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なにやら大変そうでして(多作品とリンクあり)
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「とりあえず何か服を着なさい。このままじゃ小さいボクが素っ裸でいるみたいじゃないか」
ユーキさんはなんとも言えない複雑そうな顔をしてそう言うと、どこから出したのかユーキさんが着ている白衣と同じ物を渡してくれた。どうやら私は人間の姿に変身して、なおかつ裸だったようだ。進化(?)したせいなのかなんなのかはわからないが、やはりスライムだからなのか“裸”の感覚があまり無いので不思議な感じしかしない。
『はぁーい』
ともかく“母親”だと認識したユーキさんに言われた通り白衣に袖を通す。だが、かなりブカブカでかなりの面積が余ってしまった。
これじゃ動きにくいなぁ。と余って垂れ下がる袖をブンブンと振り回していると、ユーキさんが「うーん」と難しい顔をした後、フリージアさんに向き直ったのだが……「フリージア、ちょっと服を作ってくるからこの子を見てて「……ユーキ様の裸……ユーキ様の裸……ユーキ様の裸……」うん、ヴィー頼むよ」と、声をかけてから何かを諦めた目をしてヴィーさんに私の事を頼んできたのだった。
『了解ですー』
ヴィーさんはヴィーさんで悟ったような顔をしているし、そのフリージアさんはなぜか顔を両手で覆って涙を流しながら天を仰いでいるし、なんとも複雑そうな場面にでくわしてしまったようである。こんな場面は前世でも前前世でも経験が無いのでおとなしくしていることにした。
……いや、なんかフリージアさんが違う意味で怖いなぁ。なんで?あれは、アレか?前前世でなんとなく智識としてあるだけだけど、“推し”とかそういうアレなのだろうか?え?ユーキさんってアイドル的なアレなのか?だからフリージアさんはあんな神を崇めるみたいな感じでユーキさんの消えた方を拝んでいるのか?ユーキさんは……私の“母親”は現役引退アイドルだったのか……?!ーーーーうん、いや、たぶん違うな。私の中にあるユーキさんの遺伝子が“フリージアは規格外”と訴えていた。
『……とりあえず、おかーさんはすごい人なんですねぇ』
私がポツリとそう呟くと、それまで天を仰いでいたフリージアさんが両目をこれでもかってくらい見開いて私の肩をがっしりと掴んでくる。その早さはまさに光速だ。
「ユーキ様がすごい人かですって?!そんなのすごいに決まってるじゃないですか!だってユーキ様ですよ!?それはもう御尊顔の尊さに加え、才能溢れる美しさとかあたしの知らない事をなんでも知ってる有能さに加え、とにもかくにも素晴らしい存在がユーキ様なのですよ……!」
おうっふ。両肩をがっしりと捕まれてガクンガクンと激しく揺さぶられながら、見開いた両目を血走らせたフリージアさん(ちょっと怖い)に小一時間ほどユーキさんの素晴らしさを語られてしまった。こいつ、かなりのユーキさんマニアだ!まさか背中にあるホクロの位置まで知るはめになるとは思わなかったが……私のおかーさんは人気者らしい。もはやフリージアさんにとってユーキさんの性別とか能力とかはなんの意味もなく、ユーキさんの存在が生きる意味だとかなんとか……は、激しい。これが真のマニアなのか。いやもう、これはフェチだ。この人はユーキさんフェチなのだ!
