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崇拝
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初めて温かいパンを食べた時、その無味に驚いた。
硬いと思ったし、匂いも弱くて特に感動も湧かなかった。
両手を使わないとちぎれないのも不便に感じた。
だから、目の前で同じ食事を取って微笑んでいるミシェルを見ると、「真っ当な人間はこれを美味しいと感じるのか」と不思議な気持ちだった。
パンは丸くて、白くて、奥からバターの味がしていたと思う。
鮮明に思い出せないのは、当時本当にピンと来ていなかったからだ。
「食べにくい?パン粥とかにしてみようか」
「…………」
ルキの舌は壊れていたらしかった。
彼は産まれてからこの瞬間まで、食事とは路地に捨てられた生ゴミの事だと認識していたのだ。期限の切れた牛乳とか、水分で膨張した野菜とか、人の営みの残骸が彼にとっての生命線であった。
パンの味が無いように感じたのは、劇物ばかり食べて下が麻痺していたからである。固く感じたのは、普段食べているものは咀嚼もいらないほど腐っていたから。匂いを感じ取れなかったのは、生ゴミは傷んで強烈な臭いを発していたから。
要するに食事への認識が崩れていた。
パンを食べるに至るまで、ルキは風呂に入れてもらった。
肌は数段も明るくなった。服も清潔なシャツになった。
しかし見かけだけ真人間になっても、パンという存在への奇妙な抵抗心は、悪臭の様になって自分の周りを漂っていた。
あの時のミシェルは、「砂糖を入れようね。」と言ってパンを甘い粥に作り直してくれた。
柄の長いスプーンを渡してくれて、ルキのシャツの袖を捲くってくれた。
「此処ではもう、悪い事は起こらないよ」
そう伝えるミシェルの顔は美しかった。
だからルキは漠然と、「自分って悪い環境にいたんだ。」と認識したのである。
美しい男の持つ説得力とはそういうものだ。
物置小屋で産まれた。その物置小屋はスラム街にあったから、自分の住処はスラム街だった。しかしどうやらそこは酷く劣悪で、醜悪な臭いがして、不清潔な命の集まる所らしかった。
ミシェルがルキに提供した世界は、まさしく正反対である。
純白で、誠実で、極めて衛生的。
ミシェルは何でも教えてくれた。身体が清潔だと風邪を引かない事も、歯の抜けていない人間の喋りは聞き取りやすい事も。
信仰という概念も教えて貰ったし、概念という存在を知ったから、恋という概念がある事も知った。
自分がミシェルの元で真人間になっていく間に、この恋という概念がミシェルに対して向かっているのが分かった。
形容しようとすると随分稚拙になってしまったが、ミシェルはそれさえも上手く汲み取ってくれた。
ミシェルはルキに何でも教えてくれる。
甘やかされると嬉しい事も、尽くしたくて仕方ない気持ちも、恋をするとキスが出来る事も。
ミシェルはルキにとっての神様だった。
かつてルキの周囲を漂っていた悪臭は、いつの間にかホワイトブーケの香りに変わっていた。
いくら記憶を辿っても、おそらく二度と思い出せないと思う。
かつてのルキは、惨めだった野良犬は、もう存在しない。
神様によって、一人の人間として産みだされたのだ。
これが、崇拝に至るまでの過程だった。
「…ん?お……?」
ルキは自室のベッドで目を覚ました。
目を瞑る前と景色が変わっている事に動揺して、彼は数度瞬きしてから、おそらくミシェルが運んでくれたのだと気が付く。
なんだか良い夢を見ていた気がするけど、記憶に無い。
マ、良い夢なんて基本的に犬か焼肉かミシェルのどれかなので、多分どれかしらが出てきたのである。
それはさておき、カーテンに透ける向こう側が、明るく黄みがかっているのだ。熟睡して尚この明るさならば、どうやら日付が変わって朝になっているらしかった。
ルキはドッと焦って跳ね起きる。
熟睡というよりも、爆睡だ。彼は自分がシスター服のままなのを確認して、机の上にベールが畳まれているのを見つける。それを慌てて被りながら髪の毛をチョイチョイと押し込み、ロザリオをかけるチェーンが首元で絡まりかけているのをムキ!という表情をしながら直す。廊下に出ると丁度ミシェルが通り過ぎるところだった。
「シェルさん!」
「あ、ルキ君。おはよう」
「おはようございます。俺、昨日、」
「ごめんね、起こしてあげたかったんだけど。あまりにも気持ち良さそうに寝ていたから……。」
