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1章
14話
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———......。
.....久しぶりにアキの夢を見た。
当時は、寝たらあの時の光景が必ず夢に出てきて寝るのが怖かったのに。
ベッドサイドにある写真立てを手に取る。
「.....おはよう、アキ」
写真立ての側にはあの日貰った腕時計が置いてある。
ただ、あの日以来時間が止まってしまって動かない。
修理に持っていってもどこも壊れていないと言われた。
出勤前に換気扇の下でタバコに火をつける。
思えばこれもアキが居なくなってから吸うようになった。
ふらふらと遊び歩くようになったのもそうだ。
そうしたらひょっこり帰ってきて叱ってくれるかもしれないと淡い期待を抱いていた。
ため息とともに煙を吐き出す。
◇◇◇◇
仕事が終わり金曜日だというのにどこにも寄らず家に向かっている。
ミィーファが熱をだしてからバーにも行っていない。
もうすぐ家に着く、というところで電話がかかってきた。
ディスプレイには知樹の名前が表示されている。
「もしもし」
『もしもし?ミィーファちゃん、熱下がったぞ』
「....そうか。よかったな。それだけか?」
『んなわけねーだろ。....明日のことだよ。....今年も行かないつもりか?』
「..........」
明日、2月25日は俺の誕生日だ。
———つまり、アキが居なくなった日。
俺は一度も墓参りができていない。
行ってしまったらもう戻ってこないと認めないといけないような気がして怖いのだ。
『いい加減向き合った方がいいんじゃないか?』
「.........」
心配してくれているのはわかる。
知樹が居なかったら俺はもうこの世には居なかっただろうから。
それでも、すぐには頷けなかった。
返事を返せないでいるとマンションの前に誰か立っているのが見えた。
近所付き合いがないので住人かどうかはわからない。
一応会釈して側を通り過ぎると声をかけられた。
「律さん!」
あ?知り合いだったか?
『律?聞いてるか?』
「あー、悪い、ちょっと待って」
電話を繋げたまま話しかけてきた人物へ声を投げた。
「申し訳ありません。マンション内の方ですか?」
「あ....下の階のノエルといいます」
ノエル....?どっかで聞いたことあるような....。
下の階だったら入居の時に挨拶に行ってたと思うけど....覚えていない。
もしかしたら新しく入った人かもしれない。
「すみません、なんかうるさかったですかね?」
うるさくした覚えはなかったが誤りながら近づく。
かけ直そうと携帯を耳に当てた時、顔になにかを吹きつけられた。
直後、目に刺す様な激しい痛みが走る。
「ぐぁ!!」
『律?どうした?』
携帯から知樹の声が聞こえるがそれどころではない。
痛いっ...!なんだこれっ!
目は全く開けられずあまりの痛さに携帯も落として目を覆う。
耳元でバチバチッと音がしたかと思えば俺は意識を失った。
じゅぼっ、じゅるっ
異様な音と下半身に集まる熱で意識が浮上した。
目の痛みは無くなっていたが身体は重い。
じゅるるっ、ぐぽっ
「うっ....」
止まらない音と身体の中心に与えられる刺激に思わず声が漏れてしまい、見ると誰かが俺のモノを口に含んでいる。
「おいっ、なにやってんだ!」
慌てて止めようとするが手が頭の上で縛られており起き上がることさえできない。
「あっ、律さん♡ようやく目が覚めましたか?」
俺のモノから口を離しにっこりと笑う人物は、先程マンションの前にいたノエルだ。
「お前....これはどういうつもりだ?」
「なかなか目覚さないんで心配してたんですよ?ちょっと威力高すぎたかな、って」
右手に持っていたスタンガンをバチバチッと鳴らす。
「ああ、萎えちゃいましたね。可哀想。怖かったですか?」
こいつ...話通じてねえな....。
やばい、と思うのに足までどこかに縛り付けられているのか動かせない。
自由なのは目と口だけ。
周りを見てみると見たことのある間取りに違和感を覚えた。
.....そういや下の階つってたが....。
どうやらマンションの4階の一室のようだ。
「大丈夫ですよ、僕が何回でも勃たせてあげますから」
ぞっとすることをいいながら再び陰茎を口に含む。
「やめっ、ろ....!なんでこんなこと....!」
縛られている手足を必死に動かすがガチャガチャと金属音が鳴るだけだ。
「あんまり暴れると怪我しちゃいますよ?」
「んなこたどーだっていんだよ!目的はなんだって聞いてんだ!」
「目的ですか...?それはもちろん、律さんに抱いて欲しいんですよ!」
「はぁ....?」
「僕...律さんを初めて見た時から好きになっちゃって、ここに住んでるって知った時、丁度真下が空いてたんです。これってもう運命じゃないですか?」
知るか。....つまりなんだ、ストーカーってことか?
「それに、律さん最近遊ぶのやめたのか誰とも寝てないでしょう?僕のこと真剣に考えてくれてるのかなって、嬉しくて!」
ぞわっ
なんだ、こいつ...。気持ち悪い。意味がわからない。
確かにあいつを拾ってから誰とも寝ていないのは事実だ。
バーで一緒に外に出たやつとも適当に理由をつけてタクシーに押し込んでいた。
なんでそれをこいつが知ってんだよ....。
「やめろっ、離せっ!触んな!」
触られているところが気持ち悪い。
初めて見る狂気に危機感が押し寄せてくる。
「いっ....!」
陰茎を強めに握られ亀頭もぐりっと押しつぶされた。
「律さん痛いの苦手ですか?ちょっと萎えちゃいましたね。でも動くと手元狂っちゃうかもしれないんで大人しくしててください」
びくっ、と身体が恐怖で固まる。
大人しくなった俺を見て嬉しそうに笑ったかと思えば手の動きを再開させた。
最近ヌいてなかったのもあり与えられる刺激に反応し、徐々に硬くなっていくのがわかる。
それを見て再び嬉しそうに笑って俺の陰茎を自身の後孔へと当てがった。
ぞわりと全身の肌が粟立つ。
——その時だった。
ピーンポーン
突然部屋にインターホンの音が響き渡った。
.....久しぶりにアキの夢を見た。
当時は、寝たらあの時の光景が必ず夢に出てきて寝るのが怖かったのに。
ベッドサイドにある写真立てを手に取る。
「.....おはよう、アキ」
写真立ての側にはあの日貰った腕時計が置いてある。
ただ、あの日以来時間が止まってしまって動かない。
修理に持っていってもどこも壊れていないと言われた。
出勤前に換気扇の下でタバコに火をつける。
思えばこれもアキが居なくなってから吸うようになった。
ふらふらと遊び歩くようになったのもそうだ。
そうしたらひょっこり帰ってきて叱ってくれるかもしれないと淡い期待を抱いていた。
ため息とともに煙を吐き出す。
◇◇◇◇
仕事が終わり金曜日だというのにどこにも寄らず家に向かっている。
ミィーファが熱をだしてからバーにも行っていない。
もうすぐ家に着く、というところで電話がかかってきた。
ディスプレイには知樹の名前が表示されている。
「もしもし」
『もしもし?ミィーファちゃん、熱下がったぞ』
「....そうか。よかったな。それだけか?」
『んなわけねーだろ。....明日のことだよ。....今年も行かないつもりか?』
「..........」
明日、2月25日は俺の誕生日だ。
———つまり、アキが居なくなった日。
俺は一度も墓参りができていない。
行ってしまったらもう戻ってこないと認めないといけないような気がして怖いのだ。
『いい加減向き合った方がいいんじゃないか?』
「.........」
心配してくれているのはわかる。
知樹が居なかったら俺はもうこの世には居なかっただろうから。
それでも、すぐには頷けなかった。
返事を返せないでいるとマンションの前に誰か立っているのが見えた。
近所付き合いがないので住人かどうかはわからない。
一応会釈して側を通り過ぎると声をかけられた。
「律さん!」
あ?知り合いだったか?
