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9… 元に戻る方法
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「赤か白、どちらかの人魚の実を食べて、体が完全に選んだ性別になるまで通常は半年ほどかかる。
アスカ君は実を食べてまだ二日なのにそこまで体が変化するのは普通じゃない・・・。しかも赤い実を食べたのに女になるとは。
これは代々村長だけに伝わる話なのだが、体が完全に変化するまでにもし違う性別に変えたい場合、食べた実の10倍の実を食べれば元に戻ると言われている。アスカ君の場合赤い実を10粒だな・・・。しかし、そうすると簡単に性別を変えようとするものが出たり、また体に負担がかかって危険が伴うことから村人に伝えてはいけないこと、とされているんだ。
アスカ君の場合は非常に特殊だから、仕方ない。誰にもばれないうちに手を打とう。」
と村長が言う。
「危険が伴う・・・。アスカは大丈夫なのですか?」
「うむ・・・、あまり前例がないし、私が生きてる間に見たことがないから何とも言えないんだが・・・。」
レオンは悩んだ。しかしこのままではアスカが望まない人生を送ることになるだろう・・・。
「分かりました、父さん。アスカを連れて人魚の木へ行きます。昼は人目があるので、少し暗くなってから。」
父親は部屋を出ようとするレオンに付け加えていった。
「アスカ君には関係ないと思うが、女として誰かに体を許してしまうと、二度と男にはなれなくなる。」
レオンは後ろを向いたままうなづいたので、父親には彼のその複雑な表情を見る事が出来なかった。
まだ熱っぽかったものの、アスカはベッドの上で起き上がれるようになっていた。
レオンと話せたのも良かったかもしれない。
大怪我をしている父親が心配だった。
継母は動けなくなった夫を疎ましく思っている・・・。
そっと起き上がって部屋を出る。
小さな家の中はとても静かだった。
継母も双子の兄もいないようだ。
「父さん・・・」
父が寝ている部屋をそっと開ける。
父親が静かにベッドに横たわっており、呼吸をしていたのでホッとした。
ベッドの横に置いてある水で布を絞り、汗ばんだ父親の顔を丁寧に拭いてあげた。
両足と片腕がないので、随分小さく見える。
遠くの海で仕事をする漁師なのでほとんど家にいなかったが、優しくてたくましかった父親のことは大好きだった。
今の継母と結婚したのも、家にひとりぼっちになるアスカのためだった。
アスカは、継母が少しぐらい自分に冷たくてもよかった。あの平穏な暮らしが続くのなら。
(父さんはこのままだど死んでしまう・・・。よほど良いお医者様に診てもらわないと・・・。でもお金がないのに、どうしたら・・・)
ふと、継母が言っていたことを思い出す。
”女になったら中央の金持ちが高く買ってくれる”ということ。
(確かに父さんを助けるためにはそれしかないのかもしれない・・・。どんなに働きたくったって、もうこの村には仕事をする場所すらない・・・)
しかし、アスカは女になってしまったが、誰かに売られて奴隷として生きていく覚悟はどうしてもできなかった。
まだレオンと男同士旅に出るという夢が捨てきれない。
(もしかしたら元に戻るかもしれないし・・・男になれるかもしれないし・・・。レオンが・・・)
バンッ
その時家の扉が乱暴に開かれる音がした。
「誰?」
アスカが恐る恐る入口のある部屋を覗くと、そこには青のジェイドと3人の騎士が立っていた。
(ジェイドさん・・・!どうしてここに・・・?)
