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第一章 原作前
第7話 決意
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「ぷひゅー。ぷひゅー。ぷひゅー。ぷひゅー。」
「ふひゅー。気はすんだか? ふひゅー。そろそろ行かねば食事に間に合わなくなるぞ。ふひゅー」
「ぷひゅー。ぷひゅー。あ、兄上、ぷひゅー。そう、ぷひゅー。ですね。ぷひゅー。今日のところはこれで。ぷひゅー。では行きましょう。ぷひゅー」
止まった……か。くそ、なに、もやり返せ、なかった。情、けない。
重い足音が少しずつ離れていってる。それを聞いてほっとしてる自分が情けなさすぎる。それに身体中が痛い、背中は特に……って自分のことだけかよ!
リズを守ると言ったばかりでなにを考えてんだよ! 自分のことよりまず考えることがあるだろ!
「リズ。ごめん。怖い思いさせてしまった。大丈夫か? 怪我とか痛いところはない?」
胸に顔をうずめたまま震えるリズ。ああ……こんなに怯えさせてしまっていたのか、俺が不甲斐ないせいで。
腕を上げるだけでもめちゃくちゃ痛い――けど!
「もうアイツらは離れていったから大丈夫だよ。もう怖がらなくてもいいからね」
生活魔法で、俺とリズの血だらけになっていた身体と服をキレイにしてから、そっと頭を撫でた。
リズが泣き止み、落ち着くのを待ってから何度も殴打された頭や背中を見てもらってるんだが、様子がおかしい。
何度も首をかしげなから、触ったりつついたり、摘まんだりしている。ちょっとくすぐったい。
そう。くすぐったいのだ。痛みが来るのではなくて。
「ドライの背中……怪我が無くなってますわ」
「マジ、か……、あんなに痛くて、気を失いそうだったのに」
いや、痛みで気を失うこともできなった方が可能性としては高いのかもしれない。
それに堺○人さんの半○直樹の役を演じていた気がする。
なんなら心の中で――
『やられたら、やり返す。倍返しだ!』
――と、あの有名な名言を叫んでたはずだ。
「でも途中から急激に痛みがマシになったから、物理耐性が上がったとは思っていたけど……」
「一度ステータスの確かめてみるとよろしいのではなくて? もしかすると、有名なスキル、自己回復や痛覚耐性のスキルを覚えているかもしれませんわね。ドライの場合ですと自己回復だと思いますわ」
「自己回復か、そうだよな、あれだけ叩かれたのに、怪我ひとつ無いとか、回復してなきゃおかしいもんな」
そんなことを言いながら心の中では大騒ぎだ。回復だぞ? 魔法だよな? MPも確かあったし!
それに固有の【超越者】は――
『あらゆる才能があり、あらゆるスキルを取得することができる』
――だ。魔法がある世界設定なんだから、当然魔法も覚えられるに違いない。これは期待特大だぞ!
ステータス!
名前 ドライ・フォン・クリーク Lv3
年齢 10歳
性別 ♂
技能
・固有 超越者
・通常 鑑定 剣術 生活魔法 自己再生New
・耐性 毒耐性(小) 物理耐性(中)UP 魔法耐性(小)
HP 6/9
MP 3/9
称号 クリーク辺境伯家三男
転生者
「自己再生? リズ、自己再生ってスキルを覚えていたよ。再生か、回復と似てるし、これが怪我を治したんだろうな」
おっ、こっちは予想通り物理耐性が(小)から(中)に上がってる。
……あれ? 返事がないぞ?
ステータスから視線をリズに戻すと、またパクパクとお魚状態になっている。
飼われている池の鯉なんかでやったことあるんだけど、こういうのって、指とかつっこみたくなるんだよな。
無意識に人差し指をリズの口に持っていきかけて――いやいや駄目だろ!
なんとか思いとどまり、上げかけた手を目の前でヒラヒラと振って誤魔化した。
「ドライ。凄いですわ。素晴らしいのですわよ。自己再生は遥か昔に魔王をお倒しになった、『異世界から召還された勇者』様だけがお持ちだったスキルですのよ……ドライ、私の勇者しゃま」
「異世界から召還された?」
俺のことを勇者様とか言ってるけど違うからね? 俺は転生者だし、多少は恩恵を受けてるのだろうか?
「そうですわ。魔王をお倒しになったあと、元の世界にお戻りになられた、『ユート・ミカミ』様。ほぼすべての者が知る、黒髪黒目の勇者物語を見聞き……したことはありませんのね」
「う、うん。知らなかったよ」
ユウトミカミ、ミカミユウト? もしかして御神勇斗? まさか……。
一瞬浮かんだ考えは、ありえないと考えるのを止めた。
「じゃあ、その勇者様が、持ってたスキルってことか?」
「そうですわ。どんなに傷ついても立ち上がり、虐げられていた民を助け、裏切りにも合いますが、それも乗りきり、信じられる仲間と共に魔王を打ち倒すのですわ~、勇者ドライ様~」
そう言って、俺を見つめながらぽ~っと頬を染めている。
いや、勇者とか魔王討伐とか大それたこともやれないし、やらないからね? ちょっとやり返したりするけど、倍返し程度だからね?
