魔樹の子

クラゲEX

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ハリブ編

ホシノイノマ

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 昇る日は美しく俺に活気を与えてくれた。
 ハリスが起きるまでの時間、泊めて貰ったお礼も兼ねて朝食の準備でもしよう。と心では思いつつも、体は心に従い辛そうにモジモジするばかり。
どうした、俺の体もとい、俺の頭!

そう問いかけ、頭からの返答はこうだった。
「飯の準備の仕方が分からない。」
大前提から沈んでいる故、その指令には従えない、そう言うのだ。
駄々をこねる体を無理矢理心で動かす。
キッチンまで行くのは余裕だったが、
肝心の料理は浮かばず、トライ&エラーを繰り返す。

そうして15分考えた後、20分手を動かし、3分で皿に盛り付けた。結果、ぬちゃぬちゃの米とよく分からない魚の出汁のみの汁、焼きすぎた目玉焼きだった。

出来終わったタイミングで、ハリスが目を覚ます。

「ん?何この匂い…?」

苦虫とはいかないが、食べれる虫を噛み潰したような顔をしている。
やってしまった…そう思っていると彼は私を見て嬉しそうにお礼の言葉を口にした。
「僕のために作ってくれたのかい!ありがとう!」
まあ、そう言われて嬉しくなったのも束の間、どちらもその顔は青く染まることとなる。

そこから俺達は主に俺のこれからについて話し合った。ハリス的には懐かれたのか、俺にはこれからもいて欲しいらしい。
俺自身も、申し訳なさにあまり居ていい物かと、自分の心に羞恥の目を向けたが、
相手側からいて欲しいと言われているのだから、と言い聞かせ自分の心に素直になった。

ハリブを出て行くまで、ここで学べることを一通り学ぶまでいることを約束した。

ハリスはずっと一人で居たのか、嬉々としてピョンピョン跳ねている。

そこからはハリスとの魔術の鍛錬、勉強が始まった。
並列思考、無詠唱、工程の一部省略。他にも色々あるが、これをマスターしなければ一人で旅は難しいという。

並列思考。同時に展開する複数の魔術の処理。創造、真名付与、具現の大きく分けて3つを複数同時にこなす。一つだって厳しいのに、複数は練習で殆ど成功しなかった。

複数展開での利点は言わずもがな、
手数の多さや魔術の応用が更に効く。
ハリスは何としても覚えさせたいようだ。
実際、他の無詠唱、工程の省略も複数展開の効率を上げるためのもので、本音はそれだけマスターしれくれても構わない。他は二の次らしい。

「イッダァアア__!」

剣の鍔で頭を強打される。
“真面目にやれ”そんな顔をしながらこちらを睨む。眼が光って闇夜の猫の様、真剣になって教えてくれるのは嬉しいが、ここまで鬼のようになられてはキツい。精神的にも肉体的にも。とは言え本人は練習以外いつも通り接してくるので、メリハリがあって良いのかもしれないが、渦中の俺的には、接し方が分からなくなる時があるので勘弁して欲しい。

魔術の鍛錬の合間を縫って地理、歴史についても聞いた。

五題國、自由のハリブ、平等のハクチ、
飽食のシガル、死活のブリト。
この四國に囲まれ、その上“魔残脈”。
大きく山脈の如き体を持つ魔物の最上種、“魔想種”の祖の死骸が囲っている國、
王都ミトウ。この国らがこの星を統べるヒトの都であり、ヒトがヒトであるため失ってはいけない五つの題。

ヒトの営みに資源は必須。特に水である。

ミトウを中心に“竜河川”
初代ミトウの王、まだミトウのみが星を統べていた時代に作られた川。
その川は止まることなく、絶えることなく、枯れることはなく、他の四國を分け隔てるように流れ、その道は最果てまで続いている。

その最果て、循環の壁も
王が流れ出る資源を憂い、作ったとされている。
もし作られていなかったとするなら最果てに限界は無く、星の寿命は今よりもっと近かっただろうと云われている。

だから初代ミトウの王は誰からも崇められる星の如き崇高な存在となっている。

こうして歴史や地理に触れるとつくづく王の偉業が目を惹く。王とは誰なのか、
今の國の主まで王では無く、長と称されているのはそれだけ王が偉大だったという事。

旅の中でこの星の起源について調べるのも良いかもしれない。

それから鍛錬、歴史、地理に料理等々…
今まであまり触れてこなかったモノに触れ、吸収していった。

そうしてハリスとともに過ごし、ニヶ月経った。
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