大きくなった胸を、壁に掛けてあった父親の上着を着て隠す。
「な・・・何か御用ですか・・・?」
アスカは恐る恐る声を掛けた。
ジェイドはアスカを冷たい瞳で上から下まで見る。
胸を隠すアスカの手が震えた。
「押さえろ」
ジェイドが騎士たちに命じる。
「えっ・・・」
アスカはあっという間に後ろから2人がかりで腕を掴まれて身動きが出来なくなった。
ジェイドはツカツカと、アスカのすぐ目の前に歩み寄ってくる。
怯えるアスカの顎をもって目をそらせないようにした。
「お前が女になったと聞いて、私が買った。」
ジェイドは恐ろしいことを言ってきた。
アスカ君は実を食べてまだ二日なのにそこまで体が変化するのは普通じゃない・・・。しかも赤い実を食べたのに女になるとは。
これは代々村長だけに伝わる話なのだが、体が完全に変化するまでにもし違う性別に変えたい場合、食べた実の10倍の実を食べれば元に戻ると言われている。アスカ君の場合赤い実を10粒だな・・・。しかし、そうすると簡単に性別を変えようとするものが出たり、また体に負担がかかって危険が伴うことから村人に伝えてはいけないこと、とされているんだ。
アスカ君の場合は非常に特殊だから、仕方ない。誰にもばれないうちに手を打とう。」
と村長が言う。
「危険が伴う・・・。アスカは大丈夫なのですか?」
「うむ・・・、あまり前例がないし、私が生きてる間に見たことがないから何とも言えないんだが・・・。」
レオンは悩んだ。しかしこのままではアスカが望まない人生を送ることになるだろう・・・。
「分かりました、父さん。アスカを連れて人魚の木へ行きます。昼は人目があるので、少し暗くなってから。」
父親は部屋を出ようとするレオンに付け加えていった。
「アスカ君には関係ないと思うが、女として誰かに体を許してしまうと、二度と男にはなれなくなる。」
レオンは後ろを向いたままうなづいたので、父親には彼のその複雑な表情を見る事が出来なかった。
まだ熱っぽかったものの、アスカはベッドの上で起き上がれるようになっていた。
レオンと話せたのも良かったかもしれない。
大怪我をしている父親が心配だった。
継母は動けなくなった夫を疎ましく思っている・・・。
そっと起き上がって部屋を出る。
小さな家の中はとても静かだった。
継母も双子の兄もいないようだ。
「父さん・・・」
父が寝ている部屋をそっと開ける。
父親が静かにベッドに横たわっており、呼吸をしていたのでホッとした。
ベッドの横に置いてある水で布を絞り、汗ばんだ父親の顔を丁寧に拭いてあげた。
両足と片腕がないので、随分小さく見える。
遠くの海で仕事をする漁師なのでほとんど家にいなかったが、優しくてたくましかった父親のことは大好きだった。
今の継母と結婚したのも、家にひとりぼっちになるアスカのためだった。
アスカは、継母が少しぐらい自分に冷たくてもよかった。あの平穏な暮らしが続くのなら。
(父さんはこのままだど死んでしまう・・・。よほど良いお医者様に診てもらわないと・・・。でもお金がないのに、どうしたら・・・)
ふと、継母が言っていたことを思い出す。
”女になったら中央の金持ちが高く買ってくれる”ということ。
(確かに父さんを助けるためにはそれしかないのかもしれない・・・。どんなに働きたくったって、もうこの村には仕事をする場所すらない・・・)
しかし、アスカは女になってしまったが、誰かに売られて奴隷として生きていく覚悟はどうしてもできなかった。
まだレオンと男同士旅に出るという夢が捨てきれない。
(もしかしたら元に戻るかもしれないし・・・男になれるかもしれないし・・・。レオンが・・・)
バンッ
その時家の扉が乱暴に開かれる音がした。
「誰?」
アスカが恐る恐る入口のある部屋を覗くと、そこには青のジェイドと3人の騎士が立っていた。
(ジェイドさん・・・!どうしてここに・・・?)
大きくなった胸を、壁に掛けてあった父親の上着を着て隠す。
「な・・・何か御用ですか・・・?」
アスカは恐る恐る声を掛けた。
ジェイドはアスカを冷たい瞳で上から下まで見る。
胸を隠すアスカの手が震えた。
「押さえろ」
ジェイドが騎士たちに命じる。
「えっ・・・」
アスカはあっという間に後ろから2人がかりで腕を掴まれて身動きが出来なくなった。
ジェイドはツカツカと、アスカのすぐ目の前に歩み寄ってくる。
怯えるアスカの顎をもって目をそらせないようにした。
「お前が女になったと聞いて、私が買った。」
ジェイドは恐ろしいことを言ってきた。
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