「ね、寝顔っ、汚くなかったですか!」
「可愛かった。キッチンに朝ご飯が置いてあるから、食べたらお祈りをしておいで。あとこれは僕の部屋の鍵。」
「あ。ありがとうございます。ピカピカにしてみせます」
「うん、お願いします。この前みたいに野良犬が居たらすぐに僕を呼ぶんだよ。急いで助けに行くから、ビックリしてもあの時みたいにマッチは出さないように。と言うかあれは何を燃やして解決しようとしてたの?僕まだ怖くてそれが聞けてないんだ」
「全部……」
「パニックだったのか。可哀想に……」
どう考えても部屋に犬が侵入している方が異常なのでルキがパニックになるのは当然なのだが。しかしルキはそれに気付かず、真面目にハイと返事をして朝食を取りに向かう。
「……」
彼は小走りになりながら、先程の会話をゆっくり思い返す。
ルキが助けてと叫べば、ミシェルは駆け付けてくれるらしい。
ルキはなんだかそういう、当たり前の優しさが嬉しかった。
多忙なミシェルの手を煩わせたくない気持ちはある。しかしそれでもミシェルは、いつだってルキを優先してくれる。その甘さに堪らなく愛情を感じて、彼は口角の上がる唇をちいさく噛み締めた。
ミシェルは神父だけれど、ルキに対してはラブロマンスの恋人になってくれる。
誰にでも優しいけれど、彼が甘やかすのも、心を許すのも、キスをするのもルキだけだ。
ルキはカットされたリンゴをシャクシャク食べながら、硬く伸びたブラックの睫毛を伏せた。
浪漫な美青年は涙袋の上に影を落として、小首をフラフラと揺らし微笑んでいる。ノワールに交じるゴールドの煌めきがたゆたい、彼は退廃的な絵画を思わせる美貌だった。
「ルキ君。お食事中ごめん」
ミシェルがドアの向こうから上半身を覗かせる。
「今日他に予定は?」
「洗濯祭壇掃除壁面掃除孤児院に様子見配給準備今日の施し会場の設置夕飯調理汚物回収配達物届」
「止まってね。怖いからね。」
「……」
「止まってくれてありがとう。後でワークライフバランスについて面談があります。僕の部屋の掃除だけで半日はかかるだろうに……」
「けど、昨日終わらなくて……」
「別に僕だって家事は出来るんだから。せめて三つくらいに絞ろうか。そうしたら追加で一つ頼み事があるんだ。」
「……はい。分かりました」
「午後に来客があります。僕は応接間に案内するから、その間にお茶を二人分持ってきてくれる?」
「来客ですか。もしお茶の好みとかがあれば…」
「うーん。異国の方なんだけどね。あまりこの国の好みと合わないらしくて……。クセが強く無ければ何でもいいや。棚の奥の方にある、緑か茶色のビンのやつとか…」
ミシェルはそう言いながら、ルキの背後にある棚の中身を指差した。ガラス窓の棚の中にはラベルの貼られたビンが几帳面に並べられていて、色の付いたラベルには茶葉の銘柄が書かれている。
ルキはずっと昔に文字が読めるようになったのに、ミシェルは未だに文字で無くて色で指示を出す時がある。おそらく、ルキが文字を読めなかった頃を知っているから、その名残りだ。
ミシェルの趣味が珍しい茶葉を集める事なので、当然ルキは名前も把握しているし、どのような物かも暗記している。
例えば赤いラベルが貼られている茶葉は、「シャンデリア・スカーレット」という。これはアジアにいるという吸血鬼伝承の名前から取られたもので、ほのかにラズベリーの香りがして、お湯を注ぐと銀色の肌理細やかな粒が星空の様に表面に浮かぶ。
白いラベルが貼られている茶葉は「スチュアート」といって、ミルクを入れると紅茶が沈んで二層になる。なのに飲もうとすると、紅茶がミルクを押しのけるのだ。味が渋いが、飲み干さなければミルクが飲めない。
紫のラベルが貼られている茶葉は面白くて、名を「クロロフィル」という。これは茶葉が一枚の葉で、お湯を注ぐと溶けていき、最後に葉脈だけが残る。その繊維の形で占いをするのが若い女性の間で定期的に流行る。
だから彼は、緑のビン中身が「ワシツ」という銘柄なのも知っているし、茶色のビンの中身が「モダン・メルヘン」という銘柄なのも知っていた。どちらも東洋由来のものだ。
けれどもそれを訂正せずに、「緑か茶色ですね」と頷く。きっとこれは自分だけへの特別な対応なので、無くなると寂しいからだ。
食後の牛乳をクピクピ飲んでから聖堂に向かい、ルキは祭壇の前で跪く。
「天におられますは私の父なる……」
祈りの言葉は決まっている。だから彼は、脳内では器用に茶葉の事を考えていた。
要するに煩悩である。彼はシスターなので神のことを信仰している。してはいるが、ルキからするとミシェルへの崇拝の方が圧倒的に力を持ってしまう。だからシスターとしての形式を整える事は出来ても、内実が疎かになる瞬間があるのだ。
もっと野蛮な言い方をすると、ミシェルが神を信仰しているから、ルキも神を信仰していた。
「わたくしたちを許し、深い御心の慈悲をお与えください…」
客人はこの国の茶葉と好みが合わない、と言っていた。
おそらくはこの国の外から来たのだろう。ミシェルの言ったラインナップが東洋で主流の茶葉だったから、もしかしたら東洋の人間かもしれない。東洋にはさして詳しく無いが、大和人(ヤマトビト:日本人の事)なら、ワシツに所以があったような気がする。……
と、ルキがそこまで思い付いた所で祈りの口上が終わった。
彼はさっさと切り替えて立ち上がる。
おそらく自分は、シスターとしては冷淡な方なのだ、と思う。
胸元で揺れる銀のロザリオからしたら、きっと自分の信仰心は役不足だ。
ルキは神様を信じている。
ミシェルが信じているから信じているし、ミシェルと出逢う運命を授けてくれたから信じている。
ただ、それよりも遥かにミシェルを信じている。
と言った単純な話なのだ。
信仰心よりもずっと篤い感情が、ルキの中には夢見心地に広がっていた。
「スポンジ……箒……塵取り……アルコール……布巾……サスマタ……サスマタは流石にいらないか。人が侵入してたらシェルさんも流石に気付くか。気付く…気付……不審者の居る部屋で寝るなんて流石に危……」
ルキは悶々と悩んで、「もしいたら殺そう」と過激に完結してミシェルの部屋の掃除へ向かう。
人は住み着いていなかったけれど、壁にキノコが自生していた。ルキは「そんな事あっていいんだ」と思いながら取り除いて、アルコールを吹き掛けて残りの菌も死滅させる。
ミシェルの部屋は散らかっていて、しかし煩雑性にはある程度の規則があった。
基本的に床に置く。食べ残しも飲み残しのカップも床にある。服も脱いだまま床にあるし、書類も床に積み重ねている。そうしたら床に置く隙間が無くなるから、既に置いてある荷物の上に置く。入り口付近は一応避けているから、部屋の奥の方は地層みたいになる。だから室内を進むほど無法地帯になるのだ。
まぁ、掃除する側としては分かりやすくてよろしい。
キッチンとか玄関とか、ルキとの共有スペースは整っている。これはルキが定期的に掃除をしているというのもあるけれど、ミシェルはそもそも散らかさない。むしろ私物でさえも、キッチリ規則的に並べられている。
公私混同をしないタイプなのかは、分からないけれど。
とは言え、別にいくら散らかされたって良い。それを自分に掃除さえさせてくれれば、ルキは基本的に満足なのだ。
「失くしたと言ってた保険証がこんな所に…」と暫く地層を崩していたら、見慣れない紙質の束が出てくる。
薄手の紙に、固い記号と丸い記号がシステマチックに並んでいた。外見だけ見たら手紙だが、この国や周辺諸国で使用されている筆記体とはまた見た目が違うので、これが何を示しているものなのかは分からない。
ただし端々の雅やかから、かつてチラリと見た事のある大和の国の言葉だと気付いた。なので彼はうっすらとした根拠で、この後訪れるという客人と関係あるのかしらと思う。
ともかく捨てる物でも無いので、彼はクリップで手紙をまとめて、ファイルの中に揃えて仕舞った。
「ルキ君」
「シェルさん。汚いのは別に良いです。でも湿気だけは気を付かってください」
「うーん……そうだね…たまに換気はしているけれど。」
「毎日ですか」
「三ヶ月とかに一度は。」
「胞子が繁殖しています。普通に危険だと思います。」
「そうだね。なんて真っ当な意見なんだろう……」
ミシェルが掃除の様子を伺い、全く反論の出来ない内容に言い負かされ「そろそろお客様が来るから、準備を頼んだよ」と伝えて去っていく。
ルキは床に溢れていたミルクを手持ち無沙汰に拭いたり拭かなかったりしながら、わかりました、と小さく言った。
地層は崩れきっていないが、一応細い小道の様な通り道は出来た。結局のところ、洗濯かごに入れる物・キッチンで洗う物・ゴミ袋に入れる物がほとんどなので、通り道さえ出来れば後は比較的楽な部類に入る。
だから彼はあと数時間もあれば終ると見積もりを立て、客人に出すお茶の準備に向かった。
特に深くは迷わず、ワシツの茶葉が入った瓶を手に取る。お湯を注ぐ間に、壁の向こうからミシェルが誰かと会話をする声が聞こえた。聞き馴染みのない声に、客人が到着したのだと気付く。
