魔樹の子

クラゲEX

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ハクチ編

ハクチノモン

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夢を見た。
村の頃の思い出、夕暮れの末の思い出。
遠くはまだ、夕焼けが手を振っている。
でも俺の足下は真っ暗。今の俺に道は見えない。暗い方に村の皆んなが集まって、手を振っている。俺は、その時夢を見つけた。



_二つの丘を越え、竜河川に架かる橋を渡る。
そして二日歩く。寝ずの移動だったので橋を渡ってから二日目の昼に着くことが出来た。

平等のハクチ。
平等の名を冠する大きな理由がある。
それはこの國に住む者、入國する者は総じて魔樹教に入信せねばならない。
入信とは言ったものの、その國に滞在している間のみであり、その後は棄教するも居続けるもよし。

ただ、國に滞在する間は魔樹教の支配下、魔樹教の法の下で暮らさなければならない。

総本山がハリブに位置するのは魔樹教の理念、魔樹とそれの仔らである枝全ての監視。

魔樹がもたらす祝福を管理、未来に残す。

ハリブは魔術協会、魔術の研究の最先端でもあるから、近い方が理念に則った活動が円滑に進み、都合が良いから、らしい。

その上、元は協会と教は一つの組織であって、そこから枝別れした後に今の形になったため、魔樹教の本拠地はハクチであれ、原点を離れるのを教皇が許せなかったのだとか。

ハリブに立つ数人の研究者と魔樹の信者が集まる掘立て小屋が全ての始まり、協会と教の生まれだったのだが、内部での派閥争いが生まれ、分裂し、二つの組織が生まれることになった。

その後どちらも規模を拡大させてゆき、
魔樹教は信者の数が増えるにつれ、信者のみの新天地、楽園を目指し、その夢の末に信者達が建てた大國、それがハクチなのだ。

今の私にとって、この國に入ることは、
敵の本拠地に一人で飛び込む無謀とも呼べる行為だが、それでも此処にしかない情報がある。

魔樹教は協会の魔術の探究とは違い、この星の根源を魔の真実を探究する組織。 

あまり情報がない魔者についても、
少ない概要のみの樹官についても多少は知ることが出来るだろう。

樹官は魔樹教独自、魔樹教の矛。
内部で調べることは雑作でもないだろう。

魔者も魔者の本質的な意味を知れるかも知れない。名前のみで目にすることがないこと。
樹官が魔者と聞いた瞬間のあの顔。
そして入り込んだ目。
魔者については分からないことばかりだ。
それでも此処で知ることが出来ると私は思う。

何しろ一時的ではあるが、それらを調べる者のの仲間になり本拠地に乗り込むのだから。

ハリブ以上のプレッシャーが掛かる。
門を潜り、潜入を果たした。



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