彼女と出会ったその日から~なぜ俺は毎日写真や動画を撮られるのだろうか~

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一章

26話 テスト前

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今日は1学期末テスト一か月前ということで、校内が少しピりついている。
学校が学校なのでテストとなると普段おちゃらけている生徒でも真面目になる。

「蔭西くんはもう勉強始めてるの?」
「始めてるよ」
「皆始めるの早いなぁ。私は2週間とか1週間前から勉強を始めるんだけど」
「それくらいが普通じゃない?この学校が早すぎるだけで」

この学校はテスト前期間に入るのが早すぎて困ってしまう。
それは高校初めてのテストということもあり何を主にやっていいかわからないから、だ。
登下校を見る限り、焦っているのは一年生だけで先輩たちの表情は余裕っぽい。

「でもなんか、この空気は胃ががキリキリして…」
「確かに、テスト前の独特な雰囲気だよね」
「苦手だなぁ…」

あはは、と苦笑いをして席に戻っていった。
自分はこの空気感が好きだが、でも確かに一般の人は嫌いそう。

と考えつつ、俺は手元の教科書を開く。
一人の世界に入り込み、勉強をしていても何とも思われない空間。
最高だ。
変な人と思われるどころか、勤勉な人としてこの時期は見られる。


授業が終わり、家に帰る時間となった。
帰ったら、今日も勉強することができる。
最近はおろそかになっていたのでとても嬉しい。

「あの、蔭西くん」
「はい?」

帰り際、教室から出る前に桜さんから話し掛けられた。

「勉強会、やりません?」
「…勉強会」

思わず繰り返してしまった。
なぜなら、自分にはあまりにも縁がない言葉だと思っていたからだ。
仲のいい友達同士で集まり、ワイワイ盛り上がりながら勉強をするという効率の悪い勉強法。

「いや、ちょっと…」
「やりません?」
「………」

押しが強い。
これは多分、「わかった」というまで圧をかけてくるパターンだ。
自分の時間を使うことに抵抗があるが、その分の勉強をどこか別に日に振り分ければ大丈夫か。

「わ、わかった」
「やったー!!日程は明日の朝10時から近くのファミレスで、だから」
「明日、ということは日曜日か。わかった」
「じゃあまた明日」

そういうと、飛ぶようにして階段を降りていった。
あぁ、睡眠時間を減らさなければ。
放課後ならまだしも休日にやるとは…。

「あぁ、面倒だなぁ」

こんなことを言っている俺だが、内心ではものすごく嬉しがっている。
なんせ、初めての勉強会だ。
ずっと羨ましく思っていたから余計に嬉しい。

だんだんと心の内から暖かいものが込み上げてきて、どんどん明日が楽しみになってきた。
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