「失礼します。」
「あ、持ってきてくれたの。ありがとう。えっと…彼はこの教会のシスターです。」
「御機嫌よう」
「こんにち…御機嫌よう……です…?」
ルキは彼らの机にお茶を置きながら、目の前に座る客人の、アジアを思わせる容姿を盗み見る。
彼は見慣れない服装をしていた。後から知るが、これは着物というらしくて、大和人の伝統衣装らしい。
撫子の佇まいは、古都の風情を纏った一輪の山桜が如き美貌であった。
ルキはその異国情緒の風格に馴染みなく戸惑う。たおやかな品格ある仕草と、柔らに下がる眉尻の宿す優雅さは、竹の節の伸びるみたいな気高さがある。ルキやミシェルがロココな宮廷画だとしたら、彼は和紙に描かれた水墨画みたいだった。同じ男でもたじろぐ様な、凛とした美丈夫が目の前にいた。
「ルキ君、あんまりジロジロ見ると……。」
「あ、ご、ごめんなさい。服装、珍しくて……」
「すみませんね。この子好奇心が旺盛で」
「それに凄い美人で……」
「すみません。この子メンクイで」
「シェルさんの美しさには及びませんが……」
「え!?止まっ、止まってね、」
「え!?無意識でした。ビックリした……」
「僕もビックリした……」
ルキはビックリしてお盆を抱え直した。自分で言って自分でビックリしたのである。本心ではあるんだけど、変な事を口に出してしまった。
無意識にホロリと声に乗ってしまったのである。そんな風に心あらずになるくらいには、目の前の青年と、彼の前に座るミシェルは美しかった。見惚れてぼんやりしてしまったのだ。
多少の物珍しさも含まれてはいるが。
ミシェルは逆に「素直な良い子に育ったな……」という気持ちになったが、客の前なのでルキと一緒にペコペコ平謝りする。 大和撫子は微笑んで、特に気にしていないらしかった。西洋の人はストレートなのだ、と思ったくらいである。
なので特にお咎めもなく、ルキは応接室から出て掃除に戻る。
あの場にいようといなかろうと何も問題は無いのだが、いた所で何か変わる話でも無いらしいし。
どうやら教会の経営に関することらしくて、あの大和撫子は過去から現在に至るまで莫大な援助をしてくれているらしかった。
国家運営なので別段経営に困った事はないのだが、お金は有るに越した事は無い。つまるところ恩人である。
大和撫子は国を冤罪で追い出されてしまった悪役令息なのだが、優秀なのでこちらの国で途方も無く稼いでいるらしかった。つまるところ援助は税金対策である。
という話を向こうでしているのを気にせず、ルキは掃除を続けた。帰り際にもう一度謝ろう、と思う。
雑巾を絞って床を拭く。
彼らの会話は調子が良いらしく、時々この部屋まで笑い声が届いた。大和撫子は笑い声まで透明にキラキラと澄み渡っている。男らしい低い声なのにそう聞こえるのだ。
実はルキはこの後、思考が真っ黒になるほどの絶望に襲われる。しかし彼はまだそんな事を知らないので、ただ、川のせせらぎを聞く様な気持ちで耳を傾けていた。
掃除が終わるのと、彼らの協議が終わるのは殆ど同時だった。
ミシェルの部屋の窓から庭を覗くと、おそらくミシェルが客人を見送っているのだろう、西洋の美男子と東洋の美丈夫は二人並んで歩いている。
ルキはアッと思ってそこに向かおうとして……しかしそれを忘れて、窓の外から彼らを見つめた。
庭はミモザが咲いている。そこの真ん中に石畳で出来た小道があって、イエローとグリーンの鮮やかな川の上を、二人は柔和に歩む。色褪せた薔薇の花びらが風に吹かれて舞う。
マリー・アントワネットの庭園を歩む貴公子たちに見えるし、ともすれば異国の神々がエキゾチシズムに団欒している様にも見えた。
要するにとっても華やかで美しい。
ルキは何だかそれに魅入ってしまって、呆然とした顔で彼らを眺めていた。
「………」
「………」
会話までは聞こえてこない。
盗み聞くのも失礼な気がするので、構いやしないが。
ミシェルの手が、大和撫子の頬に触れた。
彼の肌を優しく撫でて、撫子が遠慮がちに目を伏せる。
角度のせいで、ミシェルの表情は見えない。
けれども、その手つきの慈しむような滑りをルキは見逃さ無かった。
「え。」
ミシェルの頭が、大和撫子に覆い被さる。
キスだと分かった。
外にザッと風が吹いて、彼らの髪の毛を攫う。
その靡く形さえ、編み込んだレースみたいに華やかだった。
天界の祝祭みたいだった。
とても幻想的で、ロマンチックに見えた。
「え、え。」
同じ黒髪なのに、自分と全く違う生き物みたいだった。
硬いと思ったし、匂いも弱くて特に感動も湧かなかった。
両手を使わないとちぎれないのも不便に感じた。
だから、目の前で同じ食事を取って微笑んでいるミシェルを見ると、「真っ当な人間はこれを美味しいと感じるのか」と不思議な気持ちだった。
パンは丸くて、白くて、奥からバターの味がしていたと思う。
鮮明に思い出せないのは、当時本当にピンと来ていなかったからだ。
「食べにくい?パン粥とかにしてみようか」
「…………」
ルキの舌は壊れていたらしかった。
彼は産まれてからこの瞬間まで、食事とは路地に捨てられた生ゴミの事だと認識していたのだ。期限の切れた牛乳とか、水分で膨張した野菜とか、人の営みの残骸が彼にとっての生命線であった。
パンの味が無いように感じたのは、劇物ばかり食べて下が麻痺していたからである。固く感じたのは、普段食べているものは咀嚼もいらないほど腐っていたから。匂いを感じ取れなかったのは、生ゴミは傷んで強烈な臭いを発していたから。
要するに食事への認識が崩れていた。
パンを食べるに至るまで、ルキは風呂に入れてもらった。
肌は数段も明るくなった。服も清潔なシャツになった。
しかし見かけだけ真人間になっても、パンという存在への奇妙な抵抗心は、悪臭の様になって自分の周りを漂っていた。
あの時のミシェルは、「砂糖を入れようね。」と言ってパンを甘い粥に作り直してくれた。
柄の長いスプーンを渡してくれて、ルキのシャツの袖を捲くってくれた。
「此処ではもう、悪い事は起こらないよ」
そう伝えるミシェルの顔は美しかった。
だからルキは漠然と、「自分って悪い環境にいたんだ。」と認識したのである。
美しい男の持つ説得力とはそういうものだ。
物置小屋で産まれた。その物置小屋はスラム街にあったから、自分の住処はスラム街だった。しかしどうやらそこは酷く劣悪で、醜悪な臭いがして、不清潔な命の集まる所らしかった。
ミシェルがルキに提供した世界は、まさしく正反対である。
純白で、誠実で、極めて衛生的。
ミシェルは何でも教えてくれた。身体が清潔だと風邪を引かない事も、歯の抜けていない人間の喋りは聞き取りやすい事も。
信仰という概念も教えて貰ったし、概念という存在を知ったから、恋という概念がある事も知った。
自分がミシェルの元で真人間になっていく間に、この恋という概念がミシェルに対して向かっているのが分かった。
形容しようとすると随分稚拙になってしまったが、ミシェルはそれさえも上手く汲み取ってくれた。
ミシェルはルキに何でも教えてくれる。
甘やかされると嬉しい事も、尽くしたくて仕方ない気持ちも、恋をするとキスが出来る事も。
ミシェルはルキにとっての神様だった。
かつてルキの周囲を漂っていた悪臭は、いつの間にかホワイトブーケの香りに変わっていた。
いくら記憶を辿っても、おそらく二度と思い出せないと思う。
かつてのルキは、惨めだった野良犬は、もう存在しない。
神様によって、一人の人間として産みだされたのだ。
これが、崇拝に至るまでの過程だった。
「…ん?お……?」
ルキは自室のベッドで目を覚ました。
目を瞑る前と景色が変わっている事に動揺して、彼は数度瞬きしてから、おそらくミシェルが運んでくれたのだと気が付く。
なんだか良い夢を見ていた気がするけど、記憶に無い。
マ、良い夢なんて基本的に犬か焼肉かミシェルのどれかなので、多分どれかしらが出てきたのである。
それはさておき、カーテンに透ける向こう側が、明るく黄みがかっているのだ。熟睡して尚この明るさならば、どうやら日付が変わって朝になっているらしかった。
ルキはドッと焦って跳ね起きる。
熟睡というよりも、爆睡だ。彼は自分がシスター服のままなのを確認して、机の上にベールが畳まれているのを見つける。それを慌てて被りながら髪の毛をチョイチョイと押し込み、ロザリオをかけるチェーンが首元で絡まりかけているのをムキ!という表情をしながら直す。廊下に出ると丁度ミシェルが通り過ぎるところだった。
「シェルさん!」
「あ、ルキ君。おはよう」
「おはようございます。俺、昨日、」
「ごめんね、起こしてあげたかったんだけど。あまりにも気持ち良さそうに寝ていたから……。」
「ね、寝顔っ、汚くなかったですか!」
「可愛かった。キッチンに朝ご飯が置いてあるから、食べたらお祈りをしておいで。あとこれは僕の部屋の鍵。」
