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朝食の席で、継母マルグリットが上機嫌な声を上げた。
「ロザリンド、あなたの社交界デビューまであと二週間よ。準備は万端にしなくてはね」
「はい、お母様。楽しみだわ」
ロザリンドは得意げに微笑んだ。その視線が、給仕をしているエリーゼに向けられる。
「ねえエリーゼ、あなた確か二十歳だったわよね。もう成人してずいぶん経つのに、一度も舞踏会に出たことがないなんて、可哀想」
わざとらしい同情の声音に、エリーゼは唇を噛んだ。
「ロザリンド、余計なことを言うものではありません」
継母が娘をたしなめる。だが、その目は笑っていた。
「エリーゼには舞踏会は必要ありませんの。だって、あなたみたいな子を社交界に出したら、アルトハイム家の恥になってしまうもの」
「恥、ですか」
エリーゼは静かに言った。
「ええ、そうよ。見てごらんなさい。その粗末な服装、荒れた手。どこに貴族の令嬢としての品があるというの」
継母の言葉が、胸に突き刺さる。粗末な服を着ているのは継母が与えないからだ。手が荒れているのは、使用人の仕事をさせられているからだ。全て、継母が仕組んだことではないか。
「それに、あなたには社交界で必要な教養もないでしょう」
「……そんなことは」
「口答えするの? では、フランス語で挨拶をしてみなさい。できる?」
エリーゼは黙った。できる。母が熱心に教えてくれたから、フランス語も、イタリア語も、ラテン語さえもある程度は理解できる。だが、それを示せば、継母はきっと別の方法でエリーゼを貶めるだろう。
「ほら、できないでしょう。やはりあなたには無理なのよ」
継母は満足げに頷いた。
その日の午後、エリーゼはロザリンドの部屋に呼ばれた。
部屋に入ると、そこには何十着ものドレスが並んでいた。どれも最高級の生地で仕立てられた、華やかなものばかりだ。
「これ、全部舞踏会用なの。どれを着ていこうか迷っちゃうわ」
ロザリンドは嬉しそうに、ドレスの前を行ったり来たりしている。
「お呼びでしょうか」
「ああ、エリーゼ。これらのドレスを全部試着するから、手伝ってちょうだい。着替えを手伝って、それからレースの調整もね」
「承知いたしました」
エリーゼは淡々と答えた。
次々とドレスを試着するロザリンド。その中に、見覚えのあるドレスがあった。
淡いラベンダー色の生地に、繊細な刺繍が施されたドレス。これは、母がエリーゼの成人の祝いにと、生前に注文していたものだ。母の死後、継母が勝手に自分の娘たちのものにしてしまった。
「これ、素敵でしょう。私に似合うと思わない?」
ロザリンドは鏡の前でくるりと回った。ドレスの裾が優雅に広がる。
「……はい」
「もっと褒めなさいよ。これ、すごく高かったのよ」
高かったのではない。母が、愛する娘のために心を込めて選んだものなのだ。エリーゼは心の中で叫んだが、声には出さなかった。
「とても、お似合いです」
「そうでしょう。でもね、少し丈が長いわ。裾を詰めてちょうだい」
「それは、仕立て屋に……」
「あなたがやりなさいって言ってるの。針仕事くらいできるでしょう?」
ロザリンドは高圧的に言った。
エリーゼは母の形見のドレスを受け取った。胸が痛む。このドレスを着て舞踏会に出るはずだったのは、本来なら自分だったのに。
「それから、これも直して」
ロザリンドは別のドレスを投げてよこした。真紅のドレス。これも以前見たものだ。
「これ、クラリッサが着たんだけど、ワインをこぼしちゃって。シミを取っておいて」
エリーゼは両腕いっぱいにドレスを抱えた。どれも、母が自分のために用意してくれたものだ。
「ああ、それから。これ」
ロザリンドは引き出しから何かを取り出した。それは、小さな宝石箱だった。
「この中のネックレス、磨いておいて。舞踏会につけていくから」
箱を開けると、中には美しいサファイアのネックレスがあった。母がいつも大切にしていたものだ。
「これは……」
「何か文句でもあるの?」
「いえ、ございません」
エリーゼは宝石箱を受け取った。手が震えている。
