彼女と出会ったその日から~なぜ俺は毎日写真や動画を撮られるのだろうか~

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二章

48話 三連休三日目

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今日は桜さんとデートするつもりだったが、桜さんは用があるとかでできなかった。
おかげで暇になってしまったが、こういう自分のことを整理するのにいい時間ができた。
この二日間いろいろな事がありすぎて、まだちゃんと整理ができていない。

「お父さん、言いたいことがあるならちゃんと言え」

目の前で新聞を読んでいる父親にそう言う。

「なんだ?」
「あんなものを勝手に調べていいと思っているのか?」
「仕方がないだろう。お前が今どんな人が好きなのか知り必要があるだろう?」
「で、結局言いたいことはなんだよ」
「あんなのは諦めろ。負け組と付き合うなど恥に思え」
「そうか。言いたいことはよくわかった」

どこまで腐ってやがる、こいつは。
こんなのの血が自分に流れているなんて…。
それこそ恥だ。

俺は席を立ちあがる。

「そんなんだから姉ちゃんがこの家から出ていくんだよ」
「叶は今関係ないだろ!」

急に父が声を荒げる。
バンッと大きな音が家じゅうに響いた。

「叶は留学しただけだ。この家から出た訳ではない!」
「その話はお父さんにしていたか?そして手続きは誰がやった?置手紙にはなんて書いたあった!?」

思わず言葉に力がこもる。
姉ちゃんを引き合いに出すのは卑怯だとは思う。
だが、一番わかりやすい例えがこれしかなかったのだ。

「…………」

父が黙る。

「お前には話していない!手続きは姉ちゃんの友達のお父さんがやった!そして置手紙には…」
「やめろ」
「置手紙には、『この家が嫌いなので、留学します。この家にはもう二度と戻りません』だ!」
「やめろって言ってるだろ!」

そう言われ、頬に衝撃が走る。
あぁ、殴られたのか。
しかしこんなの予想済みだ。

「負け組はどっちだよ!お金がなくても彼女の方が優しい!明るい!心が広い!それに比べてお前はどうだ!
お金があるくせに、無駄に厳しい!暗い!心も視野も狭い!」
「この世はお金がすべてだ。お金がなければ全てが無意味なんだよ!」
「お前の心は貧乏だがな」

俺は鼻で笑った。

「誰が稼いでやってると思ってるんだ!」

あぁ、全てが自分の予想通りに進む。
おかげで動揺せず、自分の言いたいことをはっきりと言えている。

「別にこんな贅沢な暮らしは望んでないんだよ!俺は幸せな暮らしを望んでる!」
「箕六の幸せなど知らないな。お前の物差しで物を言うな。俺が稼いでるお金で好きな物でもなんでも買って、自分なりの幸せを見つけたらどうなんだ?」
「お金で買えるならすでに買ってるわ。バカが」

次は反対の頬に衝撃が走った。
思わずよろけてしまう。
父の顔は真っ赤で、まるで獅子舞の頭のようだ。

「バカとはなんだ!さっきから生意気がすぎるぞ!」
「図星すぎてもうそこでしか言い返せないのか?」
「このっ……」

拳が振り上げられる。
俺は次は殴られまいとその振り上げられた手首を掴んで、体全体に思いきり力を込める。

「うおっ」

父の間抜けた声が聞こえる。
ビタン!と音がし、父は床に激しく打ち付けられた。

「俺もこの家から出ていく」

そう言い、俺は準備しておいたバッグを手にする。
後ろから何か声が聞こえるが、その声を無視して俺は家を出た。
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