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二章
47話 三連休二日目
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自分でも今何をやっているのかよくわかっていない。
付き合い始めてすぐなのに、関係を壊すような爆弾を見てしまった。見つけてしまった。
誰が悪いのか、というとあの書類を見た自分が悪いのだが、元凶が父であることにわかりはない。
あんな人のプライベートを無断で調べ上げるなど人間のやることではない。
「お待たせ、ちょっと遅くなっちゃった」
顔を上げると、前のデートの時のようにおめかしをしオシャレをしている桜さんがいた。
今の俺にはその姿が、自身の罪悪感の化身としか見えない。
「今日はどうするの?」
「今日は…」
決心しろ。
今自分がやるべきことが何なのか見失うな。
父に抗わなければ自分に明るい未来などない。
「今日は話がしたくて呼んだ」
「話?いいよ。じゃあ、あそこのファミレス入ろうか」
「いや、話す場所はとってある」
俺は昨日予約した近くのビジネスホテルに連れて行く。
カギを受け取り指定した部屋に入る。
「どうしたの?ホテルなんかに入って」
俺はそれに答えることがすぐにできなかった。
「もしかして、エッチなことしようとしてる?」
小馬鹿にするようにクスクスと笑いながら言うが、俺の表情を見て何かを察したように俺の前に座る。
「別に怒らないよ?」
「本当か?」
「多分だけど…」
「そ、うか。だがどっちにしろ話さなければならないことだ」
俺は昨日クシャクシャにしてゴミ箱に捨てた書類を取り出す。
それらを桜さんの前に並べる。
「父親が勝手に桜さんのことを調べた。そして俺はそれを見た」
「………」
桜さんはそれを見て硬直してしまった。
おかげで返答はない。
「本当に申し訳ない。人には知られたくないこともあるのに、勝手に、見てしまって」
「……………」
だんだんと小さくなっていく自分の声を聞き、情けなくなった。
息苦しく、この狭い空間から抜け出したいとさえ思う。
1秒がとても長く感じてしまう。
まだかまだかと返答を待っているが、返答は返ってくる気配すらない。
ちらちらと時計を見るが、まだ10分しか経っていない。
時間が経つにつれて自分の罪悪感に押しつぶされそうになる。
しかし、自分に相手を急かす権利などない。
「…久しぶりだね、蔭西くん」
予想していなかった返答に全く反応できなかった。
てっきり怒られ、振られるかと思っていたのに、正反対の返答だ。
「それと、あの時はごめんね。1人にして、救えなくて」
なんで桜さんが謝る?
「別にバレたところで、私の思いは変わらない」
「で、でも」
桜さんは俺の不安そうな表情を見てか、暖かく包み込んだ。
「いつか話すつもりだったし、蔭西くんがそんな背負うものなんてないよ」
「けど、すまない。桜さんの心の準備ができていなかったのに…」
「そりゃ、最初はびっくりしたし怖かったけど、なんか蔭西くんならいいやって思って」
「…………」
「それにしても急展開だね。こんなすぐにバレるなんて思わなかったよ」
「…………」
「気にしなくていいよ。私が大丈夫って言ってるんだから」
「そ、っか。ありがとう」
俺は鼻をすすり、桜さんから離れる。
「じゃあ今日は帰ろうか」
俺はそう提案する。
「別にいいけど、お昼ご飯ぐらい一緒にどう?」
「ああ、うん。いいよ」
俺と桜さんはホテルを出た。
そして桜さんに連れられるがままに、高そうなレストランに入った。
「ここ蔭西くんのおごりね。これで罪悪感無くせなかったら明日もだよ!」
ふふっ、と笑顔で言う。
どうやら俺が今彼女にどのような感情を抱いているのか全てわかってしまっているようだ。
「わかったよ。これでちゃらね」
「そうそう。距離ができたままなんて嫌だから」
俺は言われるがままにそのレストランに入り、びっくりするぐらいの額を払うことになったが
不思議と嫌じゃなかった。
いや、むしろ嬉しい。
幸福感さえある。
「うーん、美味しかった」
「それは良かった」
駅までの間に会話はあまり生まれなかったが、桜さんといれるだけでとても幸せだった。
「手、繋ご?」
差し出された桜さんの右手に自分の左手を絡める。
「いいよ」
駅までの短い時間だったが、その時間はいい意味でとても長く感じることができた。
付き合い始めてすぐなのに、関係を壊すような爆弾を見てしまった。見つけてしまった。
誰が悪いのか、というとあの書類を見た自分が悪いのだが、元凶が父であることにわかりはない。
あんな人のプライベートを無断で調べ上げるなど人間のやることではない。
「お待たせ、ちょっと遅くなっちゃった」
顔を上げると、前のデートの時のようにおめかしをしオシャレをしている桜さんがいた。
今の俺にはその姿が、自身の罪悪感の化身としか見えない。
「今日はどうするの?」
「今日は…」
決心しろ。
今自分がやるべきことが何なのか見失うな。
父に抗わなければ自分に明るい未来などない。
「今日は話がしたくて呼んだ」
「話?いいよ。じゃあ、あそこのファミレス入ろうか」
「いや、話す場所はとってある」
俺は昨日予約した近くのビジネスホテルに連れて行く。
カギを受け取り指定した部屋に入る。
「どうしたの?ホテルなんかに入って」
俺はそれに答えることがすぐにできなかった。
「もしかして、エッチなことしようとしてる?」
小馬鹿にするようにクスクスと笑いながら言うが、俺の表情を見て何かを察したように俺の前に座る。
「別に怒らないよ?」
「本当か?」
「多分だけど…」
「そ、うか。だがどっちにしろ話さなければならないことだ」
俺は昨日クシャクシャにしてゴミ箱に捨てた書類を取り出す。
それらを桜さんの前に並べる。
「父親が勝手に桜さんのことを調べた。そして俺はそれを見た」
「………」
桜さんはそれを見て硬直してしまった。
おかげで返答はない。
「本当に申し訳ない。人には知られたくないこともあるのに、勝手に、見てしまって」
「……………」
だんだんと小さくなっていく自分の声を聞き、情けなくなった。
息苦しく、この狭い空間から抜け出したいとさえ思う。
1秒がとても長く感じてしまう。
まだかまだかと返答を待っているが、返答は返ってくる気配すらない。
ちらちらと時計を見るが、まだ10分しか経っていない。
時間が経つにつれて自分の罪悪感に押しつぶされそうになる。
しかし、自分に相手を急かす権利などない。
「…久しぶりだね、蔭西くん」
予想していなかった返答に全く反応できなかった。
てっきり怒られ、振られるかと思っていたのに、正反対の返答だ。
「それと、あの時はごめんね。1人にして、救えなくて」
なんで桜さんが謝る?
「別にバレたところで、私の思いは変わらない」
「で、でも」
桜さんは俺の不安そうな表情を見てか、暖かく包み込んだ。
「いつか話すつもりだったし、蔭西くんがそんな背負うものなんてないよ」
「けど、すまない。桜さんの心の準備ができていなかったのに…」
「そりゃ、最初はびっくりしたし怖かったけど、なんか蔭西くんならいいやって思って」
「…………」
「それにしても急展開だね。こんなすぐにバレるなんて思わなかったよ」
「…………」
「気にしなくていいよ。私が大丈夫って言ってるんだから」
「そ、っか。ありがとう」
俺は鼻をすすり、桜さんから離れる。
「じゃあ今日は帰ろうか」
俺はそう提案する。
「別にいいけど、お昼ご飯ぐらい一緒にどう?」
「ああ、うん。いいよ」
俺と桜さんはホテルを出た。
そして桜さんに連れられるがままに、高そうなレストランに入った。
「ここ蔭西くんのおごりね。これで罪悪感無くせなかったら明日もだよ!」
ふふっ、と笑顔で言う。
どうやら俺が今彼女にどのような感情を抱いているのか全てわかってしまっているようだ。
「わかったよ。これでちゃらね」
「そうそう。距離ができたままなんて嫌だから」
俺は言われるがままにそのレストランに入り、びっくりするぐらいの額を払うことになったが
不思議と嫌じゃなかった。
いや、むしろ嬉しい。
幸福感さえある。
「うーん、美味しかった」
「それは良かった」
駅までの間に会話はあまり生まれなかったが、桜さんといれるだけでとても幸せだった。
「手、繋ご?」
差し出された桜さんの右手に自分の左手を絡める。
「いいよ」
駅までの短い時間だったが、その時間はいい意味でとても長く感じることができた。
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