16 / 20
16
しおりを挟む
暗殺未遂事件から一ヶ月が過ぎた。
エリーゼは妊娠七ヶ月目に入り、お腹はさらに大きくなっていた。もう、出産まであと二ヶ月だ。
その日の午後、エリーゼは王宮の庭園を散歩していた。
「王妃様、どなたかがお会いしたいと」
侍女が告げた。
「どなた?」
「ロザリンド・フォン・アルトハイム様とおっしゃいます」
エリーゼの表情が曇った。
「ロザリンドが……」
「お断りいたしましょうか」
「いえ」
エリーゼは少し考えた後、答えた。
「会いましょう」
「よろしいのですか」
「ええ。何の用か、聞いてみたいわ」
応接室に案内されると、そこにはロザリンドが座っていた。
かつての豪奢な装いは影も形もなかった。質素なドレスを着て、髪も粗末に結われている。顔は痩せこけ、目の下には隈ができていた。
「エリーゼ……」
ロザリンドは立ち上がった。
「王妃様、とお呼びすべきね」
「ロザリンド様。お久しぶりです」
エリーゼは冷静に答えた。
「どうぞ、お座りください」
二人は向かい合って座った。
「まず、お腹の赤ちゃんは無事で?」
「はい、おかげさまで」
「それは、よかった」
ロザリンドは複雑な表情で言った。
「暗殺未遂のこと、聞いたわ。本当に、恐ろしいことだったでしょう」
「ええ」
沈黙が流れた。
ロザリンドが口を開いた。
「実は、お願いがあって来たの」
「お願い、ですか」
「ええ」
ロザリンドは俯いた。
「家が、破産寸前なの」
「……」
「母の浪費で、全ての財産が消えたわ。借金だらけで、もう屋敷も手放さなければならない」
「そうですか」
エリーゼは表情を変えなかった。
「父も病気で、もう長くないと医者は言っている」
ロザリンドの声が震えた。
「私、どうしたらいいか分からない。仕事の経験もないし、結婚の話も全部破談になったし」
「それで、私に助けを求めに来たのですか」
「ええ」
ロザリンドは顔を上げた。
「お願い、エリーゼ。妹なんだから、助けてくれるわよね」
その言葉に、エリーゼの表情が変わった。
「妹……」
冷たい声だった。
「あなたは、私を妹だと思ったことがありますか」
「え?」
「思い出してください」
エリーゼは静かに、しかし明確に言った。
「あなたは私を、どう扱いましたか」
「それは……」
「使用人のように働かせた」
「でも……」
「母の形見のドレスを奪い、汚した」
「ごめんなさい、あれは……」
「私が大切にしていたものを、次々と奪った」
エリーゼは立ち上がった。
「そして、舞踏会にも出してくれなかった。私を笑い者にした」
「ごめんなさい! 本当にごめんなさい!」
ロザリンドは泣き崩れた。
「私が悪かった。でも、あれは母に言われてやったことで……」
「人のせいにするのですか」
「違う! そうじゃなくて……」
ロザリンドは必死に言葉を探した。
「私、嫉妬していたの。あなたのことを」
「嫉妬?」
「ええ」
ロザリンドは涙を拭った。
「あなたは美しくて、賢くて、品があった。私が、どんなに着飾っても、高価なドレスを着ても、あなたには敵わなかった」
「……」
「だから、あなたを貶めたかった。惨めな姿にして、自分が上だと思いたかった」
ロザリンドは正直に告白した。
「でも、結局あなたは王妃になって、私は全てを失った。これが、報いなのね」
エリーゼは長い沈黙の後、口を開いた。
「ロザリンド様」
「はい」
「あなたの苦境には、同情します」
「エリーゼ……」
「でも、それは自業自得です」
エリーゼの声は、穏やかだが断固としていた。
「あなたは、他人を傷つけて生きてきた。その報いを受けているだけです」
「分かっているわ! 分かっているのよ!」
ロザリンドは叫んだ。
「でも、助けてくれるわよね。妹なんだから」
「妹……」
エリーゼは首を横に振った。
