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2章
19話
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「どれがいい?」
「どれ、と言われましても....。私には全て同じにしか見えません....」
今日は壊れた携帯を修理してもらうのと、ミィーファの携帯を選びに来ている。
「持ってみた感じとか、デザインが好きとかなんでもいいぞ」
「.....それでは律さんと同じのがいいです」
「俺のと?もっと新しいのあるぞ?」
「いいんです。一緒の方が嬉しいので」
「あー...、わかったよ...。色も同じでいいのか?」
「はい」
「ってことで同じやつあります?」
店員さんに話しかけると慌てたように確認して参ります!と裏に引っ込んでいった。
「あのな、お前あんまり人前でああいうこと言うのやめろよ」
「?なにをです?」
「俺のと同じだと嬉しい、とかだよ。同性が好きだって思われると気持ち悪がられたりするぞ」
「こちらでは同性同士だと迫害されるのですか?」
「迫害ってほどじゃねえけど...変な目で見られたりするし、バレない方が生活はしやすい。特にお前はそうじゃなくても目立つしな」
「そう、なのですね...。向こうでは同性同士でも当たり前でしたので....。以後気をつけます」
あからさまにしゅんとしてしまった。
「トモキさんのバーではいいのですか?」
「あー、あそこはそういう場所だからな」
「....なるほど」
丁度店員さんが戻ってきて在庫もあったようだ。
契約者は俺にしてもらい手続きを済ませた。
「律さん、ありがとうございました」
「どういたしまして。ちゃんとメット被れよ」
「....これで、大丈夫ですか?」
「おい、どうやったらこうなんだよ...」
ほんとにどうやったらこうなるのか、Dリングの顎紐がぐちゃぐちゃになっている。
ワンタッチの買った方がいいか....。
———律たちが帰った後の店内では...。
「ちょ!!!何今のイケメン2人は!!!」
「まじ眼福.....」
「私も担当したかった....!」
「え、待って、2人はどういう関係なの!?ねえ!兄弟じゃないよね!?」
「今の見た!?顎紐付け直してあげるとか...!最高かよ!」
業務が一時止まったとか、止まってなかったとか。
◇◇◇◇
「俺と知樹の番号入れといたからとりあえずそれ以外はでるなよ」
「ありがとうございます」
バーに戻りいろいろと設定をして携帯をミィーファへ渡す。
「今から電話するからちょっと待ってろ」
電話をかけると手に持っていた携帯が振動し、着信音が響いてミィーファがあからさまにびくっと驚いた。
電話のでかたを説明して耳に当てるように言うと恐る恐る携帯を当てる。
「聞こえるか?」
少し離れて携帯越しに話しかけると『わっ!』と耳元で大きな声が響いた。
「どした?」
電話を切って聞くとミィーファは携帯を凝視して顔を赤らめている。
「あ...えと...、すみません、耳元で律さんの声が聞こえたので...」
こ、こいつはわざとやってんのか...?
普段は気恥ずかしいことを平気で言うくせに、耳元で声が聞こえただけでこの反応。
「ちょっと、見せつけないでくれる?」
一部始終見ていた知樹が不機嫌そうに言った。
これは俺の所為ではないはず。
「じゃあ次は俺が電話するよ」
電話のでかたの練習も含め、知樹から電話してもらう。
困惑しながらもちゃんと操作でき、耳に当てる。
「もしもーし」
「?もしもしってなんですか?」
「律の時と違いすぎでしょ!」
「あっ、えっと...、すみません....?」
「いや、いいけどね」
電話を切り、ぶーぶーと口を尖らせながら再び口を開いた。
「もしもしってのは元々"申します、申します"って言ってたのが縮まってなったらしいよ。これから話しますよって言う意味だけど、今では電話受け取る方も言う時あるし雰囲気で使ってる感じはあるけどね」
「なるほど....」
やはり教える事に関しては知樹が向いていると思う。
俺はそこらへんの説明が面倒でどうしてもおざなりになってしまうのだ。
その後はメッセージの仕方も(知樹が)教えたが、これはかなり難しかったらしい。
そもそもまだ文字を勉強中でひらがなも完璧ではない。
慣れるまでは電話で、ということになったが練習としてなんでもいいから最低でも1日1回はメッセージのやりとりを行うことになった。
「なー、ガムか飴持ってないか?」
もうすぐバーの開店時間で2人が慌ただしくしている時に声をかけた。
「あ?持ってるわけないだろ?」
「だよなー。買ってくればよかった....」
墓参りに行った日からタバコを止めているのだが、口寂しくて何か口に入れたくなる。
いつも何かしら持つようにはしていたのだがうっかり置いて来てしまった。
「あ、律さんっ、私持ってますよ!」
思わぬところから声が上がった。
「え、まじで?」
「はい。以前口寂しいって言っていたので買ってみたんです。1人でも買いに行けるようになったんですよ?」
ドヤ顔で飴の袋を持っている姿は可愛さしかない。
待て、ってことはそれは俺の為に買ったってことか?