「じゃあ、明日の朝までに全部終わらせておいてね。できなかったら、お母様に言いつけるから」
ロザリンドは手を振って、エリーゼを追い出した。
屋根裏部屋に戻ると、エリーゼはドレスと宝石箱を床に置き、膝から崩れ落ちた。
「お母様……」
涙が溢れ出た。もう、こらえることができなかった。
母が自分のために用意してくれたものを、義姉が勝手に使い、汚し、そして自分に直させる。これ以上の屈辱があるだろうか。
だが、泣いている暇はない。明日の朝までに全て仕上げなければ、また継母の叱責が待っている。
エリーゼは涙を拭い、針と糸を取り出した。
夜通し、針を動かし続けた。ラベンダー色のドレスの裾を慎重に詰める。一針一針、母への想いを込めて。
真紅のドレスのシミは、なかなか落ちなかった。何度も洗い、丁寧に処理して、ようやく目立たなくなった。
サファイアのネックレスは、柔らかい布で優しく磨いた。母の肌に触れていたこのネックレスを、ロザリンドがつけていくのかと思うと、また涙が込み上げた。
窓の外が白み始めた頃、ようやく全ての作業が終わった。
エリーゼは完成したドレスを見つめた。完璧な仕上がりだ。母から教わった針仕事の技術が、こんな形で使われるなんて。
「お母様、ごめんなさい」
小さく呟いた。母の想いを、こんな風に踏みにじられて。
「でも、いつか必ず……」
エリーゼは拳を握りしめた。いつか必ず、この屈辱を晴らす日が来る。そう信じなければ、心が折れてしまいそうだった。
朝になり、ロザリンドの部屋にドレスを届けると、彼女は満足げに頷いた。
「まあ、意外とやるじゃない。これなら舞踏会で注目を浴びられるわ」
「よかったですね」
エリーゼは表情を変えずに言った。
「ああ、そうだ。舞踏会の当日、あなたも手伝いに来てもらうから。ドレスを着るのを手伝って、髪を結って、化粧も手伝ってちょうだい」
「……承知いたしました」
「楽しみだわ。きっと素敵な殿方と出会えるに違いないもの。あなたには一生縁のない世界ね」
ロザリンドの言葉が、鋭い刃のように胸を刺す。
部屋を出ると、廊下でクラリッサと出会った。
「エリーゼ……」
クラリッサは申し訳なさそうに目を伏せた。
「あの、本当にごめんなさい。私のドレスも直してくれて……」
「気になさらないでください」
エリーゼは微笑んだ。クラリッサは、少なくとも罪悪感を感じている。ロザリンドや継母とは違う。
「でも……」
「クラリッサ様も、舞踏会を楽しんでください。それが私の願いです」
本心ではなかった。だが、クラリッサを責めても何も変わらない。彼女もまた、継母の支配下にあるのだ。
その夜、夕食の席で継母が発表した。
「来月の舞踏会には、私とロザリンドとクラリッサが出席します。新しいドレスも仕立てましたし、宝石も用意しました。アルトハイム家の名に恥じないよう、しっかりと社交界に名を広めてきますからね」
父は無言で頷いた。エリーゼの方を一度も見ない。
「エリーゼ、あなたは留守番よ。屋敷の管理をしっかりとね」
「承知いたしました」
エリーゼは静かに答えた。
もう、何も感じない。期待することをやめたのだ。
食事が終わり、屋根裏部屋に戻る途中、セバスチャンに呼び止められた。
「お嬢様」
「はい、セバスチャン」
「今夜の仕打ち、見ておりました。お嬢様こそが最初に社交界デビューすべきだったのに……」
「もう、いいのです」
エリーゼは首を横に振った。
「私には、もう何も期待していません。ただ、いつかここから抜け出せる日を待つだけです」
「お嬢様……必ず、その日は来ます。あなた様の真の価値を見出してくれる方が、必ず現れます」
セバスチャンの言葉に、エリーゼは小さく微笑んだ。
「ありがとう、セバスチャン。あなただけが、私の味方です」
屋根裏部屋で、エリーゼは母のペンダントを握りしめた。
「お母様、私はまだ大丈夫です。まだ、希望を捨てていません」
窓の外の星が、静かに瞬いていた。
どんなに奪われても、心の中の誇りだけは誰にも奪わせない。母から受け継いだ品位と知性は、今も自分の中に生きている。
いつか必ず、それを証明する日が来る。