「あ。ありがとうございます。ピカピカにしてみせます」
「うん、お願いします。この前みたいに野良犬が居たらすぐに僕を呼ぶんだよ。急いで助けに行くから、ビックリしてもあの時みたいにマッチは出さないように。と言うかあれは何を燃やして解決しようとしてたの?僕まだ怖くてそれが聞けてないんだ」
「全部……」
「パニックだったのか。可哀想に……」
どう考えても部屋に犬が侵入している方が異常なのでルキがパニックになるのは当然なのだが。しかしルキはそれに気付かず、真面目にハイと返事をして朝食を取りに向かう。
「……」
彼は小走りになりながら、先程の会話をゆっくり思い返す。
ルキが助けてと叫べば、ミシェルは駆け付けてくれるらしい。
ルキはなんだかそういう、当たり前の優しさが嬉しかった。
多忙なミシェルの手を煩わせたくない気持ちはある。しかしそれでもミシェルは、いつだってルキを優先してくれる。その甘さに堪らなく愛情を感じて、彼は口角の上がる唇をちいさく噛み締めた。
ミシェルは神父だけれど、ルキに対してはラブロマンスの恋人になってくれる。
誰にでも優しいけれど、彼が甘やかすのも、心を許すのも、キスをするのもルキだけだ。
ルキはカットされたリンゴをシャクシャク食べながら、硬く伸びたブラックの睫毛を伏せた。
浪漫な美青年は涙袋の上に影を落として、小首をフラフラと揺らし微笑んでいる。ノワールに交じるゴールドの煌めきがたゆたい、彼は退廃的な絵画を思わせる美貌だった。
「ルキ君。お食事中ごめん」
ミシェルがドアの向こうから上半身を覗かせる。
「今日他に予定は?」
「洗濯祭壇掃除壁面掃除孤児院に様子見配給準備今日の施し会場の設置夕飯調理汚物回収配達物届」
「止まってね。怖いからね。」
「……」
「止まってくれてありがとう。後でワークライフバランスについて面談があります。僕の部屋の掃除だけで半日はかかるだろうに……」
「けど、昨日終わらなくて……」
「別に僕だって家事は出来るんだから。せめて三つくらいに絞ろうか。そうしたら追加で一つ頼み事があるんだ。」
「……はい。分かりました」
「午後に来客があります。僕は応接間に案内するから、その間にお茶を二人分持ってきてくれる?」
「来客ですか。もしお茶の好みとかがあれば…」
「うーん。異国の方なんだけどね。あまりこの国の好みと合わないらしくて……。クセが強く無ければ何でもいいや。棚の奥の方にある、緑か茶色のビンのやつとか…」
ミシェルはそう言いながら、ルキの背後にある棚の中身を指差した。ガラス窓の棚の中にはラベルの貼られたビンが几帳面に並べられていて、色の付いたラベルには茶葉の銘柄が書かれている。
ルキはずっと昔に文字が読めるようになったのに、ミシェルは未だに文字で無くて色で指示を出す時がある。おそらく、ルキが文字を読めなかった頃を知っているから、その名残りだ。
ミシェルの趣味が珍しい茶葉を集める事なので、当然ルキは名前も把握しているし、どのような物かも暗記している。
例えば赤いラベルが貼られている茶葉は、「シャンデリア・スカーレット」という。これはアジアにいるという吸血鬼伝承の名前から取られたもので、ほのかにラズベリーの香りがして、お湯を注ぐと銀色の肌理細やかな粒が星空の様に表面に浮かぶ。
白いラベルが貼られている茶葉は「スチュアート」といって、ミルクを入れると紅茶が沈んで二層になる。なのに飲もうとすると、紅茶がミルクを押しのけるのだ。味が渋いが、飲み干さなければミルクが飲めない。
紫のラベルが貼られている茶葉は面白くて、名を「クロロフィル」という。これは茶葉が一枚の葉で、お湯を注ぐと溶けていき、最後に葉脈だけが残る。その繊維の形で占いをするのが若い女性の間で定期的に流行る。
だから彼は、緑のビン中身が「ワシツ」という銘柄なのも知っているし、茶色のビンの中身が「モダン・メルヘン」という銘柄なのも知っていた。どちらも東洋由来のものだ。
けれどもそれを訂正せずに、「緑か茶色ですね」と頷く。きっとこれは自分だけへの特別な対応なので、無くなると寂しいからだ。
食後の牛乳をクピクピ飲んでから聖堂に向かい、ルキは祭壇の前で跪く。
「天におられますは私の父なる……」
祈りの言葉は決まっている。だから彼は、脳内では器用に茶葉の事を考えていた。
要するに煩悩である。彼はシスターなので神のことを信仰している。してはいるが、ルキからするとミシェルへの崇拝の方が圧倒的に力を持ってしまう。だからシスターとしての形式を整える事は出来ても、内実が疎かになる瞬間があるのだ。
もっと野蛮な言い方をすると、ミシェルが神を信仰しているから、ルキも神を信仰していた。
「わたくしたちを許し、深い御心の慈悲をお与えください…」
客人はこの国の茶葉と好みが合わない、と言っていた。
おそらくはこの国の外から来たのだろう。ミシェルの言ったラインナップが東洋で主流の茶葉だったから、もしかしたら東洋の人間かもしれない。東洋にはさして詳しく無いが、大和人(ヤマトビト:日本人の事)なら、ワシツに所以があったような気がする。……
と、ルキがそこまで思い付いた所で祈りの口上が終わった。
彼はさっさと切り替えて立ち上がる。
おそらく自分は、シスターとしては冷淡な方なのだ、と思う。
胸元で揺れる銀のロザリオからしたら、きっと自分の信仰心は役不足だ。
ルキは神様を信じている。
ミシェルが信じているから信じているし、ミシェルと出逢う運命を授けてくれたから信じている。
ただ、それよりも遥かにミシェルを信じている。
と言った単純な話なのだ。
信仰心よりもずっと篤い感情が、ルキの中には夢見心地に広がっていた。
「スポンジ……箒……塵取り……アルコール……布巾……サスマタ……サスマタは流石にいらないか。人が侵入してたらシェルさんも流石に気付くか。気付く…気付……不審者の居る部屋で寝るなんて流石に危……」
ルキは悶々と悩んで、「もしいたら殺そう」と過激に完結してミシェルの部屋の掃除へ向かう。
人は住み着いていなかったけれど、壁にキノコが自生していた。ルキは「そんな事あっていいんだ」と思いながら取り除いて、アルコールを吹き掛けて残りの菌も死滅させる。
ミシェルの部屋は散らかっていて、しかし煩雑性にはある程度の規則があった。
基本的に床に置く。食べ残しも飲み残しのカップも床にある。服も脱いだまま床にあるし、書類も床に積み重ねている。そうしたら床に置く隙間が無くなるから、既に置いてある荷物の上に置く。入り口付近は一応避けているから、部屋の奥の方は地層みたいになる。だから室内を進むほど無法地帯になるのだ。
まぁ、掃除する側としては分かりやすくてよろしい。
キッチンとか玄関とか、ルキとの共有スペースは整っている。これはルキが定期的に掃除をしているというのもあるけれど、ミシェルはそもそも散らかさない。むしろ私物でさえも、キッチリ規則的に並べられている。
公私混同をしないタイプなのかは、分からないけれど。
とは言え、別にいくら散らかされたって良い。それを自分に掃除さえさせてくれれば、ルキは基本的に満足なのだ。
「失くしたと言ってた保険証がこんな所に…」と暫く地層を崩していたら、見慣れない紙質の束が出てくる。
薄手の紙に、固い記号と丸い記号がシステマチックに並んでいた。外見だけ見たら手紙だが、この国や周辺諸国で使用されている筆記体とはまた見た目が違うので、これが何を示しているものなのかは分からない。
ただし端々の雅やかから、かつてチラリと見た事のある大和の国の言葉だと気付いた。なので彼はうっすらとした根拠で、この後訪れるという客人と関係あるのかしらと思う。
ともかく捨てる物でも無いので、彼はクリップで手紙をまとめて、ファイルの中に揃えて仕舞った。
「ルキ君」
「シェルさん。汚いのは別に良いです。でも湿気だけは気を付かってください」
「うーん……そうだね…たまに換気はしているけれど。」
「毎日ですか」
「三ヶ月とかに一度は。」
「胞子が繁殖しています。普通に危険だと思います。」
「そうだね。なんて真っ当な意見なんだろう……」
ミシェルが掃除の様子を伺い、全く反論の出来ない内容に言い負かされ「そろそろお客様が来るから、準備を頼んだよ」と伝えて去っていく。
ルキは床に溢れていたミルクを手持ち無沙汰に拭いたり拭かなかったりしながら、わかりました、と小さく言った。
地層は崩れきっていないが、一応細い小道の様な通り道は出来た。結局のところ、洗濯かごに入れる物・キッチンで洗う物・ゴミ袋に入れる物がほとんどなので、通り道さえ出来れば後は比較的楽な部類に入る。
だから彼はあと数時間もあれば終ると見積もりを立て、客人に出すお茶の準備に向かった。
特に深くは迷わず、ワシツの茶葉が入った瓶を手に取る。お湯を注ぐ間に、壁の向こうからミシェルが誰かと会話をする声が聞こえた。聞き馴染みのない声に、客人が到着したのだと気付く。
「失礼します。」
「あ、持ってきてくれたの。ありがとう。えっと…彼はこの教会のシスターです。」
