【死に役転生】悪役貴族の冤罪処刑エンドは嫌なので、ストーリーが始まる前に鍛えまくったら、やりすぎたようです。

いな@

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第一章 原作前

第26話 使用人たち

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 イスが『私の切り株が!』と、念話で叫んでいたけど、ミラさんを除く四人は切り株を椅子代わりに座らせてもらった。

 話すことは聖魔法、浄化のこと。そして聖魔法を持っていることによって、教会が俺たちを取り込もうとするだろう予想を一から話した。

「ふむ。教会が絡んでくる、か。その通りであろうな。ならば私は口外しないと誓おう。ミラもそれで良いな?」

「はい。ドライ様、エリザベス様のことはツヴァイ様のお考え通り口外いたしません」

「うむ。兄上、ここはドライの希望通り黙っておくのが良いと思うのだが、兄上はどうであるか?」

「そうですね。僕も口外しないことに賛成です。誓わせてもらいますよドライ、エリザベス嬢」

「ありがとうございます」

「よろしくお願いいたしますわ」

 トントン拍子に三人はイスの予想通り口外しないと約束してくれた。

「それから気になったんだけどさ、洗脳についてもこの後クリーク城を見て回ろうよ」

「それは私も考えておったのだ兄上。確実に他の犠牲者はいるであろうからな」

 当然洗脳されているのがこの二人だけなわけない。仮に父親が犯人だとすれば、側近の者は洗脳していると思う。

「アイン様。ツヴァイ様。でしたら使用人の屋敷から回るのがよろしいかと。この時間でしたら夜間当番のものたちがまだ起きておりますので」

 それも確認しなきゃ。自爆しないで食べ物に毒を仕込めるのは料理を作る人と運ぶ人だもんな。

「そうだね。だったら早速やっちゃおう。クリーク家の存亡の危機だから早い方がいいと思います」

 存亡の危機、か。父親が黒幕なら、いくら辺境伯という身分でも極刑は免れないだろうし。最悪取り潰しの可能性もある。

 現状ファラから聞いた罪だけだとするなら、もしかするとギリギリ父親だけ、厳重注意と罰金程度で済むかもしれないもんな。

 それになぜか外交はまともにやってるみたいだし、これ以上の悪さをする前に片付けてしまいたい。

 クリーク家の悪いところはすべて絞り出して善良な辺境伯家にしなきゃ駄目だ。俺の処刑を無くすなら確実にやっておかないとな。





 うん。辺境伯家、甘く見てたわ……。

「使用人お屋敷に今いる方はこれで全員ですか? ……こんなにいたんだ、お、多いですね」

 ホールに集まってもらった約百数人。昼間と夜に分かれているから実際には倍以上の人数がいることになる。使用人だけでだ。

 クリーク家は辺境の治安を護り、他国からの侵略を食い止める役割がある。

 そんな辺境伯家だ。当然自前の軍隊、騎士に魔法兵士に一般兵もいるから大変だぞこれは……でもやるしかないな。

 隣のリズから念話で――

『これでドライに毒を盛った、生きることも許せない大罪人どもを見つけ出せるのですわね……ドライ。当然ヤってしまってもよろしいのですわよね?』

『ヤるってなにをするつもりなの! 浄化! 浄化して洗脳を解くんだからね! ほ、ほら、柄から手を離して! お、俺と手を繋いでいようね!』

 ――物騒なことを言ってきたので、柄に伸ばしていた右手を掴んでおいた。

 リズの俺への愛が凄く重くなってる気がするんだけど……いや、今はそんなことよりこっちを片付けてしまおう。

 準備はいいですよと言うと、ミラさんが手前にいる料理人と紹介された者たちを、十人ずつ連れてくる。

 それを僕が鑑定して、その中に洗脳された方がいたら、俺とリズが順番に浄化していく。

 浄化した方には残ってもらい、他の洗脳されていなかった方たちには仕事に戻ってもらう。

 やっぱりいたね。さてさて二列目は……三人いるじゃん。サクサク浄化だ。

「……ドライ。魔力は大丈夫であるか?」

「……はい。それはまとめてやったのでいいのですが……いっぱいいましたね」

 最後の列の者の鑑定と浄化を終えた時、五十八人が洗脳されていたことがわかった。

 面白いことに後半、後ろに並んでいた人たちはほぼ洗脳されていた……アイン兄さんもツヴァイ兄さんもあきれていたくらいだ。

 途中、鑑定が終わったものに混ざって出ていこうとしたものもいたけど、当然逃すわけもない。しっかり浄化させてもらいました

 内訳が料理人の男性が十四人とメイドの女性が三十二人、雑用の男性が十二人か……ん?。

 うわ、……めちゃくちゃ青ざめてる。出ていく人たちを見ながらホールに残されていく時から青ざめていたんだけどね。

 自分たちがどうなっていて、何をやっていたかを覚えてるんだろうな。ツヴァイ兄さんもやってきたことを覚えていたしね。

「あ、あの、私どもはどうなるのでしょうか……」

 その中の一人、料理担当の方がガタガタ震えながら聞いてきた。

「うむ。兄上はどうするのが良いとお思いですか?」

「そうだね。今回は決定的なことにはなっていませんから、罰は無しとしましょう」

 たぶん、甘いんだろうと思うけど、今はそれしかないと思う。

「ほ、本当ですか!」

「はい。ですがあなた方には仕事を与えます。記憶が残っているのですから、洗脳されていそうな方のことをわかりますよね?」
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