

俺はふと少女の手がぶるぶると
細かく震えているのが分かった。
こうしている間にも扉の向こうからは、

「ごめんください」

という独特の不快な音とともに、ぎしぎしと扉が音を立てる。
このままではこの扉が破られるのも時間の問題に思える。
俺だけならいいが、匿ってくれた少女まで巻き添えにすることはできない。
例え人間でなくても、彼女は守らなくてはいけないと思った。

「なぁかくれんぼしようか」

俺は少女の語り掛ける。

「なんで?今?」

「俺がおにになるから、絶対に見つからない場所に隠れるんだぞ」

「いやだよ。君はそんなこと言ってまたわたしを置いていくんでしょう?
やだよ。一緒にいよう?だいじょうぶだよ、扉を開けなければだいじょうぶだよ」

「数を数えるぞ、いーち、にー」

「話を聞いてよっ!ばかっ」

ガタガタと玄関の扉が揺れる。
その音にびくりと少女が肩を揺らした。

「いいのか?さっきまでかくれんぼしたいって言ってたじゃないか」

「今じゃなくってもいい。隠れるんなら一緒に隠れよう?」

「鬼がいないとかくれんぼはできないよ。
また必ず君を見つけるから、今だけ、また隠れてて」

少女は泣きそうになりながら、うなずいた。

「絶対だよ」

「いーち、にー、さーん、しー、」

柱に額を付けて、数を数え始めた俺の耳に、
少女のタタタっという小さな足音が聞こえる。
そしてその場からいなくなったのがわかった。


「ごめんください」

がたんっと音がして、扉が勢いよく開かれた。
そして、それを見た瞬間俺は意識を失った。
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