対ノ双龍天翔ケル時

恭介

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第1章 太陽と月

迷い子の出会い

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もし聖龍神様がいるなら、まず願おう。
この巨獣をできるだけ早く消して下さい。
荒い呼吸と爆音に掻き消されそうな思考で、少女は思った。元々山菜取りに来ただけなのだが、ひょんな事で怒らせたらしい。今、木々を薙ぎ倒しながら獣はこちらに向かって来る。もう駄目だ。諦めるしか無い。と、思った矢先。
目の前に細身の少年が踊り出る。年齢は同い年くらいだろうか。その顔には、自信のあること、またお前か、と呆れたような表情の二つが見えた。
少年は手に持った刃物で一突き。一見何も無いように見えるその一撃は、医学を学ぶ彼女にはありとあらゆる弱点を狙う必殺の一撃だと言うことが解る。意外なのは、この少年はそのような計算高い事を出来ない様に見えた。
「大丈夫か?怪我とかは無いか?」彼は尋ねる。
特に隠す意味も無い少女は「無いわ。全く」と答え、観察を再開。
この少年は健康的な笑い方をするのだな、と感じた。
後は質問に答えた。
「歳は?」
「14」
「そっかぁ、同い年か。何か感慨深い」
「言ってる意味が分からない人ね」
「なんでだよ。まぁいいか。あ、そうだ」
少女は警戒した。何を聞かれるかわかったものじゃない。
「俺はアポロ。名前は?」
「ディエナ。今後会うことは無いだろうけど、宜しくとはいっておくわね」
「おう、よろしく。」アポロは爽やかに笑った。
「さようなら、貴方に聖龍の加護が在ります様に」今のは儀礼的に言った。後のディエナは、これを言った事にかなり後悔することになる。
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