なんて、前前世のわずかな知識で語ったもののあまり意味はわかっていない。とりあえず理解したことはフリージアさんはユーキさんの事をとても大好きだと言うことだ。
『……おかーさんは、フリージアさんにこんなに愛されて幸せな人ですね』
「……!小さなユーキ様が、わたしに愛されて幸せって……」
ブカブカな白衣のまま小首を傾げてそういえば、フリージアさんはなぜかそのまま後ろに倒れて気絶してしまった。
うん?私がどうではなくおかーさんが幸せだと言いたかったのだが……。
『……フリージアさんは、ユーキさん至上主義なのであまり気にしない方がいいですよ!』
と、ヴィーさんが肩に手を置いて遠い目をして教えてくれたのだった。どうやらいつものことらしい。
……ユーキさんって、結構大変そうだなぁ。我が母親ながら、苦労してそうな雰囲気を感じ取ってしまったのだった。
ユーキさんはなんとも言えない複雑そうな顔をしてそう言うと、どこから出したのかユーキさんが着ている白衣と同じ物を渡してくれた。どうやら私は人間の姿に変身して、なおかつ裸だったようだ。進化(?)したせいなのかなんなのかはわからないが、やはりスライムだからなのか“裸”の感覚があまり無いので不思議な感じしかしない。
『はぁーい』
ともかく“母親”だと認識したユーキさんに言われた通り白衣に袖を通す。だが、かなりブカブカでかなりの面積が余ってしまった。
これじゃ動きにくいなぁ。と余って垂れ下がる袖をブンブンと振り回していると、ユーキさんが「うーん」と難しい顔をした後、フリージアさんに向き直ったのだが……「フリージア、ちょっと服を作ってくるからこの子を見てて「……ユーキ様の裸……ユーキ様の裸……ユーキ様の裸……」うん、ヴィー頼むよ」と、声をかけてから何かを諦めた目をしてヴィーさんに私の事を頼んできたのだった。
『了解ですー』
ヴィーさんはヴィーさんで悟ったような顔をしているし、そのフリージアさんはなぜか顔を両手で覆って涙を流しながら天を仰いでいるし、なんとも複雑そうな場面にでくわしてしまったようである。こんな場面は前世でも前前世でも経験が無いのでおとなしくしていることにした。
……いや、なんかフリージアさんが違う意味で怖いなぁ。なんで?あれは、アレか?前前世でなんとなく智識としてあるだけだけど、“推し”とかそういうアレなのだろうか?え?ユーキさんってアイドル的なアレなのか?だからフリージアさんはあんな神を崇めるみたいな感じでユーキさんの消えた方を拝んでいるのか?ユーキさんは……私の“母親”は現役引退アイドルだったのか……?!ーーーーうん、いや、たぶん違うな。私の中にあるユーキさんの遺伝子が“フリージアは規格外”と訴えていた。
『……とりあえず、おかーさんはすごい人なんですねぇ』
私がポツリとそう呟くと、それまで天を仰いでいたフリージアさんが両目をこれでもかってくらい見開いて私の肩をがっしりと掴んでくる。その早さはまさに光速だ。
「ユーキ様がすごい人かですって?!そんなのすごいに決まってるじゃないですか!だってユーキ様ですよ!?それはもう御尊顔の尊さに加え、才能溢れる美しさとかあたしの知らない事をなんでも知ってる有能さに加え、とにもかくにも素晴らしい存在がユーキ様なのですよ……!」
おうっふ。両肩をがっしりと捕まれてガクンガクンと激しく揺さぶられながら、見開いた両目を血走らせたフリージアさん(ちょっと怖い)に小一時間ほどユーキさんの素晴らしさを語られてしまった。こいつ、かなりのユーキさんマニアだ!まさか背中にあるホクロの位置まで知るはめになるとは思わなかったが……私のおかーさんは人気者らしい。もはやフリージアさんにとってユーキさんの性別とか能力とかはなんの意味もなく、ユーキさんの存在が生きる意味だとかなんとか……は、激しい。これが真のマニアなのか。いやもう、これはフェチだ。この人はユーキさんフェチなのだ!
なんて、前前世のわずかな知識で語ったもののあまり意味はわかっていない。とりあえず理解したことはフリージアさんはユーキさんの事をとても大好きだと言うことだ。
『……おかーさんは、フリージアさんにこんなに愛されて幸せな人ですね』
「……!小さなユーキ様が、わたしに愛されて幸せって……」
ブカブカな白衣のまま小首を傾げてそういえば、フリージアさんはなぜかそのまま後ろに倒れて気絶してしまった。
うん?私がどうではなくおかーさんが幸せだと言いたかったのだが……。
『……フリージアさんは、ユーキさん至上主義なのであまり気にしない方がいいですよ!』
と、ヴィーさんが肩に手を置いて遠い目をして教えてくれたのだった。どうやらいつものことらしい。
……ユーキさんって、結構大変そうだなぁ。我が母親ながら、苦労してそうな雰囲気を感じ取ってしまったのだった。
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