「私を妹と思ったことがないあなたが、都合の良い時だけ姉妹を持ち出すのですか」
「お願い! 本当にお願い!」
ロザリンドは床に膝をついた。
「このままじゃ、私、路頭に迷うわ。誰も助けてくれない。あなただけが頼りなの」
エリーゼは冷静にロザリンドを見下ろした。
かつて、自分もこうして床に膝をつき、屈辱を味わった。だが、誰も助けてくれなかった。
「お願い、何でもするから!」
「何でも、ですか」
「ええ! 使用人でも何でもするわ!」
「では」
エリーゼは静かに言った。
「最低限の援助はします」
「本当!」
ロザリンドの顔が明るくなった。
「ただし、条件があります」
「何? 何でも聞くわ!」
「まず、父上の医療費と、当面の生活費は援助します」
「ありがとう!」
「しかし、それ以上は一切援助しません」
ロザリンドの表情が曇った。
「それと、二度と私の前に現れないでください」
「え……」
「連絡も、不要です」
エリーゼは冷たく告げた。
「これ以上、あなたと関わるつもりはありません」
「そんな……」
「これが、私の答えです」
「エリーゼ、お願い! もう少し……」
「お帰りください」
エリーゼは侍女に合図した。
「ロザリンド様を、お送りして」
「はい、王妃様」
ロザリンドは引きずられるように、部屋から出ていった。
「エリーゼ! エリーゼ!」
必死に叫ぶ声が、遠ざかっていく。
一人になると、エリーゼは窓辺に座った。
胸が痛んだ。完全に拒絶することもできたが、それはしなかった。
最低限の援助。それは、エリーゼの最後の温情だった。
「これで、いいのよね」
お腹に手を当てる。
「私は、あなたのお母さんになる。強くなければ」
赤ちゃんが動いた。
「ありがとう」
アレクシスが部屋に入ってきた。
「ロザリンドが来たと聞いた」
「ええ」
「どうした?」
「最低限の援助をすると伝えました。でも、それ以上は関わらないと」
「そうか」
アレクシスはエリーゼを抱きしめた。
「辛かっただろう」
「いえ、大丈夫です」
エリーゼは微笑んだ。
「これが、私の答えです」
「優しいな、君は」
「優しいのではありません」
エリーゼは首を横に振った。
「ただ、完全に見捨てることはできなかった。それだけです」
「それが、優しさだ」
アレクシスは優しく言った。
「復讐するのではなく、最低限の援助をする。それが、君らしい」
「本当は、もっと冷たくできればよかったのですが」
「いや、それでいい」
アレクシスはエリーゼの手を握った。
「憎しみに支配されないことが、何より大切だ」
その夜、エリーゼはベッドで考えた。
ロザリンドとの決別。それは、過去との決別でもあった。
もう、彼女たちのことで心を痛める必要はない。
これから、自分は母親になる。新しい命を育てる。
過去ではなく、未来を見なければ。
窓の外の星が、優しく瞬いていた。
「お母様、見ていてください」
小さく呟いた。
「私、あなたのように優しく、そして強い母親になります」
ペンダントを握りしめ、エリーゼは目を閉じた。
過去は、終わった。
これから始まるのは、新しい人生。
母として、王妃として、そして一人の女性として。
エリーゼの人生は、これからが本番だった。
エリーゼは妊娠七ヶ月目に入り、お腹はさらに大きくなっていた。もう、出産まであと二ヶ月だ。
その日の午後、エリーゼは王宮の庭園を散歩していた。
「王妃様、どなたかがお会いしたいと」
侍女が告げた。
「どなた?」
「ロザリンド・フォン・アルトハイム様とおっしゃいます」
エリーゼの表情が曇った。
「ロザリンドが……」
「お断りいたしましょうか」
「いえ」
エリーゼは少し考えた後、答えた。
「会いましょう」
「よろしいのですか」
「ええ。何の用か、聞いてみたいわ」
応接室に案内されると、そこにはロザリンドが座っていた。
