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≪OP≫脳筋王子覚醒編
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町の中央にある噴水に到着し、辺りをキョロキョロと見回す。
今日はなぜかいつもより人が多いので身動きがとりにくい気がした。
「いないなぁ……」
こっちの方に飛んできたと思ったのだが、ルーちゃんは見つからない。しかし噴水の側に座り込んでから、はっと気づく。これはもしかしなくても、隣国の色黒王子のイベントじゃ……!
視線だけを動かし左右を確認するがそれらしい人物はまだいないようだ。確かオープニングムービーでは、噴水の側にいたところになぜか木材が飛んで来てそれを色黒王子に庇われてしまうはずだ。
なにがなんでも庇われる訳にはいかない。私はそっとその場を離れようとした。が、急に人だかりが増えて動けなくなってしまった。
まるで人が柵のように並んでいる!?ガヤガヤ音を出すならちったぁ動けや!なぜ「ガヤガヤ」言いながら上下するくせに、その場から動かないのか?!モブか?モブなのか?!
ディフインスするかのごとく私の回りを人が囲ってきた。もはや作為しか感じない。
「あぁーれぇ――――っ」
するとその上空にルーちゃんの声が響いた。もしやと上を見上げるといまだくるくるとつむじ風に拐われたルーちゃんが空を飛んでいたのだ。
「ルーちゃん!!」
ルーちゃんがガクン!と方向転換し、私の上へとすごい勢いで落下した!
「危なふごぉっ!?」
私と落下するルーちゃんの間に突如重なってきた人影が声を上げる。しかし、その人影を踏み台にしてある人物が宙を飛び、ルーちゃんを抱き抱えた。
「お嬢様!!」
「うわぁぁぁんっ!怖かったですわぁ!!」
ルーちゃんは無事にボディーガードさんに救出された。しかしその足元にはなんと色黒王子が飛んで踏み台にされた勢いで私に向かって落下してきているではないか!
私は戸惑うことなく足を振り上げた。
ボディーガードさんの足と私の足で顔をサンドイッチされた色黒王子はそのまま私の横の地面に落下する。この色黒王子はなぜかヒロインに一目惚れするのだ。なんとしても阻止したい。
「うっ、ぐぐ……」
色黒王子は致命傷を避けたようだ。気絶はしておらずヨロヨロとしながら起き上がる。そして私を見つけると、足跡(私の足跡)をつけたままの顔で白い歯をキラーンとさせて私の肩に触れてきたのだ。
「可愛らしいレディ、おケガは大丈夫ですか?」
くっきりと足跡のついた顔(と後頭部)で格好つけてるお前が大丈夫か。私が何も言わずにいると、なぜか色黒王子はうんうんとうなずき、私の肩を抱き寄せた。
「空から人が飛んで来るなんて、この国は恐ろしい所だ。こんなに怯えてかわいそうに……」
「……さ……わ」
「レディ。そんなに震えなくても、もうだいじょ……」
「触るな、変態――――!」
ボディーガードさんに教え込まれた黄金の右ストレートが炸裂する。(メリケンサックつき)
私の拳は色黒王子の顎をクリティカルヒットし、私より一回り大きなその体は宙に舞った。
「ぐぁっ!ごふぁっっ!!」
2回悲鳴が聞こえて思わず色黒王子を見ると、どこからか飛んで来た木材が色黒王子の後頭部にまるで狙ったかのようにぶつかっていた。
色黒王子は泡を吹いて白目で気絶し、その場に落下する。ピクピクと痙攣はしているので一応生きてるようだ。
色黒王子は王子とはわからなくてもその肌の色の濃さからパッと見てもこの国の人じゃないなーくらいはわかるはずなのだが、異国の子供がこんな目に合って白目で気絶してても、回りの人たちはガヤガヤするだけで特に騒ぎはしなかった。(いや、ガヤガヤは騒いでいるのか?)
しばらくすると人混みも嘘のようにいなくなり、少し離れた所にルーちゃんを発見した私は急いでその場を離れた。
これで、私に一目惚れなんかしないだろう。だって自分のことを殴って来た女の子を守ろうとはしないだろうし。少々予定とは違ったが無事に色黒王子の初恋イベントを回避できたと思い、私はうきうきと走り出したのだった。
******
※色黒王子視点
「うっ、うーん……」
顎と後頭部がめちゃくちゃ痛い。オレは何をしていたんだっけ?
あぁ、そうだ。ものすごく可愛い女の子を見つけて声をかけようとしたら、その子に向かってなぜか人が落下してるのが見えて思わず庇ってしまったんだ。
そしてなぜか上下から衝撃を受けてかなり意識が飛びそうになったが、普段から鍛えていたおかげでなんとか耐えれた。
すると、目の前にあの女の子がいたんだ。オレと目が合うとびっくりした顔でオレを見つめ返してくれた。
あの潤んだエメラルドグリーンの瞳がとても美しかった。オレが肩を抱き寄せたら微かに震えていた。オレはこの国の人とは肌の色が少し違うし、あんな純粋そうなレディだからびっくりしたのかもしれないな。それとも危ない所を助けてもらったと感動しているのか?
これはもしや、脈ありじゃないか?たまたまお忍びできたこの国でこんな運命的な出会いをしたんだ、もしかしたらこの子はオレの運命の女神かもしれない。と、考えていたらなぜかまた顔と後頭部に衝撃を受けて今度こそ気絶してしまったようだ。
一体なにがあったのか?……ダメだ、レディの顔しか思い出せない。しかし、こんなことで気絶してるようではまだまだ鍛え方が足らないな!
父上が「筋肉は正義!筋肉さえあれば女も名誉も我のもの!」とおっしゃっていたし、オレもさらに鍛えなければあの子を危険から守れない!そして鍛えぬいた筋肉があればきっとあのレディと再び会える気がする!
「あの子を守るためにムキムキマッチョにならなくては……!」
脳筋王子覚醒。
今日はなぜかいつもより人が多いので身動きがとりにくい気がした。
「いないなぁ……」
こっちの方に飛んできたと思ったのだが、ルーちゃんは見つからない。しかし噴水の側に座り込んでから、はっと気づく。これはもしかしなくても、隣国の色黒王子のイベントじゃ……!
視線だけを動かし左右を確認するがそれらしい人物はまだいないようだ。確かオープニングムービーでは、噴水の側にいたところになぜか木材が飛んで来てそれを色黒王子に庇われてしまうはずだ。
なにがなんでも庇われる訳にはいかない。私はそっとその場を離れようとした。が、急に人だかりが増えて動けなくなってしまった。
まるで人が柵のように並んでいる!?ガヤガヤ音を出すならちったぁ動けや!なぜ「ガヤガヤ」言いながら上下するくせに、その場から動かないのか?!モブか?モブなのか?!
ディフインスするかのごとく私の回りを人が囲ってきた。もはや作為しか感じない。
「あぁーれぇ――――っ」
するとその上空にルーちゃんの声が響いた。もしやと上を見上げるといまだくるくるとつむじ風に拐われたルーちゃんが空を飛んでいたのだ。
「ルーちゃん!!」
ルーちゃんがガクン!と方向転換し、私の上へとすごい勢いで落下した!
「危なふごぉっ!?」
私と落下するルーちゃんの間に突如重なってきた人影が声を上げる。しかし、その人影を踏み台にしてある人物が宙を飛び、ルーちゃんを抱き抱えた。
「お嬢様!!」
「うわぁぁぁんっ!怖かったですわぁ!!」
ルーちゃんは無事にボディーガードさんに救出された。しかしその足元にはなんと色黒王子が飛んで踏み台にされた勢いで私に向かって落下してきているではないか!
私は戸惑うことなく足を振り上げた。
ボディーガードさんの足と私の足で顔をサンドイッチされた色黒王子はそのまま私の横の地面に落下する。この色黒王子はなぜかヒロインに一目惚れするのだ。なんとしても阻止したい。
「うっ、ぐぐ……」
色黒王子は致命傷を避けたようだ。気絶はしておらずヨロヨロとしながら起き上がる。そして私を見つけると、足跡(私の足跡)をつけたままの顔で白い歯をキラーンとさせて私の肩に触れてきたのだ。
「可愛らしいレディ、おケガは大丈夫ですか?」
くっきりと足跡のついた顔(と後頭部)で格好つけてるお前が大丈夫か。私が何も言わずにいると、なぜか色黒王子はうんうんとうなずき、私の肩を抱き寄せた。
「空から人が飛んで来るなんて、この国は恐ろしい所だ。こんなに怯えてかわいそうに……」
「……さ……わ」
「レディ。そんなに震えなくても、もうだいじょ……」
「触るな、変態――――!」
ボディーガードさんに教え込まれた黄金の右ストレートが炸裂する。(メリケンサックつき)
私の拳は色黒王子の顎をクリティカルヒットし、私より一回り大きなその体は宙に舞った。
「ぐぁっ!ごふぁっっ!!」
2回悲鳴が聞こえて思わず色黒王子を見ると、どこからか飛んで来た木材が色黒王子の後頭部にまるで狙ったかのようにぶつかっていた。
色黒王子は泡を吹いて白目で気絶し、その場に落下する。ピクピクと痙攣はしているので一応生きてるようだ。
色黒王子は王子とはわからなくてもその肌の色の濃さからパッと見てもこの国の人じゃないなーくらいはわかるはずなのだが、異国の子供がこんな目に合って白目で気絶してても、回りの人たちはガヤガヤするだけで特に騒ぎはしなかった。(いや、ガヤガヤは騒いでいるのか?)
しばらくすると人混みも嘘のようにいなくなり、少し離れた所にルーちゃんを発見した私は急いでその場を離れた。
これで、私に一目惚れなんかしないだろう。だって自分のことを殴って来た女の子を守ろうとはしないだろうし。少々予定とは違ったが無事に色黒王子の初恋イベントを回避できたと思い、私はうきうきと走り出したのだった。
******
※色黒王子視点
「うっ、うーん……」
顎と後頭部がめちゃくちゃ痛い。オレは何をしていたんだっけ?
あぁ、そうだ。ものすごく可愛い女の子を見つけて声をかけようとしたら、その子に向かってなぜか人が落下してるのが見えて思わず庇ってしまったんだ。
そしてなぜか上下から衝撃を受けてかなり意識が飛びそうになったが、普段から鍛えていたおかげでなんとか耐えれた。
すると、目の前にあの女の子がいたんだ。オレと目が合うとびっくりした顔でオレを見つめ返してくれた。
あの潤んだエメラルドグリーンの瞳がとても美しかった。オレが肩を抱き寄せたら微かに震えていた。オレはこの国の人とは肌の色が少し違うし、あんな純粋そうなレディだからびっくりしたのかもしれないな。それとも危ない所を助けてもらったと感動しているのか?
これはもしや、脈ありじゃないか?たまたまお忍びできたこの国でこんな運命的な出会いをしたんだ、もしかしたらこの子はオレの運命の女神かもしれない。と、考えていたらなぜかまた顔と後頭部に衝撃を受けて今度こそ気絶してしまったようだ。
一体なにがあったのか?……ダメだ、レディの顔しか思い出せない。しかし、こんなことで気絶してるようではまだまだ鍛え方が足らないな!
父上が「筋肉は正義!筋肉さえあれば女も名誉も我のもの!」とおっしゃっていたし、オレもさらに鍛えなければあの子を危険から守れない!そして鍛えぬいた筋肉があればきっとあのレディと再び会える気がする!
「あの子を守るためにムキムキマッチョにならなくては……!」
脳筋王子覚醒。
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