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21話
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「イツキは結婚とかどう思ってますか?」
レオンが買ってきてくれた夕食を食べながら唐突に言った。
「は....?」
「私は正直どちらでもいいのですが、イツキが安心するのであればしたいです」
いや、ちょっと待て。
そういう話ってもっと改まってするもんじゃないの?
まるで明日の予定でも聞くかのように事も無げに聞いてきた。
あまつさえ俺は全裸だ。
もちろん布団を被っているので下半身は隠れているが上裸の状態である。
俺の戸惑いをよそにレオンは続けた。
「団長とハルトを見ていても特別変わったようには見受けられませんしね。イツキはどう思います?」
「え?いや....俺は.....」
突然話を振られて口籠る。
「もちろん近々親には報告したいと思っているのですが」
親、というパワーワードにも少しびびる。
結婚を当たり前のように考えてくれていることが嬉しく思う反面、怖くもあった。
「イツキ、私はあなたが本当に嫌なことは決してしません」
だから話してみろ、と銀色の瞳が真っ直ぐに俺を捕らえる。
「.....結婚は、まだ早いんじゃないか?その、付き合い始めたのもまだ最近だし、今後気持ちも変わるかもしれないだろ....」
自分で言っておきながらショックを受ける。
レオンの気持ちが変わってしまうことが一番怖い。
「時間にとらわれる必要はないと思いますが....イツキがそう言うのであればそれでもいいです」
ただ....、と少し怒ったように食べていた夕食を取り上げられベッドに入り込んできた。
「私の気持ちが変わると思われているのは心外です」
両頬を包まれ目を逸らすことも許されない。
「こんなに伝えているのにまだ足りないですか?」
伝わっている。伝わっているからこそ心が離れていってしまった時のことを考えると怖いのだ。
「....先のことなんか分かんないだろ。もしかしたら....んっ!」
その先は唇を塞がれて言えなかった。
軽く触れるようなキスで離れていく際に唇をはみっと食べられた。
「どんなことがあっても私はイツキから離れたりはしませんよ」
ドクン、と心臓が高鳴る。
「だいたいそんな先のことを心配しても無意味です。明日死ぬかもなんて考えて生きてはいないでしょう?」
「う.....」
たしかにそうだ。先のことなんか分からないからこそ考えるのではなく、そうならないように行動する方がよっぽど大事だ。
「イツキ、やはり結婚しませんか?確約があったほうが安心でしょう?」
俺のことを一番に考えてくれるのがたまらなく嬉しい。
くよくよと意味の無いないことを考えるのはやめよう。
「うん」
レオンの首に腕を絡めて自分からキスをした。
舌を絡めるとレオンも応えてくれ、しばらく水音が響いた。
「イツキ、愛しています」
「うん。俺も。好き」
まだ愛しているなんて恥ずかしいことは言えないけれど。
どちらともなくもう一度キスをしてからレオンが口を開く。
「すみません、イツキ。勃っちゃいました」
「はぁ?」
下を見てみると服が盛り上がっているのが見えた。
今いい雰囲気だったのにぶち壊しじゃないか!
つかあんだけやっといてまだ勃つとか元気すぎるだろ!
「イツキに好きって言われたの初めてなんですよ?勃つなって言う方が無理な話です」
「いや、開き直んな」
なんだか唐突に笑が込み上げてきた。
「ぷっ、ははっ!」
あんなことで不安を感じていたのが馬鹿馬鹿しく思える。
笑っているとレオンが俺に跨ってきた。
「ちょ、なにしてんの?」
「煽るってことはしてもいいってことでしょう?」
「は?煽ってないし!意味がわからん!」
無理無理無理!
これ以上は絶対ケツが裂けるって!
「その笑顔は反則です」
笑うなってことですか!?
「待て、わかった。俺が抜いてやるから!」
「それも魅力的ですが今日は私がイツキに触れたい」
さっき散々触っただろ!
文句はレオンの口に吸い込まれた。
「んんっ、....んぁ....ん、んぅ....」
布団を剥ぎ取ってレオンが陰茎をお腹に擦り付けてきた。
「あっ、まじでやめろって!絶対裂ける!」
「入れないので足だけ貸してください」
そう言ってレオンの陰茎を俺の足で挟んだ。
ゴリゴリと硬いものが擦れると俺のモノまで頭をもたげてしまった。
「イツキも勃ってきましたね」
嬉しそうに言うレオンをキッと睨む。
「俺のは生理現象だっ」
一緒にするな!
レオンはなかなかイかず、俺は2回もイかされてしまった。
ようやくイった後はもちろん説教だ。
レオンは下半身丸出しで正座しながら説教を受けていたのでなんだかまた笑えてきた。
一度吹き出すとツボに入ったようでなかなか笑いが治らない。
「ご褒美ですか?」
「ふっ、ちがっ....くくっ.....!」
やめろ、こっちに来るな。余計笑える。
散々笑ってから夕食を再び食べ、風呂に入ってからひとつのベッドに入って抱き合うように寝た。
こんな小さな幸せがいつまでも続きますように。
レオンに抱きつきながらそう願った。
そう願いながら眠りについた。
レオンが買ってきてくれた夕食を食べながら唐突に言った。
「は....?」
「私は正直どちらでもいいのですが、イツキが安心するのであればしたいです」
いや、ちょっと待て。
そういう話ってもっと改まってするもんじゃないの?
まるで明日の予定でも聞くかのように事も無げに聞いてきた。
あまつさえ俺は全裸だ。
もちろん布団を被っているので下半身は隠れているが上裸の状態である。
俺の戸惑いをよそにレオンは続けた。
「団長とハルトを見ていても特別変わったようには見受けられませんしね。イツキはどう思います?」
「え?いや....俺は.....」
突然話を振られて口籠る。
「もちろん近々親には報告したいと思っているのですが」
親、というパワーワードにも少しびびる。
結婚を当たり前のように考えてくれていることが嬉しく思う反面、怖くもあった。
「イツキ、私はあなたが本当に嫌なことは決してしません」
だから話してみろ、と銀色の瞳が真っ直ぐに俺を捕らえる。
「.....結婚は、まだ早いんじゃないか?その、付き合い始めたのもまだ最近だし、今後気持ちも変わるかもしれないだろ....」
自分で言っておきながらショックを受ける。
レオンの気持ちが変わってしまうことが一番怖い。
「時間にとらわれる必要はないと思いますが....イツキがそう言うのであればそれでもいいです」
ただ....、と少し怒ったように食べていた夕食を取り上げられベッドに入り込んできた。
「私の気持ちが変わると思われているのは心外です」
両頬を包まれ目を逸らすことも許されない。
「こんなに伝えているのにまだ足りないですか?」
伝わっている。伝わっているからこそ心が離れていってしまった時のことを考えると怖いのだ。
「....先のことなんか分かんないだろ。もしかしたら....んっ!」
その先は唇を塞がれて言えなかった。
軽く触れるようなキスで離れていく際に唇をはみっと食べられた。
「どんなことがあっても私はイツキから離れたりはしませんよ」
ドクン、と心臓が高鳴る。
「だいたいそんな先のことを心配しても無意味です。明日死ぬかもなんて考えて生きてはいないでしょう?」
「う.....」
たしかにそうだ。先のことなんか分からないからこそ考えるのではなく、そうならないように行動する方がよっぽど大事だ。
「イツキ、やはり結婚しませんか?確約があったほうが安心でしょう?」
俺のことを一番に考えてくれるのがたまらなく嬉しい。
くよくよと意味の無いないことを考えるのはやめよう。
「うん」
レオンの首に腕を絡めて自分からキスをした。
舌を絡めるとレオンも応えてくれ、しばらく水音が響いた。
「イツキ、愛しています」
「うん。俺も。好き」
まだ愛しているなんて恥ずかしいことは言えないけれど。
どちらともなくもう一度キスをしてからレオンが口を開く。
「すみません、イツキ。勃っちゃいました」
「はぁ?」
下を見てみると服が盛り上がっているのが見えた。
今いい雰囲気だったのにぶち壊しじゃないか!
つかあんだけやっといてまだ勃つとか元気すぎるだろ!
「イツキに好きって言われたの初めてなんですよ?勃つなって言う方が無理な話です」
「いや、開き直んな」
なんだか唐突に笑が込み上げてきた。
「ぷっ、ははっ!」
あんなことで不安を感じていたのが馬鹿馬鹿しく思える。
笑っているとレオンが俺に跨ってきた。
「ちょ、なにしてんの?」
「煽るってことはしてもいいってことでしょう?」
「は?煽ってないし!意味がわからん!」
無理無理無理!
これ以上は絶対ケツが裂けるって!
「その笑顔は反則です」
笑うなってことですか!?
「待て、わかった。俺が抜いてやるから!」
「それも魅力的ですが今日は私がイツキに触れたい」
さっき散々触っただろ!
文句はレオンの口に吸い込まれた。
「んんっ、....んぁ....ん、んぅ....」
布団を剥ぎ取ってレオンが陰茎をお腹に擦り付けてきた。
「あっ、まじでやめろって!絶対裂ける!」
「入れないので足だけ貸してください」
そう言ってレオンの陰茎を俺の足で挟んだ。
ゴリゴリと硬いものが擦れると俺のモノまで頭をもたげてしまった。
「イツキも勃ってきましたね」
嬉しそうに言うレオンをキッと睨む。
「俺のは生理現象だっ」
一緒にするな!
レオンはなかなかイかず、俺は2回もイかされてしまった。
ようやくイった後はもちろん説教だ。
レオンは下半身丸出しで正座しながら説教を受けていたのでなんだかまた笑えてきた。
一度吹き出すとツボに入ったようでなかなか笑いが治らない。
「ご褒美ですか?」
「ふっ、ちがっ....くくっ.....!」
やめろ、こっちに来るな。余計笑える。
散々笑ってから夕食を再び食べ、風呂に入ってからひとつのベッドに入って抱き合うように寝た。
こんな小さな幸せがいつまでも続きますように。
レオンに抱きつきながらそう願った。
そう願いながら眠りについた。
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