65 / 74
二章
59話 相談③
しおりを挟む
「では早速だけれど、朝の話の続きをもっと詳しく教えてくれないかしら」
「わかりました」
俺は朝の話をさらに詳しく話す。
自分が家を出た経緯なども含めて。
「随分と愛に飢えた家庭だったのね。家とは大違い」
「まぁ、そうですね。確かに違います。正直俺は御崎さんが羨ましいですよ」
「ということは愛の過剰摂取ってこと?それでおかしくなったとか」
「そんな、麻薬じゃないんですから」
あはは、と少し笑ってそう言うが御崎さんは至極真面目だった。
「恋って『麻薬』よ。その人と一緒にいたい、とか、離したくない、とか。そういう思いはまさに、もっと欲しいと思う麻薬中毒者と同じ」
御崎さんはお茶をすすってもう、話を続ける。
「それも麻薬よりも恋のほうがよっぽどたちが悪い。だって誰でも手に入れることができるんだもん。だからこそ、自分の感情にセーブするのが大切なの」
「…御崎さんは本当に俺と同じ年なの?」
「ええ。ぴちぴちの十六歳よ」
自分とは大違いだ。
びっくりするほど大人びいていて、下手したら普通の大人よりも大人だ。
いい意味でいろいろな事を知っている。
きっとこれまでの人生の密度が違うのだろう。
周りの沢山のことに目を向けたりして…。
それに比べて自分はずっと自分の事ばっかりだった。
「…ありがとう。御崎さん」
「杏、でいいよ。なんか面倒だし」
「じゃあ杏さん。本当にありがとう」
自然と笑みが浮かび、俺は頭を下げた。
本当に心の底から感謝している。
なんだかスッキリしたうえに、自分がどうすればいいかも教えてもらえた。
「でなんだけど、望くんに聞いてくれた?」
話題が一転した。
「聞けたは聞けたけど、なんかトラウマがありそうだったよ。こう昔になにかあったような…」
「…そう」
そうとだけ返して杏さんはうつむいた。
自分によくしてくれたのに、何もできなくて申し訳ない。
「聞いておこうか?何かあったのか」
「本当?ありがとう。まるで蔭西さんを鳩みたいに扱ってごめんね」
「いやいいよ。力になれるならなりたいし。それと、俺も蔭西じゃなくて箕六でいいよ」
「ありがとう、箕六さん。ほら日も暮れてきたし早く帰ってちゃんと話しな」
「こちらこそ、今日はありがとう!」
俺は初めて、姉さんと桜さん以外の人に満面の笑みを浮かべて手を振った。
杏さんもそれに答えて笑顔で手を振ってくれた。
「わかりました」
俺は朝の話をさらに詳しく話す。
自分が家を出た経緯なども含めて。
「随分と愛に飢えた家庭だったのね。家とは大違い」
「まぁ、そうですね。確かに違います。正直俺は御崎さんが羨ましいですよ」
「ということは愛の過剰摂取ってこと?それでおかしくなったとか」
「そんな、麻薬じゃないんですから」
あはは、と少し笑ってそう言うが御崎さんは至極真面目だった。
「恋って『麻薬』よ。その人と一緒にいたい、とか、離したくない、とか。そういう思いはまさに、もっと欲しいと思う麻薬中毒者と同じ」
御崎さんはお茶をすすってもう、話を続ける。
「それも麻薬よりも恋のほうがよっぽどたちが悪い。だって誰でも手に入れることができるんだもん。だからこそ、自分の感情にセーブするのが大切なの」
「…御崎さんは本当に俺と同じ年なの?」
「ええ。ぴちぴちの十六歳よ」
自分とは大違いだ。
びっくりするほど大人びいていて、下手したら普通の大人よりも大人だ。
いい意味でいろいろな事を知っている。
きっとこれまでの人生の密度が違うのだろう。
周りの沢山のことに目を向けたりして…。
それに比べて自分はずっと自分の事ばっかりだった。
「…ありがとう。御崎さん」
「杏、でいいよ。なんか面倒だし」
「じゃあ杏さん。本当にありがとう」
自然と笑みが浮かび、俺は頭を下げた。
本当に心の底から感謝している。
なんだかスッキリしたうえに、自分がどうすればいいかも教えてもらえた。
「でなんだけど、望くんに聞いてくれた?」
話題が一転した。
「聞けたは聞けたけど、なんかトラウマがありそうだったよ。こう昔になにかあったような…」
「…そう」
そうとだけ返して杏さんはうつむいた。
自分によくしてくれたのに、何もできなくて申し訳ない。
「聞いておこうか?何かあったのか」
「本当?ありがとう。まるで蔭西さんを鳩みたいに扱ってごめんね」
「いやいいよ。力になれるならなりたいし。それと、俺も蔭西じゃなくて箕六でいいよ」
「ありがとう、箕六さん。ほら日も暮れてきたし早く帰ってちゃんと話しな」
「こちらこそ、今日はありがとう!」
俺は初めて、姉さんと桜さん以外の人に満面の笑みを浮かべて手を振った。
杏さんもそれに答えて笑顔で手を振ってくれた。
0
あなたにおすすめの小説
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。
カレンと晴人はその後、どうなる?
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様を書いたストーリーです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる