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[3-1]Lesson*3 野外
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***
「今日は天気もいいし、ピクニックに行かないか?」
朝食をとりながら、レオナルドがそんな誘いを向けてきた。
「嬉しい!あ、でもお兄様の体調はいいんですの?」
「うん、今日はとても気分がいい。じゃあ、これが終わったら支度しよう。近場の森で、いいところがあるんだ。昼寝もできるよ、きっと」
「それは気持ちよさそうですね。本も持っていっていいかしら」
「過ごし方は、お好きにどうぞ。私ものんびりさせてもらうよ」
「はい!」
こうして、急遽ピクニックに出かけることになったのである。
***
「お邸から少し馬車で走るだけで、こんなに静かなところがあるのね」
「いいところだろ?もう少し行くと湖がある、そこでゆっくりしよう」
広々とした景色は、最近ずっと家の中にいたアデリーゼの開放感を煽った。お邸は広く、別に軟禁されているわけでもない……のだが、閨教育の間はあまりそこから出入りするところを見られない方がいい、というレオナルド側の配慮だった。
湖のほとりに荷物を下ろすと、馬車は離れた場所で待機する、と来た道を戻っていった。あれ、これ完全に2人きりのやつだ。気が置けなくて良い。日差しもポカポカで、あたたかい。
大きな木陰にシートを敷き、そこで寛ぐ事にした。
「お兄様、早速なのですが……眠気が」
「名前で呼んでいいよ。昨夜の疲れかな?」
「うん……少しだけ、寝ててもいい?」
「もちろん。でも冷えないように、ここへおいで」
「え?ここって……」
ぽん、とレオナルドの膝が打たれる。
「俺の膝へどうぞ」
「いや、普通にこの……あったかい敷き物があれば!」
「遠慮しなくていいのに」
「レオもゆっくりしてほしいし」
「今の俺には、リゼを甘やかすのが一番の癒しなんだ」
笑いながらそう言われると弱い。
「じゃあ……枕としてお借りします」
そう言いながら、ぽすんと片膝に頭を乗せた。レオナルドがぽかんとしてる表情を見上げる。
「ああ、これもいいね。でも、硬くない?」
「ちょうどいい高さとあったかさです!」
「そうか。ゆっくり使って」
くすくす、と笑い声が降ってくる。大きく息をして、アデリーゼはすう、と眠りについた。
「随分、眠かったんだな……おやすみ」
呟きながら頬を撫でれば、寝入り端らしく寝顔が笑顔になる。日差しも暖かく、絶好の二度寝日和だった。
その寝顔を見ながら、レオナルドは考えていた。
昨夜は口だけでとはいえ、結構な量の体液を交換した。いや、してしまった。あそこまでする気はなかった、というレベルでやってしまった気はしていたが、後悔はしていない。おそらくそのおかげで今日は魔力も安定しており、本当に気分がいいのだ。
リゼの痴態に興奮し、思わず肌から粘膜から自分の唾液をアデリーゼに擦りつけた。当の本人は全く快感しか拾わなかったようだが、実の所それは、この定期的に迎える『発情期』中のレオナルドにとって、初めての体験とも言えるものだった。
魔力が溜まりすぎて発散しなければならない『発情期』は、レオナルドには『その時付き合っていた人との別れ』のシーズンとなる。1人にその魔力を向けると、どうしても相手に負担を強いるからだ。
なんなら、肌を触れ合わせるだけで吐いてしまう人もいる。そのくらい、レオナルドの魔力酔いは酷いものだった。なので、実際のところ『付き合い』といっても高級娼婦のような、後腐れのない関係が全てだ。
しかし、アデリーゼは魔力がないことで、本当にレオナルドの魔力の影響を受けない稀有な存在であることがわかってきた。
「まずいな。それでなくても、手放したくなくなってるというのに」
膝の上の温もりを撫でながら、つぶやく。
発情期につきモノの、頭の中のモヤモヤが今日はすっかり晴れている。もう少し、この閨教育に便乗していいだろうか……。
***
「レオも眠くなったら言ってね!」
「何を?」
「とてもよく眠れたから、今度は私が膝枕してあげる!」
「あれ。では、眠くはないけど、お願いしようかな」
昼寝からすっきり目覚めたアデリーゼは絶好調そうだ。軽食での食事を終えると、笑いながら、いたずらっぽく提案をすると、驚くほど簡単に受け入れられた。
「いいわよ、どうぞ」
広げられた手の中にレオナルドがそうっと、頭を下ろす。
「きゃ?!」
「ん?どうした?」
「あ、ええと、こっちを向くの?」
「この方が、気持ちいい」
リゼの下腹に形のいいレオナルドの鼻がスリスリと押し付けられている。確かに頭は膝に乗っているが、片手は腰を抱き込み、これではまるで。
「ちょっと恥ずかしい……」
「誰も見ていないよ」
「うん……でも、ちょっと嬉しい、のかも」
そんなことを笑いながら告げられては、愛おしくならない方が無理だった。レオナルドがぎゅう、とアデリーゼの腰を抱き込む。
「あまり俺を煽らないで」
「煽ってなど……レオ、寝ないの?」
「ん。ここで『授業』しようか?」
「え……できるの?」
「できるよ、どこでも、ね?」
***
「今日は天気もいいし、ピクニックに行かないか?」
朝食をとりながら、レオナルドがそんな誘いを向けてきた。
「嬉しい!あ、でもお兄様の体調はいいんですの?」
「うん、今日はとても気分がいい。じゃあ、これが終わったら支度しよう。近場の森で、いいところがあるんだ。昼寝もできるよ、きっと」
「それは気持ちよさそうですね。本も持っていっていいかしら」
「過ごし方は、お好きにどうぞ。私ものんびりさせてもらうよ」
「はい!」
こうして、急遽ピクニックに出かけることになったのである。
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「お邸から少し馬車で走るだけで、こんなに静かなところがあるのね」
「いいところだろ?もう少し行くと湖がある、そこでゆっくりしよう」
広々とした景色は、最近ずっと家の中にいたアデリーゼの開放感を煽った。お邸は広く、別に軟禁されているわけでもない……のだが、閨教育の間はあまりそこから出入りするところを見られない方がいい、というレオナルド側の配慮だった。
湖のほとりに荷物を下ろすと、馬車は離れた場所で待機する、と来た道を戻っていった。あれ、これ完全に2人きりのやつだ。気が置けなくて良い。日差しもポカポカで、あたたかい。
大きな木陰にシートを敷き、そこで寛ぐ事にした。
「お兄様、早速なのですが……眠気が」
「名前で呼んでいいよ。昨夜の疲れかな?」
「うん……少しだけ、寝ててもいい?」
「もちろん。でも冷えないように、ここへおいで」
「え?ここって……」
ぽん、とレオナルドの膝が打たれる。
「俺の膝へどうぞ」
「いや、普通にこの……あったかい敷き物があれば!」
「遠慮しなくていいのに」
「レオもゆっくりしてほしいし」
「今の俺には、リゼを甘やかすのが一番の癒しなんだ」
笑いながらそう言われると弱い。
「じゃあ……枕としてお借りします」
そう言いながら、ぽすんと片膝に頭を乗せた。レオナルドがぽかんとしてる表情を見上げる。
「ああ、これもいいね。でも、硬くない?」
「ちょうどいい高さとあったかさです!」
「そうか。ゆっくり使って」
くすくす、と笑い声が降ってくる。大きく息をして、アデリーゼはすう、と眠りについた。
「随分、眠かったんだな……おやすみ」
呟きながら頬を撫でれば、寝入り端らしく寝顔が笑顔になる。日差しも暖かく、絶好の二度寝日和だった。
その寝顔を見ながら、レオナルドは考えていた。
昨夜は口だけでとはいえ、結構な量の体液を交換した。いや、してしまった。あそこまでする気はなかった、というレベルでやってしまった気はしていたが、後悔はしていない。おそらくそのおかげで今日は魔力も安定しており、本当に気分がいいのだ。
リゼの痴態に興奮し、思わず肌から粘膜から自分の唾液をアデリーゼに擦りつけた。当の本人は全く快感しか拾わなかったようだが、実の所それは、この定期的に迎える『発情期』中のレオナルドにとって、初めての体験とも言えるものだった。
魔力が溜まりすぎて発散しなければならない『発情期』は、レオナルドには『その時付き合っていた人との別れ』のシーズンとなる。1人にその魔力を向けると、どうしても相手に負担を強いるからだ。
なんなら、肌を触れ合わせるだけで吐いてしまう人もいる。そのくらい、レオナルドの魔力酔いは酷いものだった。なので、実際のところ『付き合い』といっても高級娼婦のような、後腐れのない関係が全てだ。
しかし、アデリーゼは魔力がないことで、本当にレオナルドの魔力の影響を受けない稀有な存在であることがわかってきた。
「まずいな。それでなくても、手放したくなくなってるというのに」
膝の上の温もりを撫でながら、つぶやく。
発情期につきモノの、頭の中のモヤモヤが今日はすっかり晴れている。もう少し、この閨教育に便乗していいだろうか……。
***
「レオも眠くなったら言ってね!」
「何を?」
「とてもよく眠れたから、今度は私が膝枕してあげる!」
「あれ。では、眠くはないけど、お願いしようかな」
昼寝からすっきり目覚めたアデリーゼは絶好調そうだ。軽食での食事を終えると、笑いながら、いたずらっぽく提案をすると、驚くほど簡単に受け入れられた。
「いいわよ、どうぞ」
広げられた手の中にレオナルドがそうっと、頭を下ろす。
「きゃ?!」
「ん?どうした?」
「あ、ええと、こっちを向くの?」
「この方が、気持ちいい」
リゼの下腹に形のいいレオナルドの鼻がスリスリと押し付けられている。確かに頭は膝に乗っているが、片手は腰を抱き込み、これではまるで。
「ちょっと恥ずかしい……」
「誰も見ていないよ」
「うん……でも、ちょっと嬉しい、のかも」
そんなことを笑いながら告げられては、愛おしくならない方が無理だった。レオナルドがぎゅう、とアデリーゼの腰を抱き込む。
「あまり俺を煽らないで」
「煽ってなど……レオ、寝ないの?」
「ん。ここで『授業』しようか?」
「え……できるの?」
「できるよ、どこでも、ね?」
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