エリーゼはそう信じて、目を閉じた。
「ロザリンド、あなたの社交界デビューまであと二週間よ。準備は万端にしなくてはね」
「はい、お母様。楽しみだわ」
ロザリンドは得意げに微笑んだ。その視線が、給仕をしているエリーゼに向けられる。
「ねえエリーゼ、あなた確か二十歳だったわよね。もう成人してずいぶん経つのに、一度も舞踏会に出たことがないなんて、可哀想」
わざとらしい同情の声音に、エリーゼは唇を噛んだ。
「ロザリンド、余計なことを言うものではありません」
継母が娘をたしなめる。だが、その目は笑っていた。
「エリーゼには舞踏会は必要ありませんの。だって、あなたみたいな子を社交界に出したら、アルトハイム家の恥になってしまうもの」
「恥、ですか」
エリーゼは静かに言った。
「ええ、そうよ。見てごらんなさい。その粗末な服装、荒れた手。どこに貴族の令嬢としての品があるというの」
継母の言葉が、胸に突き刺さる。粗末な服を着ているのは継母が与えないからだ。手が荒れているのは、使用人の仕事をさせられているからだ。全て、継母が仕組んだことではないか。
「それに、あなたには社交界で必要な教養もないでしょう」
「……そんなことは」
「口答えするの? では、フランス語で挨拶をしてみなさい。できる?」
エリーゼは黙った。できる。母が熱心に教えてくれたから、フランス語も、イタリア語も、ラテン語さえもある程度は理解できる。だが、それを示せば、継母はきっと別の方法でエリーゼを貶めるだろう。
「ほら、できないでしょう。やはりあなたには無理なのよ」
継母は満足げに頷いた。
その日の午後、エリーゼはロザリンドの部屋に呼ばれた。
部屋に入ると、そこには何十着ものドレスが並んでいた。どれも最高級の生地で仕立てられた、華やかなものばかりだ。
「これ、全部舞踏会用なの。どれを着ていこうか迷っちゃうわ」
ロザリンドは嬉しそうに、ドレスの前を行ったり来たりしている。
「お呼びでしょうか」
「ああ、エリーゼ。これらのドレスを全部試着するから、手伝ってちょうだい。着替えを手伝って、それからレースの調整もね」
「承知いたしました」
エリーゼは淡々と答えた。
次々とドレスを試着するロザリンド。その中に、見覚えのあるドレスがあった。
淡いラベンダー色の生地に、繊細な刺繍が施されたドレス。これは、母がエリーゼの成人の祝いにと、生前に注文していたものだ。母の死後、継母が勝手に自分の娘たちのものにしてしまった。
「これ、素敵でしょう。私に似合うと思わない?」
ロザリンドは鏡の前でくるりと回った。ドレスの裾が優雅に広がる。
「……はい」
「もっと褒めなさいよ。これ、すごく高かったのよ」
高かったのではない。母が、愛する娘のために心を込めて選んだものなのだ。エリーゼは心の中で叫んだが、声には出さなかった。
「とても、お似合いです」
「そうでしょう。でもね、少し丈が長いわ。裾を詰めてちょうだい」
「それは、仕立て屋に……」
「あなたがやりなさいって言ってるの。針仕事くらいできるでしょう?」
ロザリンドは高圧的に言った。
エリーゼは母の形見のドレスを受け取った。胸が痛む。このドレスを着て舞踏会に出るはずだったのは、本来なら自分だったのに。
「それから、これも直して」
ロザリンドは別のドレスを投げてよこした。真紅のドレス。これも以前見たものだ。
「これ、クラリッサが着たんだけど、ワインをこぼしちゃって。シミを取っておいて」
エリーゼは両腕いっぱいにドレスを抱えた。どれも、母が自分のために用意してくれたものだ。
「ああ、それから。これ」
ロザリンドは引き出しから何かを取り出した。それは、小さな宝石箱だった。
「この中のネックレス、磨いておいて。舞踏会につけていくから」
箱を開けると、中には美しいサファイアのネックレスがあった。母がいつも大切にしていたものだ。
「これは……」
「何か文句でもあるの?」
「いえ、ございません」
エリーゼは宝石箱を受け取った。手が震えている。
「じゃあ、明日の朝までに全部終わらせておいてね。できなかったら、お母様に言いつけるから」
ロザリンドは手を振って、エリーゼを追い出した。
