彼女と出会ったその日から~なぜ俺は毎日写真や動画を撮られるのだろうか~

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一章

31話 デート①

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「…何を着ていこう」

俺は今人生で初めて服装で悩んでいる。
いつものように適当に取り出して着ればいいのに、なぜかそれはダメだと思ってしまう。
ちゃんと身だしなみを整え、ちゃんとした服を着なければならないと感じてしまっている。
初めての経験すぎてどうすればいいのかわからない、というのが今の現状だ。
こういう時に便利なのがインターネットだ。

「えっと、白Tシャツに黒いズボンか」

調べてみると、白いTシャツに黒いズボンを履いている写真ばかりだった。
この2色の組み合わせが無難におしゃれらしく変におしゃれするよりはいいらしい。

俺はタンスから白Tシャツと黒ジーパンを取り出した。

「よし」

俺はそれらに着替え、歯を磨き家を出た。
前も一緒に遊んだはずなのになぜ緊張してしまう。
ものすごくドキドキとする。

電車に乗り込み、桜さんの最寄駅へと向かう。
最近の桜さんは妙に色っぽくなったよな、可愛くなったような気がしている。

他にも「何をするのだろうか」「どんな服装で来るのか」などを考えているとあっと言う間に
最寄駅に着いてしまった。

「すぅ…。ふぅ…」

改札を通る前に一回深呼吸をする。
腹を決め改札を通り、昨日言われた通り前に待っていた待合室のような場所へと向かった。

「…………」

集合時間6分前に着いたのだが、まだ桜さんはいないようで見当たらなかった。
それどころか人が1人もいない。
10分ぐらいだろうか。
しばらく待っていると「ごめーん」と言いながら桜さんが姿を現した。

「っ!」

思わず息をのむ。

とても美しい。

純粋にそう思った。
ここで一つ気づいたことがある。
今桜さんが来ている服は前回俺が「似合っている」と言った服だということだ。
頭には前髪をまとめるために俺が前回プレゼントしたヘアピンを使ってくれている。

「ど、どうかな?」
「…いいと思うよ」

思わず顔を隠してしまう。
きっと今の俺は嬉しくて、嬉しすぎて頬が緩み切っている。

「………」

他にも言いたいことがありそうに、桜さんはくねくねとしている。
他に言うようなこと…。
考えながら桜さんの顔をまじまじと見る。

桜さんの顔は普段よりも少し白く、唇が普段よりも少ない。
いつもより全然可愛くて美しかった。

もしかして、お化粧をしているのか?

「お化粧してきた?可愛いよ」
「合ってる?」

とてもナチュラルなお化粧だが、桜さんには十分すぎるほどだ。

「すごく合ってる」
「ありがと…」

いつもより硬く、少し照れたような笑顔を見せる。
また、あの時の夜のとうな変に緊張している空気が流れ始めた。
そしてその空気と照れを隠すようにして口を開き、

「デートみたいだね」

と半ば真面目そうな顔して俺に言葉を向けた。
自分で言ったその言葉に恥ずかしくなっているのか、桜さんsの顔もみるみると赤くなっていく。

「あ、ああ。そおうだな」

あやふやな答えしか返せなかった。
しかしこちらは「デート」という言葉を理解するのに多少時間がかかっている。
恥ずかしそうに目線をそらせる桜さんの事を見ていると余計に考えがまとまらない。

あぁ、勘違いしそうになる。

桜さんは自分の事がすきなんじゃないかと、思ってしまう。
そう考えるととても嬉しく思うのがまた反省しなければならないところだ。

しかし自分の考えとは裏腹に、俺は心のどこかで「桜さんは俺のとなりにいてくれ」と願っていた。

なぜだ、なぜなのか…。

桜さんが他の男の人といるところを考えるだけでモヤッとする。
この感情は何なのか。
わからない、わからない…。
余計感情がぐちゃぐちゃになってしまう。

「その、桜さんには…」

誰か気になっている人はいますか?

と聞きそうになってしまった。

「どうしたの?」
「いえなんでもないです」

知りたいが、同時に知りたくもない。
そんな感情がとても歯がゆく感じてしまう。
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