「御機嫌よう」
「こんにち…御機嫌よう……です…?」
ルキは彼らの机にお茶を置きながら、目の前に座る客人の、アジアを思わせる容姿を盗み見る。
彼は見慣れない服装をしていた。後から知るが、これは着物というらしくて、大和人の伝統衣装らしい。
撫子の佇まいは、古都の風情を纏った一輪の山桜が如き美貌であった。
ルキはその異国情緒の風格に馴染みなく戸惑う。たおやかな品格ある仕草と、柔らに下がる眉尻の宿す優雅さは、竹の節の伸びるみたいな気高さがある。ルキやミシェルがロココな宮廷画だとしたら、彼は和紙に描かれた水墨画みたいだった。同じ男でもたじろぐ様な、凛とした美丈夫が目の前にいた。
「ルキ君、あんまりジロジロ見ると……。」
「あ、ご、ごめんなさい。服装、珍しくて……」
「すみませんね。この子好奇心が旺盛で」
「それに凄い美人で……」
「すみません。この子メンクイで」
「シェルさんの美しさには及びませんが……」
「え!?止まっ、止まってね、」
「え!?無意識でした。ビックリした……」
「僕もビックリした……」
ルキはビックリしてお盆を抱え直した。自分で言って自分でビックリしたのである。本心ではあるんだけど、変な事を口に出してしまった。
無意識にホロリと声に乗ってしまったのである。そんな風に心あらずになるくらいには、目の前の青年と、彼の前に座るミシェルは美しかった。見惚れてぼんやりしてしまったのだ。
多少の物珍しさも含まれてはいるが。
ミシェルは逆に「素直な良い子に育ったな……」という気持ちになったが、客の前なのでルキと一緒にペコペコ平謝りする。 大和撫子は微笑んで、特に気にしていないらしかった。西洋の人はストレートなのだ、と思ったくらいである。
なので特にお咎めもなく、ルキは応接室から出て掃除に戻る。
あの場にいようといなかろうと何も問題は無いのだが、いた所で何か変わる話でも無いらしいし。
どうやら教会の経営に関することらしくて、あの大和撫子は過去から現在に至るまで莫大な援助をしてくれているらしかった。
国家運営なので別段経営に困った事はないのだが、お金は有るに越した事は無い。つまるところ恩人である。
大和撫子は国を冤罪で追い出されてしまった悪役令息なのだが、優秀なのでこちらの国で途方も無く稼いでいるらしかった。つまるところ援助は税金対策である。
という話を向こうでしているのを気にせず、ルキは掃除を続けた。帰り際にもう一度謝ろう、と思う。
雑巾を絞って床を拭く。
彼らの会話は調子が良いらしく、時々この部屋まで笑い声が届いた。大和撫子は笑い声まで透明にキラキラと澄み渡っている。男らしい低い声なのにそう聞こえるのだ。
実はルキはこの後、思考が真っ黒になるほどの絶望に襲われる。しかし彼はまだそんな事を知らないので、ただ、川のせせらぎを聞く様な気持ちで耳を傾けていた。
掃除が終わるのと、彼らの協議が終わるのは殆ど同時だった。
ミシェルの部屋の窓から庭を覗くと、おそらくミシェルが客人を見送っているのだろう、西洋の美男子と東洋の美丈夫は二人並んで歩いている。
ルキはアッと思ってそこに向かおうとして……しかしそれを忘れて、窓の外から彼らを見つめた。
庭はミモザが咲いている。そこの真ん中に石畳で出来た小道があって、イエローとグリーンの鮮やかな川の上を、二人は柔和に歩む。色褪せた薔薇の花びらが風に吹かれて舞う。
マリー・アントワネットの庭園を歩む貴公子たちに見えるし、ともすれば異国の神々がエキゾチシズムに団欒している様にも見えた。
要するにとっても華やかで美しい。
ルキは何だかそれに魅入ってしまって、呆然とした顔で彼らを眺めていた。
「………」
「………」
会話までは聞こえてこない。
盗み聞くのも失礼な気がするので、構いやしないが。
ミシェルの手が、大和撫子の頬に触れた。
彼の肌を優しく撫でて、撫子が遠慮がちに目を伏せる。
角度のせいで、ミシェルの表情は見えない。
けれども、その手つきの慈しむような滑りをルキは見逃さ無かった。
「え。」
ミシェルの頭が、大和撫子に覆い被さる。
キスだと分かった。
外にザッと風が吹いて、彼らの髪の毛を攫う。
その靡く形さえ、編み込んだレースみたいに華やかだった。
天界の祝祭みたいだった。
とても幻想的で、ロマンチックに見えた。
「え、え。」
同じ黒髪なのに、自分と全く違う生き物みたいだった。
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