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第1章 太陽と月
憂鬱
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「確かにそう言ったのだな?」男は尋ねる。
アポロは、「はい、『貴方に聖龍の加護が在ります事を』と、確実に。」と答える。
アポロにとって、それはどうでもいい様に感じたからだった。ディエナと同じく、後に未来永劫後悔するが。
「対応はこちらで考える。それまでは待機だ。」
その指令に軽く頷くと、アポロはその部屋を去る。そして、複雑に接続された廊下を通り、外に出る。行き先は、森。怪しまれないように。自然体で。
本来ならば魔法を使うだろう。ただ、アポロには魔力と呼ばれるものが一切無い。なので、基本魔法を使えない。なので、専ら徒歩だ。
暫くして森の奥で、声がかかる。今日の待ち合わせの相手、ディエナだ。
普段のトーンで「何やってたの?わざわざ自分から呼び出しといて。」と尋ねられる。それをうまくはぐらかしたアポロは、そのまま本題に入る。
「一つ思うんだけど、あの獣、どーやってもあの道には来れないはず。俺が罠を仕掛けたから、そこは間違いない。」そこまで言って、ディエナが質問する。
「その罠ってどんなの?魔法じゃないんでしょ?」この少年は魔法を使えない。はずなのに。
「あぁ、設置の魔法だけどなにか?」
「?」
「なんか、星そのものをエネルギー源にしてなら出来るっぽいよ」
嘘だ。そんな事有り得ない。それができるなら、この少年、歴史に名だたる大魔導師と同じ力を持っている事になるではないか、とディエナは思う。
では・・・やはりこの少年が“予言“の?
アポロは、「はい、『貴方に聖龍の加護が在ります事を』と、確実に。」と答える。
アポロにとって、それはどうでもいい様に感じたからだった。ディエナと同じく、後に未来永劫後悔するが。
「対応はこちらで考える。それまでは待機だ。」
その指令に軽く頷くと、アポロはその部屋を去る。そして、複雑に接続された廊下を通り、外に出る。行き先は、森。怪しまれないように。自然体で。
本来ならば魔法を使うだろう。ただ、アポロには魔力と呼ばれるものが一切無い。なので、基本魔法を使えない。なので、専ら徒歩だ。
暫くして森の奥で、声がかかる。今日の待ち合わせの相手、ディエナだ。
普段のトーンで「何やってたの?わざわざ自分から呼び出しといて。」と尋ねられる。それをうまくはぐらかしたアポロは、そのまま本題に入る。
「一つ思うんだけど、あの獣、どーやってもあの道には来れないはず。俺が罠を仕掛けたから、そこは間違いない。」そこまで言って、ディエナが質問する。
「その罠ってどんなの?魔法じゃないんでしょ?」この少年は魔法を使えない。はずなのに。
「あぁ、設置の魔法だけどなにか?」
「?」
「なんか、星そのものをエネルギー源にしてなら出来るっぽいよ」
嘘だ。そんな事有り得ない。それができるなら、この少年、歴史に名だたる大魔導師と同じ力を持っている事になるではないか、とディエナは思う。
では・・・やはりこの少年が“予言“の?
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