屋根裏部屋に戻ると、エリーゼはドレスと宝石箱を床に置き、膝から崩れ落ちた。
「お母様……」
涙が溢れ出た。もう、こらえることができなかった。
母が自分のために用意してくれたものを、義姉が勝手に使い、汚し、そして自分に直させる。これ以上の屈辱があるだろうか。
だが、泣いている暇はない。明日の朝までに全て仕上げなければ、また継母の叱責が待っている。
エリーゼは涙を拭い、針と糸を取り出した。
夜通し、針を動かし続けた。ラベンダー色のドレスの裾を慎重に詰める。一針一針、母への想いを込めて。
真紅のドレスのシミは、なかなか落ちなかった。何度も洗い、丁寧に処理して、ようやく目立たなくなった。
サファイアのネックレスは、柔らかい布で優しく磨いた。母の肌に触れていたこのネックレスを、ロザリンドがつけていくのかと思うと、また涙が込み上げた。
窓の外が白み始めた頃、ようやく全ての作業が終わった。
エリーゼは完成したドレスを見つめた。完璧な仕上がりだ。母から教わった針仕事の技術が、こんな形で使われるなんて。
「お母様、ごめんなさい」
小さく呟いた。母の想いを、こんな風に踏みにじられて。
「でも、いつか必ず……」
エリーゼは拳を握りしめた。いつか必ず、この屈辱を晴らす日が来る。そう信じなければ、心が折れてしまいそうだった。
朝になり、ロザリンドの部屋にドレスを届けると、彼女は満足げに頷いた。
「まあ、意外とやるじゃない。これなら舞踏会で注目を浴びられるわ」
「よかったですね」
エリーゼは表情を変えずに言った。
「ああ、そうだ。舞踏会の当日、あなたも手伝いに来てもらうから。ドレスを着るのを手伝って、髪を結って、化粧も手伝ってちょうだい」
「……承知いたしました」
「楽しみだわ。きっと素敵な殿方と出会えるに違いないもの。あなたには一生縁のない世界ね」
ロザリンドの言葉が、鋭い刃のように胸を刺す。
部屋を出ると、廊下でクラリッサと出会った。
「エリーゼ……」
クラリッサは申し訳なさそうに目を伏せた。
「あの、本当にごめんなさい。私のドレスも直してくれて……」
「気になさらないでください」
エリーゼは微笑んだ。クラリッサは、少なくとも罪悪感を感じている。ロザリンドや継母とは違う。
「でも……」
「クラリッサ様も、舞踏会を楽しんでください。それが私の願いです」
本心ではなかった。だが、クラリッサを責めても何も変わらない。彼女もまた、継母の支配下にあるのだ。
その夜、夕食の席で継母が発表した。
「来月の舞踏会には、私とロザリンドとクラリッサが出席します。新しいドレスも仕立てましたし、宝石も用意しました。アルトハイム家の名に恥じないよう、しっかりと社交界に名を広めてきますからね」
父は無言で頷いた。エリーゼの方を一度も見ない。
「エリーゼ、あなたは留守番よ。屋敷の管理をしっかりとね」
「承知いたしました」
エリーゼは静かに答えた。
もう、何も感じない。期待することをやめたのだ。
食事が終わり、屋根裏部屋に戻る途中、セバスチャンに呼び止められた。
「お嬢様」
「はい、セバスチャン」
「今夜の仕打ち、見ておりました。お嬢様こそが最初に社交界デビューすべきだったのに……」
「もう、いいのです」
エリーゼは首を横に振った。
「私には、もう何も期待していません。ただ、いつかここから抜け出せる日を待つだけです」
「お嬢様……必ず、その日は来ます。あなた様の真の価値を見出してくれる方が、必ず現れます」
セバスチャンの言葉に、エリーゼは小さく微笑んだ。
「ありがとう、セバスチャン。あなただけが、私の味方です」
屋根裏部屋で、エリーゼは母のペンダントを握りしめた。
「お母様、私はまだ大丈夫です。まだ、希望を捨てていません」
窓の外の星が、静かに瞬いていた。
どんなに奪われても、心の中の誇りだけは誰にも奪わせない。母から受け継いだ品位と知性は、今も自分の中に生きている。
いつか必ず、それを証明する日が来る。
エリーゼはそう信じて、目を閉じた。
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