『律?聞いてるか?』
「あー、悪い、ちょっと待って」
電話を繋げたまま話しかけてきた人物へ声を投げた。
「申し訳ありません。マンション内の方ですか?」
「あ....下の階のノエルといいます」
ノエル....?どっかで聞いたことあるような....。
下の階だったら入居の時に挨拶に行ってたと思うけど....覚えていない。
もしかしたら新しく入った人かもしれない。
「すみません、なんかうるさかったですかね?」
うるさくした覚えはなかったが誤りながら近づく。
かけ直そうと携帯を耳に当てた時、顔になにかを吹きつけられた。
直後、目に刺す様な激しい痛みが走る。
「ぐぁ!!」
『律?どうした?』
携帯から知樹の声が聞こえるがそれどころではない。
痛いっ...!なんだこれっ!
目は全く開けられずあまりの痛さに携帯も落として目を覆う。
耳元でバチバチッと音がしたかと思えば俺は意識を失った。
じゅぼっ、じゅるっ
異様な音と下半身に集まる熱で意識が浮上した。
目の痛みは無くなっていたが身体は重い。
じゅるるっ、ぐぽっ
「うっ....」
止まらない音と身体の中心に与えられる刺激に思わず声が漏れてしまい、見ると誰かが俺のモノを口に含んでいる。
「おいっ、なにやってんだ!」
慌てて止めようとするが手が頭の上で縛られており起き上がることさえできない。
「あっ、律さん♡ようやく目が覚めましたか?」
俺のモノから口を離しにっこりと笑う人物は、先程マンションの前にいたノエルだ。
「お前....これはどういうつもりだ?」
「なかなか目覚さないんで心配してたんですよ?ちょっと威力高すぎたかな、って」
右手に持っていたスタンガンをバチバチッと鳴らす。
「ああ、萎えちゃいましたね。可哀想。怖かったですか?」
こいつ...話通じてねえな....。
やばい、と思うのに足までどこかに縛り付けられているのか動かせない。
自由なのは目と口だけ。
周りを見てみると見たことのある間取りに違和感を覚えた。
.....そういや下の階つってたが....。
どうやらマンションの4階の一室のようだ。
「大丈夫ですよ、僕が何回でも勃たせてあげますから」
ぞっとすることをいいながら再び陰茎を口に含む。
「やめっ、ろ....!なんでこんなこと....!」
縛られている手足を必死に動かすがガチャガチャと金属音が鳴るだけだ。
「あんまり暴れると怪我しちゃいますよ?」
「んなこたどーだっていんだよ!目的はなんだって聞いてんだ!」
「目的ですか...?それはもちろん、律さんに抱いて欲しいんですよ!」
「はぁ....?」
「僕...律さんを初めて見た時から好きになっちゃって、ここに住んでるって知った時、丁度真下が空いてたんです。これってもう運命じゃないですか?」
知るか。....つまりなんだ、ストーカーってことか?
「それに、律さん最近遊ぶのやめたのか誰とも寝てないでしょう?僕のこと真剣に考えてくれてるのかなって、嬉しくて!」
ぞわっ
なんだ、こいつ...。気持ち悪い。意味がわからない。
確かにあいつを拾ってから誰とも寝ていないのは事実だ。
バーで一緒に外に出たやつとも適当に理由をつけてタクシーに押し込んでいた。
なんでそれをこいつが知ってんだよ....。
「やめろっ、離せっ!触んな!」
触られているところが気持ち悪い。
初めて見る狂気に危機感が押し寄せてくる。
「いっ....!」
陰茎を強めに握られ亀頭もぐりっと押しつぶされた。
「律さん痛いの苦手ですか?ちょっと萎えちゃいましたね。でも動くと手元狂っちゃうかもしれないんで大人しくしててください」
びくっ、と身体が恐怖で固まる。
大人しくなった俺を見て嬉しそうに笑ったかと思えば手の動きを再開させた。
最近ヌいてなかったのもあり与えられる刺激に反応し、徐々に硬くなっていくのがわかる。
それを見て再び嬉しそうに笑って俺の陰茎を自身の後孔へと当てがった。
ぞわりと全身の肌が粟立つ。
——その時だった。
ピーンポーン
突然部屋にインターホンの音が響き渡った。
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