「ん」
「えっ?」
「食わせて」
口を開けて入れてくれるのを待つ。
少し躊躇しながらも袋を開け口に飴を近づけた。
その腕を掴みミィーファの指ごと口に入れ、舌で飴を掴んでいた部分を丁寧に舐めとる。
「っ...!」
引こうとする腕を離さずに、ぢゅっと音を立てて指を吸った。
「おい!ここでイチャつくなよ!ってかお前らなんでこれでまだ付き合ってないんだよ!嫌がらせか!?」
ミィーファは真っ赤になって「か、看板オープンにしてきます!」と外に出て行ってしまった。
「どれ、と言われましても....。私には全て同じにしか見えません....」
今日は壊れた携帯を修理してもらうのと、ミィーファの携帯を選びに来ている。
「持ってみた感じとか、デザインが好きとかなんでもいいぞ」
「.....それでは律さんと同じのがいいです」
「俺のと?もっと新しいのあるぞ?」
「いいんです。一緒の方が嬉しいので」
「あー...、わかったよ...。色も同じでいいのか?」
「はい」
「ってことで同じやつあります?」
店員さんに話しかけると慌てたように確認して参ります!と裏に引っ込んでいった。
「あのな、お前あんまり人前でああいうこと言うのやめろよ」
「?なにをです?」
「俺のと同じだと嬉しい、とかだよ。同性が好きだって思われると気持ち悪がられたりするぞ」
「こちらでは同性同士だと迫害されるのですか?」
「迫害ってほどじゃねえけど...変な目で見られたりするし、バレない方が生活はしやすい。特にお前はそうじゃなくても目立つしな」
「そう、なのですね...。向こうでは同性同士でも当たり前でしたので....。以後気をつけます」
あからさまにしゅんとしてしまった。
「トモキさんのバーではいいのですか?」
「あー、あそこはそういう場所だからな」
「....なるほど」
丁度店員さんが戻ってきて在庫もあったようだ。
契約者は俺にしてもらい手続きを済ませた。
「律さん、ありがとうございました」
「どういたしまして。ちゃんとメット被れよ」
「....これで、大丈夫ですか?」
「おい、どうやったらこうなんだよ...」
ほんとにどうやったらこうなるのか、Dリングの顎紐がぐちゃぐちゃになっている。
ワンタッチの買った方がいいか....。
———律たちが帰った後の店内では...。
「ちょ!!!何今のイケメン2人は!!!」
「まじ眼福.....」
「私も担当したかった....!」
「え、待って、2人はどういう関係なの!?ねえ!兄弟じゃないよね!?」
「今の見た!?顎紐付け直してあげるとか...!最高かよ!」
業務が一時止まったとか、止まってなかったとか。
◇◇◇◇
「俺と知樹の番号入れといたからとりあえずそれ以外はでるなよ」
「ありがとうございます」
バーに戻りいろいろと設定をして携帯をミィーファへ渡す。
「今から電話するからちょっと待ってろ」
電話をかけると手に持っていた携帯が振動し、着信音が響いてミィーファがあからさまにびくっと驚いた。
電話のでかたを説明して耳に当てるように言うと恐る恐る携帯を当てる。
「聞こえるか?」
少し離れて携帯越しに話しかけると『わっ!』と耳元で大きな声が響いた。
「どした?」
電話を切って聞くとミィーファは携帯を凝視して顔を赤らめている。
「あ...えと...、すみません、耳元で律さんの声が聞こえたので...」
こ、こいつはわざとやってんのか...?
普段は気恥ずかしいことを平気で言うくせに、耳元で声が聞こえただけでこの反応。
「ちょっと、見せつけないでくれる?」
一部始終見ていた知樹が不機嫌そうに言った。
これは俺の所為ではないはず。
「じゃあ次は俺が電話するよ」
電話のでかたの練習も含め、知樹から電話してもらう。
困惑しながらもちゃんと操作でき、耳に当てる。
「もしもーし」
「?もしもしってなんですか?」
「律の時と違いすぎでしょ!」
「あっ、えっと...、すみません....?」
「いや、いいけどね」
電話を切り、ぶーぶーと口を尖らせながら再び口を開いた。
「もしもしってのは元々"申します、申します"って言ってたのが縮まってなったらしいよ。これから話しますよって言う意味だけど、今では電話受け取る方も言う時あるし雰囲気で使ってる感じはあるけどね」
「なるほど....」
やはり教える事に関しては知樹が向いていると思う。
俺はそこらへんの説明が面倒でどうしてもおざなりになってしまうのだ。
その後はメッセージの仕方も(知樹が)教えたが、これはかなり難しかったらしい。
そもそもまだ文字を勉強中でひらがなも完璧ではない。
慣れるまでは電話で、ということになったが練習としてなんでもいいから最低でも1日1回はメッセージのやりとりを行うことになった。
「なー、ガムか飴持ってないか?」
もうすぐバーの開店時間で2人が慌ただしくしている時に声をかけた。
「あ?持ってるわけないだろ?」
「だよなー。買ってくればよかった....」
墓参りに行った日からタバコを止めているのだが、口寂しくて何か口に入れたくなる。
いつも何かしら持つようにはしていたのだがうっかり置いて来てしまった。
「あ、律さんっ、私持ってますよ!」
思わぬところから声が上がった。
「え、まじで?」
「はい。以前口寂しいって言っていたので買ってみたんです。1人でも買いに行けるようになったんですよ?」
ドヤ顔で飴の袋を持っている姿は可愛さしかない。
待て、ってことはそれは俺の為に買ったってことか?
「ん」
「えっ?」
「食わせて」
口を開けて入れてくれるのを待つ。
少し躊躇しながらも袋を開け口に飴を近づけた。
その腕を掴みミィーファの指ごと口に入れ、舌で飴を掴んでいた部分を丁寧に舐めとる。
「っ...!」
引こうとする腕を離さずに、ぢゅっと音を立てて指を吸った。
「おい!ここでイチャつくなよ!ってかお前らなんでこれでまだ付き合ってないんだよ!嫌がらせか!?」
ミィーファは真っ赤になって「か、看板オープンにしてきます!」と外に出て行ってしまった。
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