君という生き物

ぬ子

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奔放な飼い猫

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澪は僕の他にも愛情を注ぐものがある。
例えば歳上の彼氏。

活動的で自由な彼女は、SNSでよく彼氏のことをつぶやいている。今日は○○に行ってきましたー(??ω??)とか、おそろいの○○を買ったよ!など、清々しいほどにごく普通に、僕にも見えていることを全く意に介していないかのように呟いている、
なんというか澪はいい意味でも悪い意味でも奔放だ。

2人でいる時はあまり彼氏の話をしないようにしているのか、そこら辺はわからないけれど。

2人の写真を見てしまう度に、ものすごく言い表せない気持ちにはなる。
僕は澪のなんなんだろうか、とまでは思わないけれど、本当に少しだけ、一瞬だけ思考が停止する。
その気持ちの正体はまだわからない。

ただ強がりじゃなく、僕も澪にぞっこんという訳でもない。
疲れた時にゴロゴロ鳴っている猫のように甘えられると癒されるし、自分でも理由もなく会いたいと言ってしまうことはあるけれど、恋愛感情として澪を欲しているかと聞かれれば答えはNoだ。



だからといってこの間、お姉さんに本気になっちゃだめよー?と茶化す澪に、恋愛感情はないし正直元カノにも少しだけ未練がある。
と答えたのは言い過ぎたと反省している。

なんでも明け透けなく(澪は本当に中身がオヤジで、好きなAV女優の話をしてくる事もある馬鹿だ。)話せる関係でも、やはりそういった類のことは正直になりすぎてはいけなかった。
彼女とこういう関係になるまで、仲間うちではどちらかといえば僕はツッコミをするようなタイプだから、急に女として接するようになっても、照れや素直、本音と甘えその他のさじ加減がまだわからない。本気で。


気丈に振舞っていても、基本は寂しがりやなんだと思う。でなきゃ、金銭をたかられるでも足にされるでもないならば、いい大人が学生と夜な夜な逢瀬を重ねるだろうか。

疑問は尽きなくても、一介の二十歳の想像に値する範囲なんて狭いものだ。


女性の気持ちなんて男は一生かかってもわからんよ、なんて誰の言葉だったかな。
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