かつての豪奢な装いは影も形もなかった。質素なドレスを着て、髪も粗末に結われている。顔は痩せこけ、目の下には隈ができていた。
「エリーゼ……」
ロザリンドは立ち上がった。
「王妃様、とお呼びすべきね」
「ロザリンド様。お久しぶりです」
エリーゼは冷静に答えた。
「どうぞ、お座りください」
二人は向かい合って座った。
「まず、お腹の赤ちゃんは無事で?」
「はい、おかげさまで」
「それは、よかった」
ロザリンドは複雑な表情で言った。
「暗殺未遂のこと、聞いたわ。本当に、恐ろしいことだったでしょう」
「ええ」
沈黙が流れた。
ロザリンドが口を開いた。
「実は、お願いがあって来たの」
「お願い、ですか」
「ええ」
ロザリンドは俯いた。
「家が、破産寸前なの」
「……」
「母の浪費で、全ての財産が消えたわ。借金だらけで、もう屋敷も手放さなければならない」
「そうですか」
エリーゼは表情を変えなかった。
「父も病気で、もう長くないと医者は言っている」
ロザリンドの声が震えた。
「私、どうしたらいいか分からない。仕事の経験もないし、結婚の話も全部破談になったし」
「それで、私に助けを求めに来たのですか」
「ええ」
ロザリンドは顔を上げた。
「お願い、エリーゼ。妹なんだから、助けてくれるわよね」
その言葉に、エリーゼの表情が変わった。
「妹……」
冷たい声だった。
「あなたは、私を妹だと思ったことがありますか」
「え?」
「思い出してください」
エリーゼは静かに、しかし明確に言った。
「あなたは私を、どう扱いましたか」
「それは……」
「使用人のように働かせた」
「でも……」
「母の形見のドレスを奪い、汚した」
「ごめんなさい、あれは……」
「私が大切にしていたものを、次々と奪った」
エリーゼは立ち上がった。
「そして、舞踏会にも出してくれなかった。私を笑い者にした」
「ごめんなさい! 本当にごめんなさい!」
ロザリンドは泣き崩れた。
「私が悪かった。でも、あれは母に言われてやったことで……」
「人のせいにするのですか」
「違う! そうじゃなくて……」
ロザリンドは必死に言葉を探した。
「私、嫉妬していたの。あなたのことを」
「嫉妬?」
「ええ」
ロザリンドは涙を拭った。
「あなたは美しくて、賢くて、品があった。私が、どんなに着飾っても、高価なドレスを着ても、あなたには敵わなかった」
「……」
「だから、あなたを貶めたかった。惨めな姿にして、自分が上だと思いたかった」
ロザリンドは正直に告白した。
「でも、結局あなたは王妃になって、私は全てを失った。これが、報いなのね」
エリーゼは長い沈黙の後、口を開いた。
「ロザリンド様」
「はい」
「あなたの苦境には、同情します」
「エリーゼ……」
「でも、それは自業自得です」
エリーゼの声は、穏やかだが断固としていた。
「あなたは、他人を傷つけて生きてきた。その報いを受けているだけです」
「分かっているわ! 分かっているのよ!」
ロザリンドは叫んだ。
「でも、助けてくれるわよね。妹なんだから」
「妹……」
エリーゼは首を横に振った。
「私を妹と思ったことがないあなたが、都合の良い時だけ姉妹を持ち出すのですか」
「お願い! 本当にお願い!」
ロザリンドは床に膝をついた。
「このままじゃ、私、路頭に迷うわ。誰も助けてくれない。あなただけが頼りなの」
エリーゼは冷静にロザリンドを見下ろした。
かつて、自分もこうして床に膝をつき、屈辱を味わった。だが、誰も助けてくれなかった。
「お願い、何でもするから!」
「何でも、ですか」
「ええ! 使用人でも何でもするわ!」
「では」
エリーゼは静かに言った。
「最低限の援助はします」
「本当!」
ロザリンドの顔が明るくなった。
「ただし、条件があります」
