君という生き物

ぬ子

文字の大きさ
上 下
3 / 5

立ち位置

しおりを挟む



今日なんか眠そうにしてたじゃん_(:3」∠)_
女できたん??笑



馬鹿か。バイトと課題で死にそうなんだよ( ゚Д゚
お前サボってんじゃねーぞ!!



なんだつまんね(´・ω・`)
こないだ迎えに来てくれたお姉さんは??




クラスの友達とのメールのやりとりで、奴が気に掛けているのは紛れもなく澪であり(この間酔った僕を迎えに来た時の話だ)
なんというか説明し難いのだが少なくとも彼女とかではない…この上なく面倒なことは避けたいので無難に返す。



あの人は地元の友達(^ω^)



我ながら間違ってはいない説明である。
抽象的なのは認めるが、嘘を付いている訳でもない。


ああそう言えばあと少しすれば大学の文化祭がある。
澪はとても来たがっていた。

工業系なんて、女の子が来て楽しいかどうかわからないよ?男ばっかだし…
華やかなイメージの文化祭とはかけ離れていると思うけど。と言う僕に、


「それじゃあ張り切ってナンパされに行こうかな。私のこと地元妻って紹介してよ?」


と、殊勝なことを言ってのけた。
全く先が思いやられるというか、翌日からの僕の立場とかなんとかいうものは澪にとってはなんら懸念すべき事項ではないらしい。

連絡先を教えてもらったら全部あなたにあげるね!などと、
それは実際誰得なのかも定かではない。




僕は少し違うけれど、澪のガワと甘い態度に翻弄される世の男で被害者の会が立ち上がってもおかしくはないのではないか。

僕は翻弄されてはいない…いない、多分。




お前、いつか刺されるぞ!


僕がそう嗜めたところで、


それよく言われるのよ!でもあなたが守ってくれるんでしょう?

と悪びれる様子もなく肩に頭をすり寄せてくる。全く天性で身も蓋もない女だ。
しおりを挟む

処理中です...