その後は修行に戻ったんだけど、リズはずっと腕に絡み付いていたので生活魔法の修行をした。
使ってはMPの回復を待ちながらだ。それに生活魔法だったんだよ? なのに終わってみれば――
俺は、火属性魔法、水属性魔法、時空魔法を覚えていた。うん。覚えていたんだ。
おそらく、生活魔法の『ファイア』が『火属性』、『ウォーター』が『水属性』、『ストレージ』が『時空』に化けたんだと思う。
うん。超越者。チートだわ。
「ふひゅー。気はすんだか? ふひゅー。そろそろ行かねば食事に間に合わなくなるぞ。ふひゅー」
「ぷひゅー。ぷひゅー。あ、兄上、ぷひゅー。そう、ぷひゅー。ですね。ぷひゅー。今日のところはこれで。ぷひゅー。では行きましょう。ぷひゅー」
止まった……か。くそ、なに、もやり返せ、なかった。情、けない。
重い足音が少しずつ離れていってる。それを聞いてほっとしてる自分が情けなさすぎる。それに身体中が痛い、背中は特に……って自分のことだけかよ!
リズを守ると言ったばかりでなにを考えてんだよ! 自分のことよりまず考えることがあるだろ!
「リズ。ごめん。怖い思いさせてしまった。大丈夫か? 怪我とか痛いところはない?」
胸に顔をうずめたまま震えるリズ。ああ……こんなに怯えさせてしまっていたのか、俺が不甲斐ないせいで。
腕を上げるだけでもめちゃくちゃ痛い――けど!
「もうアイツらは離れていったから大丈夫だよ。もう怖がらなくてもいいからね」
生活魔法で、俺とリズの血だらけになっていた身体と服をキレイにしてから、そっと頭を撫でた。
リズが泣き止み、落ち着くのを待ってから何度も殴打された頭や背中を見てもらってるんだが、様子がおかしい。
何度も首をかしげなから、触ったりつついたり、摘まんだりしている。ちょっとくすぐったい。
そう。くすぐったいのだ。痛みが来るのではなくて。
「ドライの背中……怪我が無くなってますわ」
「マジ、か……、あんなに痛くて、気を失いそうだったのに」
いや、痛みで気を失うこともできなった方が可能性としては高いのかもしれない。
それに堺○人さんの半○直樹の役を演じていた気がする。
なんなら心の中で――
『やられたら、やり返す。倍返しだ!』
――と、あの有名な名言を叫んでたはずだ。
「でも途中から急激に痛みがマシになったから、物理耐性が上がったとは思っていたけど……」
「一度ステータスの確かめてみるとよろしいのではなくて? もしかすると、有名なスキル、自己回復や痛覚耐性のスキルを覚えているかもしれませんわね。ドライの場合ですと自己回復だと思いますわ」
「自己回復か、そうだよな、あれだけ叩かれたのに、怪我ひとつ無いとか、回復してなきゃおかしいもんな」
そんなことを言いながら心の中では大騒ぎだ。回復だぞ? 魔法だよな? MPも確かあったし!
それに固有の【超越者】は――
『あらゆる才能があり、あらゆるスキルを取得することができる』
――だ。魔法がある世界設定なんだから、当然魔法も覚えられるに違いない。これは期待特大だぞ!
ステータス!
名前 ドライ・フォン・クリーク Lv3
年齢 10歳
性別 ♂
技能
・固有 超越者
・通常 鑑定 剣術 生活魔法 自己再生New
・耐性 毒耐性(小) 物理耐性(中)UP 魔法耐性(小)
HP 6/9
MP 3/9
称号 クリーク辺境伯家三男
転生者
「自己再生? リズ、自己再生ってスキルを覚えていたよ。再生か、回復と似てるし、これが怪我を治したんだろうな」
おっ、こっちは予想通り物理耐性が(小)から(中)に上がってる。
……あれ? 返事がないぞ?
ステータスから視線をリズに戻すと、またパクパクとお魚状態になっている。
飼われている池の鯉なんかでやったことあるんだけど、こういうのって、指とかつっこみたくなるんだよな。
無意識に人差し指をリズの口に持っていきかけて――いやいや駄目だろ!
なんとか思いとどまり、上げかけた手を目の前でヒラヒラと振って誤魔化した。
「ドライ。凄いですわ。素晴らしいのですわよ。自己再生は遥か昔に魔王をお倒しになった、『異世界から召還された勇者』様だけがお持ちだったスキルですのよ……ドライ、私の勇者しゃま」
「異世界から召還された?」
俺のことを勇者様とか言ってるけど違うからね? 俺は転生者だし、多少は恩恵を受けてるのだろうか?
「そうですわ。魔王をお倒しになったあと、元の世界にお戻りになられた、『ユート・ミカミ』様。ほぼすべての者が知る、黒髪黒目の勇者物語を見聞き……したことはありませんのね」
「う、うん。知らなかったよ」
ユウトミカミ、ミカミユウト? もしかして御神勇斗? まさか……。
一瞬浮かんだ考えは、ありえないと考えるのを止めた。
「じゃあ、その勇者様が、持ってたスキルってことか?」
「そうですわ。どんなに傷ついても立ち上がり、虐げられていた民を助け、裏切りにも合いますが、それも乗りきり、信じられる仲間と共に魔王を打ち倒すのですわ~、勇者ドライ様~」
そう言って、俺を見つめながらぽ~っと頬を染めている。
いや、勇者とか魔王討伐とか大それたこともやれないし、やらないからね? ちょっとやり返したりするけど、倍返し程度だからね?
その後は修行に戻ったんだけど、リズはずっと腕に絡み付いていたので生活魔法の修行をした。
使ってはMPの回復を待ちながらだ。それに生活魔法だったんだよ? なのに終わってみれば――
俺は、火属性魔法、水属性魔法、時空魔法を覚えていた。うん。覚えていたんだ。
おそらく、生活魔法の『ファイア』が『火属性』、『ウォーター』が『水属性』、『ストレージ』が『時空』に化けたんだと思う。
うん。超越者。チートだわ。
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