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サマリー2 呪詛性構音障害
黒い霧手
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翌日、フィーネは売店で買って来たクッキーをおやつに持ってきてくれた。
気が利くことに、お茶を水筒に入れてきてくれている。
フィーネとのおしゃべりは楽しかった。ほぼ彼女が一人で話ており、光平は聞き役に徹した。
楽しそうに思い出話や伯爵家の令嬢時代の、兄や姉から受けたいじめを笑い飛ばしている。
貴族が持つ仕来りや権力争いが幼い子女の頃から始まっていたことに、光平は背筋が寒くなっていた。
フィーネが真っすぐに育ったのは、見かねた執事が別宅で保護し育ててくれたからだという。
彼女も執事夫妻を実の両親と断言するほどであり、そういった幼少期が負けず嫌いな彼女の内面を育んだのかもしれない。
そう微笑むフィーネは治療院の制服ローブを着ていても、同じ制服とは思えないほどに似合って見えるから不思議だ。
自分などはサイズの合わないつんつるてんな情けなさだというのに。
既に約束の10日間は過ぎていた。
11日目、キースか衛兵が自分を拘束しにくるその時まで、光平は焦らずフィーネの訓練に取り組んだ。
不思議と恐怖はなく、焦燥に苦しむこともなくただフィーネのために光平は訓練に没頭した。
一挙手一投足も緩むことなく、彼女の未来を切り開いてあげたい。
「先生、おねだいします」
「うん、今日もよろしくね」
無意味音節での/ka/の構音は問題ないレベルまで来ている。
そしてとうとう、意味のある音節、単語練習に突入する時。
予測通りであってくれ、この子の笑顔が戻りますように。
光平が選んだ語句は、日常的な語彙(ごい)の中でこちらにも存在するもの。
その中でも分かりやすい物を絵カードにして用意してみた。
絵カードを見て言葉を発するという視覚系ルートを加えた手法である。
光平 : かさ
フィーネ: 「…… ka ka か、かさ !? うっあっ!」
唐突にありえないことが起こった。想定しえない、いや想定することが困難な状況に思わず立ち上がり戸惑う光平。
フィーネの体が淡く光りだし、苦しそうに胸を抑えると体の各所から黒ずんだ煙のようなものが染み出してきている。
「こ、これは!?」
光平がどうにかできる類のものではなかった。
フィーネは苦しみ、なんとか支え背中をさするもこのままではまずいと、すぐに抱きかかえ治療院へと運び込んだ。その間も黒い煙が体や口、耳から滲み出るように溢れ出てきた。
「だれか! フィーネさんが大変です! だれかああああ!」
光平の叫びを聞きつけた治療師がすぐにベッドへ寝かすよう指示すると、診断系の呪文を唱えていく。
なんということだろう。
自分の軽挙妄動でこの子を苦しめてしまうなんて。
猛烈な後悔の念に崩れ落ちた光平は、自分の虚栄心がこの子を苦しみにおいやってしまったのだと確信した。なんて浅ましい軽挙妄動であったか、認められたくて利用してしまったのではないか。
時間制限を言われ焦らないようにしていたが、その根底にあった自身の醜い承認欲求の影に吐き気すら催してきていた。
でもフィーネに笑顔が戻ればと思ったのは本当だ。
彼女は呻き苦しみながらも、体から黒い煙を放出し続けていたが駆けつけた治療師でもどういう状態か理解できないという。
「どういう状況でこうなった!?」
中年の治療師に怒鳴られ、光平は悔恨の念に押しつぶされながらもその状況を伝えていく。
「なんだと!? 変に呪いを刺激してしまった可能性すらあるが」
治療師が仲間に応援を頼みに出て行った時であった。
フィーネの体から漏れ出るように染み出していた黒い霧の粒子が、まるで意思のある羽虫の群のように集合しある姿を形作っていったのだ。
思わずその禍々しさに光平の精神が硬直する。霊感のような類がまったくないタイプであるが、目の前で起きている現象からは確かに邪悪な意志のようなものを感じてならない。
ぬるりと滑るように黒い霧は明滅を繰り返しながら骨ばった手の形へと姿を変えていき、はっきりと両手でフィーネの首を締め上げている。
苦しんでいるのはこの黒霧の手のせいか!
「フィーネさんから離れろ!」
何も考えず勢いでその黒霧の手を思い切り払った。魔法が使えないような役立たずの手で果たして効果があるのか?
だが意外にも光平の手が黒霧を切り裂きフィーネの首から引き離したのだ。
「うぅ! な、なんなの!?」
ようやく呼吸を確保できたフィーネの体から眩い閃光が漏れ出し、まとわりつこうとした黒い霧を跳ね除け吹き飛ばそうとしている。
「フィーネさん!」
光平は覚悟を決めると黒霧の手首を掴むと思い切り彼女から引き剥がしたのだ。今度は明確な意志をこめて。
だがフィーネの周囲に広がった閃光から溢れた白い炎が霧を焼き尽くすように広がり、やがて引き剥がされた黒霧の手に燃え移り瞬く間に灰となって消え去っていく。
荒い息をするフィーネの背中をさすり、なんとか彼女が無事だったことにほっとする光平。
「よ、よかった……」
「先生!? 先生!? わたし、大丈夫ですから。もうなんともありません」
フィーネ自身は黒霧の手に首を絞められていたことを認識していないようだった。突如襲われた発作のようなものから復帰したという認識に見える。と、同時に沸き起こる後悔と自戒の念。
「よかった。ごめんフィーネさん、僕は君を苦しませてしまった。もっと万全の準備をしてから訓練内容を構築すべきだったのに」
「いいえ。先生との訓練、すごく楽しいです。本当に治るかもって私信じてるんですからね」
……違和感があった。
やがて同僚を連れてきた治療師はもう大丈夫と立ち去り、フィーネも起き上がって笑顔を見せてくれている。
すっかり元気を取り戻して、額の冷や汗をハンカチで拭っている。しかし……
ん? ……なんだこの違和感は。
「えっと、フィーネィさん、とりあえず今日はもう休んだほうがいい。僕は訓練内容を見直してみる、本当にごめんなさい。あんな危険な状態に陥ってしまったのは僕の責任です」
うかつに呪いに触れてしまったら、あのような恐ろしい現象が起こるかもしれないという想像がまったくできていなかった自身の浅慮に深く項垂れる光平。
「先生謝らないでください。もっと訓練受けたいです。がんばりますから!」
「……ん? あれ?」
今の会話おかしいぞと、光平は頭が混乱していた。非現実的な呪いの黒い霧と首を絞める手、それらが光平の聴覚分析能力をひどく緩慢にさせてしまっていたようだ。
/ もっと くんれん うけたいです。 がんばります から/
カ行→ タ行置換が改善している! ガ行、ダ行まで。
しかも他の「キクケコ」並びに反復練習と時間が必要な、文章レベルでの般化まで!?
ありえない、いやありえるのか? 成長した肉体と脳であれば般化まではあっという間なのか!?
しかも本人は治ったことに気付いてすらいない。どういうことだ?
「あのさ、フィーネさん。き、気づいてる?」
「え? 何をですか? か、……え? わ、私、言葉がなおって、あっ 「か」 も 「が」 も普通にはなせ、話せて……あっ! ああああああ!」
フィーネが大粒の涙を流しながら抱きついた。思わずベッドからずり落ち支えた光平の上にどどさりと覆いかぶさった。
今まで耐えてきた思いが、練習してきた苦労が、辛い記憶が一気に溢れ出したのだろう。
力一杯抱きつきながら嗚咽しつづけた。細く小さな体を震わせて、年頃の女の子がどれだけ辛かっただろう。
溢れ出る涙は止まらず、次第にギャラリーが集まりだした。
皆の白い目が突き刺さりまくっているが、ようやくフィーネが落ち着き立ち上がると周囲の様子に驚き声をあげる。
「み、みなさんすいません! 先生に訓練してもらったおかげで、私 「か」が言えるようなったんです! ほらっ!」
そっと人差し指で空に文字を書くようにフィーネが詠唱を始める。
「ソーエグリクス フォルドギース!」
ぱっとフィーネの手に光の玉が数個現れ天井に飛び去った。
「うおおおおお! フィーネちゃんが魔法を取り戻したああああああ!」
治療院に皆の歓声が轟き、多くの人々からフィーネは祝福され共に喜びを分かち合っている。
女性陣からは抱きしめられ、一緒に涙している人たちも多い。彼女がどれだけ皆から愛され、心配されてきたか。
治療院は終日、彼女への労いと祝福の言葉が飛び交っていた。
気が利くことに、お茶を水筒に入れてきてくれている。
フィーネとのおしゃべりは楽しかった。ほぼ彼女が一人で話ており、光平は聞き役に徹した。
楽しそうに思い出話や伯爵家の令嬢時代の、兄や姉から受けたいじめを笑い飛ばしている。
貴族が持つ仕来りや権力争いが幼い子女の頃から始まっていたことに、光平は背筋が寒くなっていた。
フィーネが真っすぐに育ったのは、見かねた執事が別宅で保護し育ててくれたからだという。
彼女も執事夫妻を実の両親と断言するほどであり、そういった幼少期が負けず嫌いな彼女の内面を育んだのかもしれない。
そう微笑むフィーネは治療院の制服ローブを着ていても、同じ制服とは思えないほどに似合って見えるから不思議だ。
自分などはサイズの合わないつんつるてんな情けなさだというのに。
既に約束の10日間は過ぎていた。
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不思議と恐怖はなく、焦燥に苦しむこともなくただフィーネのために光平は訓練に没頭した。
一挙手一投足も緩むことなく、彼女の未来を切り開いてあげたい。
「先生、おねだいします」
「うん、今日もよろしくね」
無意味音節での/ka/の構音は問題ないレベルまで来ている。
そしてとうとう、意味のある音節、単語練習に突入する時。
予測通りであってくれ、この子の笑顔が戻りますように。
光平が選んだ語句は、日常的な語彙(ごい)の中でこちらにも存在するもの。
その中でも分かりやすい物を絵カードにして用意してみた。
絵カードを見て言葉を発するという視覚系ルートを加えた手法である。
光平 : かさ
フィーネ: 「…… ka ka か、かさ !? うっあっ!」
唐突にありえないことが起こった。想定しえない、いや想定することが困難な状況に思わず立ち上がり戸惑う光平。
フィーネの体が淡く光りだし、苦しそうに胸を抑えると体の各所から黒ずんだ煙のようなものが染み出してきている。
「こ、これは!?」
光平がどうにかできる類のものではなかった。
フィーネは苦しみ、なんとか支え背中をさするもこのままではまずいと、すぐに抱きかかえ治療院へと運び込んだ。その間も黒い煙が体や口、耳から滲み出るように溢れ出てきた。
「だれか! フィーネさんが大変です! だれかああああ!」
光平の叫びを聞きつけた治療師がすぐにベッドへ寝かすよう指示すると、診断系の呪文を唱えていく。
なんということだろう。
自分の軽挙妄動でこの子を苦しめてしまうなんて。
猛烈な後悔の念に崩れ落ちた光平は、自分の虚栄心がこの子を苦しみにおいやってしまったのだと確信した。なんて浅ましい軽挙妄動であったか、認められたくて利用してしまったのではないか。
時間制限を言われ焦らないようにしていたが、その根底にあった自身の醜い承認欲求の影に吐き気すら催してきていた。
でもフィーネに笑顔が戻ればと思ったのは本当だ。
彼女は呻き苦しみながらも、体から黒い煙を放出し続けていたが駆けつけた治療師でもどういう状態か理解できないという。
「どういう状況でこうなった!?」
中年の治療師に怒鳴られ、光平は悔恨の念に押しつぶされながらもその状況を伝えていく。
「なんだと!? 変に呪いを刺激してしまった可能性すらあるが」
治療師が仲間に応援を頼みに出て行った時であった。
フィーネの体から漏れ出るように染み出していた黒い霧の粒子が、まるで意思のある羽虫の群のように集合しある姿を形作っていったのだ。
思わずその禍々しさに光平の精神が硬直する。霊感のような類がまったくないタイプであるが、目の前で起きている現象からは確かに邪悪な意志のようなものを感じてならない。
ぬるりと滑るように黒い霧は明滅を繰り返しながら骨ばった手の形へと姿を変えていき、はっきりと両手でフィーネの首を締め上げている。
苦しんでいるのはこの黒霧の手のせいか!
「フィーネさんから離れろ!」
何も考えず勢いでその黒霧の手を思い切り払った。魔法が使えないような役立たずの手で果たして効果があるのか?
だが意外にも光平の手が黒霧を切り裂きフィーネの首から引き離したのだ。
「うぅ! な、なんなの!?」
ようやく呼吸を確保できたフィーネの体から眩い閃光が漏れ出し、まとわりつこうとした黒い霧を跳ね除け吹き飛ばそうとしている。
「フィーネさん!」
光平は覚悟を決めると黒霧の手首を掴むと思い切り彼女から引き剥がしたのだ。今度は明確な意志をこめて。
だがフィーネの周囲に広がった閃光から溢れた白い炎が霧を焼き尽くすように広がり、やがて引き剥がされた黒霧の手に燃え移り瞬く間に灰となって消え去っていく。
荒い息をするフィーネの背中をさすり、なんとか彼女が無事だったことにほっとする光平。
「よ、よかった……」
「先生!? 先生!? わたし、大丈夫ですから。もうなんともありません」
フィーネ自身は黒霧の手に首を絞められていたことを認識していないようだった。突如襲われた発作のようなものから復帰したという認識に見える。と、同時に沸き起こる後悔と自戒の念。
「よかった。ごめんフィーネさん、僕は君を苦しませてしまった。もっと万全の準備をしてから訓練内容を構築すべきだったのに」
「いいえ。先生との訓練、すごく楽しいです。本当に治るかもって私信じてるんですからね」
……違和感があった。
やがて同僚を連れてきた治療師はもう大丈夫と立ち去り、フィーネも起き上がって笑顔を見せてくれている。
すっかり元気を取り戻して、額の冷や汗をハンカチで拭っている。しかし……
ん? ……なんだこの違和感は。
「えっと、フィーネィさん、とりあえず今日はもう休んだほうがいい。僕は訓練内容を見直してみる、本当にごめんなさい。あんな危険な状態に陥ってしまったのは僕の責任です」
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「……ん? あれ?」
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「あのさ、フィーネさん。き、気づいてる?」
「え? 何をですか? か、……え? わ、私、言葉がなおって、あっ 「か」 も 「が」 も普通にはなせ、話せて……あっ! ああああああ!」
フィーネが大粒の涙を流しながら抱きついた。思わずベッドからずり落ち支えた光平の上にどどさりと覆いかぶさった。
今まで耐えてきた思いが、練習してきた苦労が、辛い記憶が一気に溢れ出したのだろう。
力一杯抱きつきながら嗚咽しつづけた。細く小さな体を震わせて、年頃の女の子がどれだけ辛かっただろう。
溢れ出る涙は止まらず、次第にギャラリーが集まりだした。
皆の白い目が突き刺さりまくっているが、ようやくフィーネが落ち着き立ち上がると周囲の様子に驚き声をあげる。
「み、みなさんすいません! 先生に訓練してもらったおかげで、私 「か」が言えるようなったんです! ほらっ!」
そっと人差し指で空に文字を書くようにフィーネが詠唱を始める。
「ソーエグリクス フォルドギース!」
ぱっとフィーネの手に光の玉が数個現れ天井に飛び去った。
「うおおおおお! フィーネちゃんが魔法を取り戻したああああああ!」
治療院に皆の歓声が轟き、多くの人々からフィーネは祝福され共に喜びを分かち合っている。
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