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サマリー4 呪詛性魔法受容体伝達障害
エルフの来訪者
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「肝心な時にいないんだからキース君は」
「いや待ってくれ、俺がいないときを狙ってあいつらは来たんだと思うぞ。あんたは知らないだろうから教えておくとだな、魔導学院の連中は選民意識が脂を纏って歩いているような連中だってことを覚えておけよ」
なんだか戯曲に出てくる典型的な悪役だなぁとさえ思えていた。
フィーネは気にする様子もなく、鍋をかき回す手伝いをしてくれている。
「これからが本題なんだが、今から俺の紹介で あるやんごとなき方が来るから失礼がないようにな」
「は!? そういうことは早く言ってくれ、こっちだって準備が色々あるんだよ」
「準備って、さっきから料理作ってるだけじゃないか」
「キースさん、先生がはりきって作ってくれているのですから絶対おいしいはずですよ」
「フィーネ様はこいつに甘すぎるんです。ってほら来たようだ。もし下手なことしたら外交問題だからな」
フードを目深にかぶり、顔を隠したローブ姿の人物が護衛の者と一緒に入り口をくぐる。
フィーネが出迎えたが、フードを取ったその姿に思わず光平は声をあげてしまった。
「え、エルフ!?」
創作の中でしか登場しないと思っていた存在が目の前にいる。
しかも人間離れした美しさ、いやフィーネも負けていないが輝く金髪と長い耳、鋭く宝石のようなサファイアブルーの瞳が光平を値踏みするように見つめていた。
「このお方はエルフ連合国の姫君です、来所の目的は言うまでもなく、言の音の呪いに関するものということです」
カレー作りを中断し、光平は一度気合を入れると訓練室へと通すことにした。
同行者は姫の護衛らしく、これまた美しいエルフの女性である。
「私はこの訓練所で言葉の訓練をしている音無光平です」
「私は先生の助手をしているフィーネと申します」
さすが元貴族だけあって、堂々としていて品があるなと感心する光平。
「私はエルフ連合国リーヴァリオンの第6王女シュリア・マーベルです。あなた聖賢の乙女でありますな?」
「えっと皆が勝手にそう呼んでいるだけで、私は光平先生の助手ですよ」
シュリアは護衛に外で待っているように伝えると、やや不満そうにキースと待合室に向かったようだ。
「ではシュリアさん、あなたは今どのような言葉の悩みを抱えていますか?」
「……呪文が使えぬようになってしまった。エルフの王族は見聞を広めるため10年ほど諸外国を回るのが慣例になっておる。今回もその一貫でラングワース王国を訪れたのだが、一週間ほど前から突然呪文を唱えても魔法が使えなくなってしまい、困り果てキース殿を通じてお主を紹介してもらったのだ」
個別訓練室で対面するシュリアだが、その美貌もやはりプロモードに精神状態が入るとまったく気にならなくなっていた。これから問題点を探りだし、自分で対応可能な言語障害であるかどうかを見定めよう、そう決意したとたん言葉がすらすらと口から滑り出していく。
「では精霊魔法の詠唱をしても精霊が反応せず呪文が発動しない、これが主訴ですね」
「しゅ、しゅそ?」患者の訴える最も治したい症状と理解してもらっていいだろう。
「一番困ってることの確認です」
まずは舌や上顎、下顎の形態異常。といってもエルフもほぼ同じだと一級治療師資格を持つフィーネから助言はもらっていた。
シュリアは恥ずかしがっていたが、軟口蓋の鼻咽腔閉鎖機能(びいんくうへいさきのう)にも問題はない。
ならば構音検査だろうということで、光平が用意したこの世界に馴染みのある絵カードを読んでもらうことになったが……
「お前は私を馬鹿にしているのか? これらを知らぬと思ったか?」
「違うんです、単音レベルで問題がなくても、単語レベルで問題が見つかる場合があるのです。意味のある言葉は詠唱でも扱いが違うでしょ?」
「そうですよ姫様、先生の言う通りやったら私も治ったんです。まずは何が問題かをしっかり調べることが重要なんです。そうしないとちゃんとした訓練ができませんからね」
「うぬぬ、聖賢の乙女がそう言うのであれば従おう。……あめ、いと、うし、エルフ? おの ……」
単語レベルで50音+濁音、撥音(はつおん)、拗音(ようおん)までチェックしてみたがまったく問題はなく、むしろ美しいエルフの声色に魅せられてしまいそうになったほどだ。
「先生、現状で問題はないように思うのですが……」
「シュリアさん、魔法詠唱中に気になること、引っ掛かることはありますか? 違和感でもいいです」
「普段通り詠唱しても、魔法が発動しないのです。念もオルナも十分に込めているのに」
光平の頭に浮かび上がる疑念――もしかしたらこれは言の音の呪いではないのではないか?
ここで魔法幼年学校に通っていたことが頭をよぎる。呪文の文章が一言一句間違ってはいけないという内容だ。魔法に関する知識や知見がほとんどない光平はそういうものだと言われるままに受け止めていたが、彼女の場合はどうなのだろう?
呪文を間違えている、呪文錯語のような症状が起きてはいないのだろうか?
錯語とは脳損傷により生じる失語症の症状の一つで、音韻を誤ったり別の語への置き換えが起きたりするものだ。
確かめてみる必要があるな、気づかないうちに脳腫瘍による脳血管障害を引き起こしている可能性を。
「シュリアさんも詠唱時には決まった呪文を唱えているのんですよね?」
「当たり前ではないですか、なあ聖賢の乙女よ。この者で本当に大丈夫なのか?」
「先生を信用してください。大丈夫です」
「うぬぬ」
こう思われてしまうのは自分の実力がないからだ。不甲斐ないし、フィーネさんにも申し訳ない。
「すいません、簡単な呪文を一つここで詠唱してみてください」
「ならば、この木の器から芽を出す呪文を……」
エルフらしい平和な呪文だと光平は暖かい気分になる。
「ローエルグシア フォル バルヴェラス」
……
器には何の変化も訪れていない。
「こういう状態なのです」
「いや待ってくれ、俺がいないときを狙ってあいつらは来たんだと思うぞ。あんたは知らないだろうから教えておくとだな、魔導学院の連中は選民意識が脂を纏って歩いているような連中だってことを覚えておけよ」
なんだか戯曲に出てくる典型的な悪役だなぁとさえ思えていた。
フィーネは気にする様子もなく、鍋をかき回す手伝いをしてくれている。
「これからが本題なんだが、今から俺の紹介で あるやんごとなき方が来るから失礼がないようにな」
「は!? そういうことは早く言ってくれ、こっちだって準備が色々あるんだよ」
「準備って、さっきから料理作ってるだけじゃないか」
「キースさん、先生がはりきって作ってくれているのですから絶対おいしいはずですよ」
「フィーネ様はこいつに甘すぎるんです。ってほら来たようだ。もし下手なことしたら外交問題だからな」
フードを目深にかぶり、顔を隠したローブ姿の人物が護衛の者と一緒に入り口をくぐる。
フィーネが出迎えたが、フードを取ったその姿に思わず光平は声をあげてしまった。
「え、エルフ!?」
創作の中でしか登場しないと思っていた存在が目の前にいる。
しかも人間離れした美しさ、いやフィーネも負けていないが輝く金髪と長い耳、鋭く宝石のようなサファイアブルーの瞳が光平を値踏みするように見つめていた。
「このお方はエルフ連合国の姫君です、来所の目的は言うまでもなく、言の音の呪いに関するものということです」
カレー作りを中断し、光平は一度気合を入れると訓練室へと通すことにした。
同行者は姫の護衛らしく、これまた美しいエルフの女性である。
「私はこの訓練所で言葉の訓練をしている音無光平です」
「私は先生の助手をしているフィーネと申します」
さすが元貴族だけあって、堂々としていて品があるなと感心する光平。
「私はエルフ連合国リーヴァリオンの第6王女シュリア・マーベルです。あなた聖賢の乙女でありますな?」
「えっと皆が勝手にそう呼んでいるだけで、私は光平先生の助手ですよ」
シュリアは護衛に外で待っているように伝えると、やや不満そうにキースと待合室に向かったようだ。
「ではシュリアさん、あなたは今どのような言葉の悩みを抱えていますか?」
「……呪文が使えぬようになってしまった。エルフの王族は見聞を広めるため10年ほど諸外国を回るのが慣例になっておる。今回もその一貫でラングワース王国を訪れたのだが、一週間ほど前から突然呪文を唱えても魔法が使えなくなってしまい、困り果てキース殿を通じてお主を紹介してもらったのだ」
個別訓練室で対面するシュリアだが、その美貌もやはりプロモードに精神状態が入るとまったく気にならなくなっていた。これから問題点を探りだし、自分で対応可能な言語障害であるかどうかを見定めよう、そう決意したとたん言葉がすらすらと口から滑り出していく。
「では精霊魔法の詠唱をしても精霊が反応せず呪文が発動しない、これが主訴ですね」
「しゅ、しゅそ?」患者の訴える最も治したい症状と理解してもらっていいだろう。
「一番困ってることの確認です」
まずは舌や上顎、下顎の形態異常。といってもエルフもほぼ同じだと一級治療師資格を持つフィーネから助言はもらっていた。
シュリアは恥ずかしがっていたが、軟口蓋の鼻咽腔閉鎖機能(びいんくうへいさきのう)にも問題はない。
ならば構音検査だろうということで、光平が用意したこの世界に馴染みのある絵カードを読んでもらうことになったが……
「お前は私を馬鹿にしているのか? これらを知らぬと思ったか?」
「違うんです、単音レベルで問題がなくても、単語レベルで問題が見つかる場合があるのです。意味のある言葉は詠唱でも扱いが違うでしょ?」
「そうですよ姫様、先生の言う通りやったら私も治ったんです。まずは何が問題かをしっかり調べることが重要なんです。そうしないとちゃんとした訓練ができませんからね」
「うぬぬ、聖賢の乙女がそう言うのであれば従おう。……あめ、いと、うし、エルフ? おの ……」
単語レベルで50音+濁音、撥音(はつおん)、拗音(ようおん)までチェックしてみたがまったく問題はなく、むしろ美しいエルフの声色に魅せられてしまいそうになったほどだ。
「先生、現状で問題はないように思うのですが……」
「シュリアさん、魔法詠唱中に気になること、引っ掛かることはありますか? 違和感でもいいです」
「普段通り詠唱しても、魔法が発動しないのです。念もオルナも十分に込めているのに」
光平の頭に浮かび上がる疑念――もしかしたらこれは言の音の呪いではないのではないか?
ここで魔法幼年学校に通っていたことが頭をよぎる。呪文の文章が一言一句間違ってはいけないという内容だ。魔法に関する知識や知見がほとんどない光平はそういうものだと言われるままに受け止めていたが、彼女の場合はどうなのだろう?
呪文を間違えている、呪文錯語のような症状が起きてはいないのだろうか?
錯語とは脳損傷により生じる失語症の症状の一つで、音韻を誤ったり別の語への置き換えが起きたりするものだ。
確かめてみる必要があるな、気づかないうちに脳腫瘍による脳血管障害を引き起こしている可能性を。
「シュリアさんも詠唱時には決まった呪文を唱えているのんですよね?」
「当たり前ではないですか、なあ聖賢の乙女よ。この者で本当に大丈夫なのか?」
「先生を信用してください。大丈夫です」
「うぬぬ」
こう思われてしまうのは自分の実力がないからだ。不甲斐ないし、フィーネさんにも申し訳ない。
「すいません、簡単な呪文を一つここで詠唱してみてください」
「ならば、この木の器から芽を出す呪文を……」
エルフらしい平和な呪文だと光平は暖かい気分になる。
「ローエルグシア フォル バルヴェラス」
……
器には何の変化も訪れていない。
「こういう状態なのです」
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