「何? 何でも聞くわ!」
「まず、父上の医療費と、当面の生活費は援助します」
「ありがとう!」
「しかし、それ以上は一切援助しません」
ロザリンドの表情が曇った。
「それと、二度と私の前に現れないでください」
「え……」
「連絡も、不要です」
エリーゼは冷たく告げた。
「これ以上、あなたと関わるつもりはありません」
「そんな……」
「これが、私の答えです」
「エリーゼ、お願い! もう少し……」
「お帰りください」
エリーゼは侍女に合図した。
「ロザリンド様を、お送りして」
「はい、王妃様」
ロザリンドは引きずられるように、部屋から出ていった。
「エリーゼ! エリーゼ!」
必死に叫ぶ声が、遠ざかっていく。
一人になると、エリーゼは窓辺に座った。
胸が痛んだ。完全に拒絶することもできたが、それはしなかった。
最低限の援助。それは、エリーゼの最後の温情だった。
「これで、いいのよね」
お腹に手を当てる。
「私は、あなたのお母さんになる。強くなければ」
赤ちゃんが動いた。
「ありがとう」
アレクシスが部屋に入ってきた。
「ロザリンドが来たと聞いた」
「ええ」
「どうした?」
「最低限の援助をすると伝えました。でも、それ以上は関わらないと」
「そうか」
アレクシスはエリーゼを抱きしめた。
「辛かっただろう」
「いえ、大丈夫です」
エリーゼは微笑んだ。
「これが、私の答えです」
「優しいな、君は」
「優しいのではありません」
エリーゼは首を横に振った。
「ただ、完全に見捨てることはできなかった。それだけです」
「それが、優しさだ」
アレクシスは優しく言った。
「復讐するのではなく、最低限の援助をする。それが、君らしい」
「本当は、もっと冷たくできればよかったのですが」
「いや、それでいい」
アレクシスはエリーゼの手を握った。
「憎しみに支配されないことが、何より大切だ」
その夜、エリーゼはベッドで考えた。
ロザリンドとの決別。それは、過去との決別でもあった。
もう、彼女たちのことで心を痛める必要はない。
これから、自分は母親になる。新しい命を育てる。
過去ではなく、未来を見なければ。
窓の外の星が、優しく瞬いていた。
「お母様、見ていてください」
小さく呟いた。
「私、あなたのように優しく、そして強い母親になります」
ペンダントを握りしめ、エリーゼは目を閉じた。
過去は、終わった。
これから始まるのは、新しい人生。
母として、王妃として、そして一人の女性として。
エリーゼの人生は、これからが本番だった。
287
あなたにおすすめの小説
厄介払いされてしまいました
たくわん
恋愛
侯爵家の次女エリアーナは、美人の姉ロザリンドと比べられ続け、十八年間冷遇されてきた。
十八歳の誕生日、父から告げられたのは「辺境の老伯爵に嫁げ」という厄介払いの命令。
しかし、絶望しながらも辺境へ向かったエリアーナを待っていたのは――。
行き倒れていた人達を助けたら、8年前にわたしを追い出した元家族でした
柚木ゆず
恋愛
行き倒れていた3人の男女を介抱したら、その人達は8年前にわたしをお屋敷から追い出した実父と継母と腹違いの妹でした。
お父様達は貴族なのに3人だけで行動していて、しかも当時の面影がなくなるほどに全員が老けてやつれていたんです。わたしが追い出されてから今日までの間に、なにがあったのでしょうか……?
※体調の影響で一時的に感想欄を閉じております。
「わざわざ始まるまでまたないで、今のうちに手を打ったってよくない?」
イチイ アキラ
恋愛
アスター公爵令嬢エステルは、夢をみる。それは先を映す夢。
ある日、夢をみた。
この国の未来を。
それをアルフレッド王太子に相談する。彼女を愛して止まない婚約者に。
彼は言う。
愛する君とぼくの国のためなら、未来を変えるのも仕方なくない?
妹の身代わり人生です。愛してくれた辺境伯の腕の中さえ妹のものになるようです。
桗梛葉 (たなは)
恋愛
タイトルを変更しました。
※※※※※※※※※※※※※
双子として生まれたエレナとエレン。
かつては忌み子とされていた双子も何代か前の王によって、そういった扱いは禁止されたはずだった。
だけどいつの時代でも古い因習に囚われてしまう人達がいる。
エレナにとって不幸だったのはそれが実の両親だったということだった。
両親は妹のエレンだけを我が子(長女)として溺愛し、エレナは家族とさえ認められない日々を過ごしていた。
そんな中でエレンのミスによって辺境伯カナトス卿の令息リオネルがケガを負ってしまう。
療養期間の1年間、娘を差し出すよう求めてくるカナトス卿へ両親が差し出したのは、エレンではなくエレナだった。
エレンのフリをして初恋の相手のリオネルの元に向かうエレナは、そんな中でリオネルから優しさをむけてもらえる。
だが、その優しささえも本当はエレンへ向けられたものなのだ。
自分がニセモノだと知っている。
だから、この1年限りの恋をしよう。
そう心に決めてエレナは1年を過ごし始める。
※※※※※※※※※※※※※
異世界として、その世界特有の法や産物、鉱物、身分制度がある前提で書いています。
現実と違うな、という場面も多いと思います(すみません💦)
ファンタジーという事でゆるくとらえて頂けると助かります💦
縁の鎖
T T
恋愛
姉と妹
切れる事のない鎖
縁と言うには悲しく残酷な、姉妹の物語
公爵家の敷地内に佇む小さな離れの屋敷で母と私は捨て置かれるように、公爵家の母屋には義妹と義母が優雅に暮らす。
正妻の母は寂しそうに毎夜、父の肖像画を見つめ
「私の罪は私まで。」
と私が眠りに着くと語りかける。
妾の義母も義妹も気にする事なく暮らしていたが、母の死で一変。
父は義母に心酔し、義母は義妹を溺愛し、義妹は私の婚約者を懸想している家に私の居場所など無い。
全てを奪われる。
宝石もドレスもお人形も婚約者も地位も母の命も、何もかも・・・。
全てをあげるから、私の心だけは奪わないで!!
私の宝物を奪っていく妹に、全部あげてみた結果
柚木ゆず
恋愛
※4月27日、本編完結いたしました。明日28日より、番外編を投稿させていただきます。
姉マリエットの宝物を奪うことを悦びにしている、妹のミレーヌ。2人の両親はミレーヌを溺愛しているため咎められることはなく、マリエットはいつもそんなミレーヌに怯えていました。
ですが、ある日。とある出来事によってマリエットがミレーヌに宝物を全てあげると決めたことにより、2人の人生は大きく変わってゆくのでした。
婚約者様。現在社交界で広まっている噂について、大事なお話があります
柚木ゆず
恋愛
婚約者様へ。
昨夜参加したリーベニア侯爵家主催の夜会で、私に関するとある噂が広まりつつあると知りました。
そちらについて、とても大事なお話がありますので――。これから伺いますね?
『姉に全部奪われた私、今度は自分の幸せを選びます ~姉の栄光を支える嘘を、私は一枚ずつ剥がす~』
六角
恋愛
復讐はしない。——ただ「嘘」を回収する。 礼儀と帳簿で宮廷の偽りを詰ませる“監査官令嬢”の華麗なる逆転劇。
王家献上宝飾の紛失事件で濡れ衣を着せられ、家族にも婚約者にも捨てられて追放された子爵家次女リリア。 数年後、彼女は王妃直属の「臨時監査官」として、再び宮廷の土を踏む。
そこで待っていたのは、「慈愛の聖女」として崇められる姉セシリアと、彼女に心酔する愚かな貴族たち。しかし、姉の栄光の裏には、横領、洗脳、そして国を揺るがす「偽造魔石」の陰謀が隠されていた。
「復讐? いいえ、これは正当な監査です」
リリアは感情に流されず、帳簿と証拠、そして真実を映す「プリズム」を武器に、姉が築き上げた嘘の城を一枚ずつ剥がしていく。 孤立無援の彼女を支えるのは、氷のように冷徹な宰相補佐レオンハルトと、豪快な近衛騎士団長カミュ。 やがてリリアは、国中を巻き込んだ姉の洗脳計画を打ち砕き、自分自身の幸せと、不器用な宰相補佐からの溺愛を手に入れる——。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる