35 / 40
サマリー9 ヴァルヌヤース
エルグリンデの動き
しおりを挟む
既にトランス状態になりつつあるキョウの詠唱がヴァルヌヤースの呪文を構築中だった。
エルグリンデの精鋭魔導師たちが集団魔法で魔狼の群を焼き払い、腐った死体ゾンビの群が曇り空のくすんだ陽光に焼かれながらも黒小麦を目指し、フィーネのサンダースマッシュによって粉々に砕かれいてた。
このような轟音が飛び交う中での詠唱となることが予想されたので、キョウには周囲の騒音を緩和するための呪道具が周囲に設置されていた。
聴力検査装置の開発過程で音を吸収する性質を持つ魔石を発見し、それを見事に呪道具としてベリダが仕上げてくれたのだ。レインドの耳には隣の部屋で侍女たちが片付けをしている程度の雑音にしか聞こえない。
だが、振動だけはどうにもならない。
その時レインドの頬を強い突風が掠めていく。思わず空を見上げるとそこには全長10m弱にもなる小型の竜が舞い降りようとしているところであった。
「フォーエルバス サラシュティア! ソニックブレェード!」
後10m半といったところにまで近づいていた赤い小型ドラゴンの翼が、クライグの放った真空刃の剣技によって切り裂かれ地面に落下してしまう。
苦悶の咆哮を上げクライグを睨みつけるドラゴンの口からは焔の帯が幾重にも伸びている。
「やらせるか!」
風の身体強化呪文によりクライグの剣技が冴えわたる。一切の躊躇や遠慮のいらない状況に置いてまさに疾風の如く剣技によりドラゴンの体が切り刻まれるが、負けじと噛みつき爪で斬りかかり尾を振り回しながらクライグと激戦を繰り広げていた。
光平は自分が最後に盾になる覚悟を決め、キョウとレインドを守るべく周囲を警戒する。
護身用の短剣を持たされてはいたが、どうしたものか。
フィーネやヴァキュラたちも、エルグリンデの防御陣を突破してくる妖人種らの迎撃で手が離せない。
目の前でゴブリンが魔法の矢に刺し貫かれ地面が緑黒の血で染まっていく様は、とても現実とは思えない。あの刃が自分に向けられたら抗う力が無いに等しい自分はすぐに殺されてしまうだろう。そう、ここは幻想の地、剣と魔法と浪漫が吹き荒れる異界の大地なのだ。
この状況を支えているのはまさしくフィーネだと言える。
目の前の戦闘をこなしつつ、ヴァキュラやクライグ、騎士団たちへ補助魔法で的確にフォロー。負傷した騎士の治療をこなしつつ、聖賢の乙女ここにありと後に語り継がれる戦いだろう。
そしてクライグが風の魔剣を展開しながら、ドラゴンへと真正面からぶつかっていく。
人間離れした動きと、跳躍力、そして風の刃がドラゴンを追い詰めついにその首を切り落とす。
「どうだおりゃああああ!」
光平の胴も震えるほどの戦いであり、キョウの詠唱も終わりを告げようとしていた。
今 万感の思いを込めて詠唱が、人々の思いが紡がれ未来へと帰結する時。
「キルシュラーグ オーリルリース フォウベ ヴァルヌヤース」
淀みなく歪なく側方化もない見事な発音によりヴァルヌヤースが発動する。
音もなく広がった白い閃光が周囲を照らし飲み込んでいく。
黒い小麦の穂、ダドゥンガースは白の絵具に塗りつぶされるように消滅していった。
その閃光を受けた魔物たちも、何かに怯えるように逃げ去って行く。
荒い息をして戦っていた騎士やエルグリンデの魔導師たちもほっと安堵のため息を漏らし、湧きあがる最大の難関を突破できたことを実感したのか歓声が感情の大波となって広がっていく。
各所に魔物たちの反応から雄たけびや気合の入った歓声が響き渡り、勝利を喜び合っている。
騎士団がキョウたちを労い、恥ずかしそうに光平の後ろに隠れる姿に皆が笑い出す。
だが勝利の余韻に浸る間もなく、すぐさま伝令が訪れ護衛の騎士たちが苦戦している東の森へ向かへとのことだ。
見事解呪に成功はしたが、王国軍の戦いは第二段階へシフトする。そう、魔物をある程度駆逐しなければ、ヒトの居住地に魔物が住み着き新たな犠牲者を生みかねないからだ。
キョウはさすがに疲れ切っていたが、レインドと光平に支えられ澄んだ笑顔を見せていた。
「キョウちゃんがんばったね」
「疲れたよ~、帰ってプリン食べたいなぁ」
軍事用の魔導バトを受け取ったエルグリンデの魔導師が、ドラゴンの血を拭っていたクライグにメモを手渡した。
「これはお前宛てだろう? 南に素早い魔獣がいるので支援要請らしい」
クライグは水筒の水を飲み干しながら受け取ったメモを見て訝しむ。
「騎士団長の命令は王都に帰還するまで兄貴やキョウちゃんたちを護衛せよ、とのことだ。仲間は心配だがこれは騎士団長の押印もなく指示を間違ったのだろう。俺は兄貴たちの側から移動する気はないぜ」
「……」
エルグリンデ隊の魔導師はメモを乱暴に奪い取ると、にべもなく上官にその旨を伝えるのだった。
クライグはそのまま急いで光平に近寄ると、キョウを労っている。
だがその表情は険しく、会話内容との乖離が激しい。
「兄貴、急ぎ王都へ帰還しよう。動きがおかしい」
「私もそう思うわ、エルグリンデ隊がこの一帯を包囲しているみたい」
ヴァキュラは奮戦していたものの、手足に怪我を負いフィーネの治癒魔法を受けている。
見ればクライグもドラゴンの尾に吹き飛ばされたり、防具で防ぎきれなかった爪による怪我によりかなり出血しているようだ。
フィーネの応急処置により安定はしたが、早く治療院に運び込むべき状態だろう。
馬車のある場所までは距離があるため、徒歩にて街道まで急がねばならない。
エルグリンデの精鋭魔導師たちが集団魔法で魔狼の群を焼き払い、腐った死体ゾンビの群が曇り空のくすんだ陽光に焼かれながらも黒小麦を目指し、フィーネのサンダースマッシュによって粉々に砕かれいてた。
このような轟音が飛び交う中での詠唱となることが予想されたので、キョウには周囲の騒音を緩和するための呪道具が周囲に設置されていた。
聴力検査装置の開発過程で音を吸収する性質を持つ魔石を発見し、それを見事に呪道具としてベリダが仕上げてくれたのだ。レインドの耳には隣の部屋で侍女たちが片付けをしている程度の雑音にしか聞こえない。
だが、振動だけはどうにもならない。
その時レインドの頬を強い突風が掠めていく。思わず空を見上げるとそこには全長10m弱にもなる小型の竜が舞い降りようとしているところであった。
「フォーエルバス サラシュティア! ソニックブレェード!」
後10m半といったところにまで近づいていた赤い小型ドラゴンの翼が、クライグの放った真空刃の剣技によって切り裂かれ地面に落下してしまう。
苦悶の咆哮を上げクライグを睨みつけるドラゴンの口からは焔の帯が幾重にも伸びている。
「やらせるか!」
風の身体強化呪文によりクライグの剣技が冴えわたる。一切の躊躇や遠慮のいらない状況に置いてまさに疾風の如く剣技によりドラゴンの体が切り刻まれるが、負けじと噛みつき爪で斬りかかり尾を振り回しながらクライグと激戦を繰り広げていた。
光平は自分が最後に盾になる覚悟を決め、キョウとレインドを守るべく周囲を警戒する。
護身用の短剣を持たされてはいたが、どうしたものか。
フィーネやヴァキュラたちも、エルグリンデの防御陣を突破してくる妖人種らの迎撃で手が離せない。
目の前でゴブリンが魔法の矢に刺し貫かれ地面が緑黒の血で染まっていく様は、とても現実とは思えない。あの刃が自分に向けられたら抗う力が無いに等しい自分はすぐに殺されてしまうだろう。そう、ここは幻想の地、剣と魔法と浪漫が吹き荒れる異界の大地なのだ。
この状況を支えているのはまさしくフィーネだと言える。
目の前の戦闘をこなしつつ、ヴァキュラやクライグ、騎士団たちへ補助魔法で的確にフォロー。負傷した騎士の治療をこなしつつ、聖賢の乙女ここにありと後に語り継がれる戦いだろう。
そしてクライグが風の魔剣を展開しながら、ドラゴンへと真正面からぶつかっていく。
人間離れした動きと、跳躍力、そして風の刃がドラゴンを追い詰めついにその首を切り落とす。
「どうだおりゃああああ!」
光平の胴も震えるほどの戦いであり、キョウの詠唱も終わりを告げようとしていた。
今 万感の思いを込めて詠唱が、人々の思いが紡がれ未来へと帰結する時。
「キルシュラーグ オーリルリース フォウベ ヴァルヌヤース」
淀みなく歪なく側方化もない見事な発音によりヴァルヌヤースが発動する。
音もなく広がった白い閃光が周囲を照らし飲み込んでいく。
黒い小麦の穂、ダドゥンガースは白の絵具に塗りつぶされるように消滅していった。
その閃光を受けた魔物たちも、何かに怯えるように逃げ去って行く。
荒い息をして戦っていた騎士やエルグリンデの魔導師たちもほっと安堵のため息を漏らし、湧きあがる最大の難関を突破できたことを実感したのか歓声が感情の大波となって広がっていく。
各所に魔物たちの反応から雄たけびや気合の入った歓声が響き渡り、勝利を喜び合っている。
騎士団がキョウたちを労い、恥ずかしそうに光平の後ろに隠れる姿に皆が笑い出す。
だが勝利の余韻に浸る間もなく、すぐさま伝令が訪れ護衛の騎士たちが苦戦している東の森へ向かへとのことだ。
見事解呪に成功はしたが、王国軍の戦いは第二段階へシフトする。そう、魔物をある程度駆逐しなければ、ヒトの居住地に魔物が住み着き新たな犠牲者を生みかねないからだ。
キョウはさすがに疲れ切っていたが、レインドと光平に支えられ澄んだ笑顔を見せていた。
「キョウちゃんがんばったね」
「疲れたよ~、帰ってプリン食べたいなぁ」
軍事用の魔導バトを受け取ったエルグリンデの魔導師が、ドラゴンの血を拭っていたクライグにメモを手渡した。
「これはお前宛てだろう? 南に素早い魔獣がいるので支援要請らしい」
クライグは水筒の水を飲み干しながら受け取ったメモを見て訝しむ。
「騎士団長の命令は王都に帰還するまで兄貴やキョウちゃんたちを護衛せよ、とのことだ。仲間は心配だがこれは騎士団長の押印もなく指示を間違ったのだろう。俺は兄貴たちの側から移動する気はないぜ」
「……」
エルグリンデ隊の魔導師はメモを乱暴に奪い取ると、にべもなく上官にその旨を伝えるのだった。
クライグはそのまま急いで光平に近寄ると、キョウを労っている。
だがその表情は険しく、会話内容との乖離が激しい。
「兄貴、急ぎ王都へ帰還しよう。動きがおかしい」
「私もそう思うわ、エルグリンデ隊がこの一帯を包囲しているみたい」
ヴァキュラは奮戦していたものの、手足に怪我を負いフィーネの治癒魔法を受けている。
見ればクライグもドラゴンの尾に吹き飛ばされたり、防具で防ぎきれなかった爪による怪我によりかなり出血しているようだ。
フィーネの応急処置により安定はしたが、早く治療院に運び込むべき状態だろう。
馬車のある場所までは距離があるため、徒歩にて街道まで急がねばならない。
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
【運命鑑定】で拾った訳あり美少女たち、SSS級に覚醒させたら俺への好感度がカンスト!? ~追放軍師、最強パーティ(全員嫁候補)と甘々ライフ~
月城 友麻
ファンタジー
『お前みたいな無能、最初から要らなかった』
恋人に裏切られ、仲間に陥れられ、家族に見捨てられた。
戦闘力ゼロの鑑定士レオンは、ある日全てを失った――――。
だが、絶望の底で覚醒したのは――未来が視える神スキル【運命鑑定】
導かれるまま向かった路地裏で出会ったのは、世界に見捨てられた四人の少女たち。
「……あんたも、どうせ私を利用するんでしょ」
「誰も本当の私なんて見てくれない」
「私の力は……人を傷つけるだけ」
「ボクは、誰かの『商品』なんかじゃない」
傷だらけで、誰にも才能を認められず、絶望していた彼女たち。
しかしレオンの【運命鑑定】は見抜いていた。
――彼女たちの潜在能力は、全員SSS級。
「君たちを、大陸最強にプロデュースする」
「「「「……はぁ!?」」」」
落ちこぼれ軍師と、訳あり美少女たちの逆転劇が始まる。
俺を捨てた奴らが土下座してきても――もう遅い。
◆爽快ざまぁ×美少女育成×成り上がりファンタジー、ここに開幕!
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
ぽっちゃり女子の異世界人生
猫目 しの
ファンタジー
大抵のトリップ&転生小説は……。
最強主人公はイケメンでハーレム。
脇役&巻き込まれ主人公はフツメンフツメン言いながらも実はイケメンでモテる。
落ちこぼれ主人公は可愛い系が多い。
=主人公は男でも女でも顔が良い。
そして、ハンパなく強い。
そんな常識いりませんっ。
私はぽっちゃりだけど普通に生きていたい。
【エブリスタや小説家になろうにも掲載してます】
『辺境伯一家の領地繁栄記』スキル育成記~最強双子、成長中~
鈴白理人
ファンタジー
ラザナキア王国の国民は【スキルツリー】という女神の加護を持つ。
そんな国の北に住むアクアオッジ辺境伯一家も例外ではなく、父は【掴みスキル】母は【育成スキル】の持ち主。
母のスキルのせいか、一家の子供たちは生まれたころから、派生スキルがポコポコ枝分かれし、スキルレベルもぐんぐん上がっていった。
双子で生まれた末っ子、兄のウィルフレッドの【精霊スキル】、妹のメリルの【魔法スキル】も例外なくレベルアップし、十五歳となった今、学園入学の秒読み段階を迎えていた──
前作→『辺境伯一家の領地繁栄記』序章:【動物スキル?】を持った辺境伯長男の場合
家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜
奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。
パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。
健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる