【死に役転生】悪役貴族の冤罪処刑エンドは嫌なので、ストーリーが始まる前に鍛えまくったら、やりすぎたようです。

いな@

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第一章 原作前

第43話 浄化ポーション作成ミッション

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「ドライくん。リズから話を聞きました。ここにその事を口外するものはおりませんので安心してね」

 しっかりと背筋を伸ばし、ベッドの端に座ったエマさんが柔らかい笑顔をこぼす。

 その隣に座るリズと傍らで見守るアンさんの様子で直感的に思う。本当に仲がいいんだな。それは本当の家族を超えた信頼感さえ感じるほどに。

 俺にちゃんと説明できるだろうか……ううん。将来の家族になってほしい方たちなんだ。しっかりと伝えなきゃな。

「はい。お聞きになったとおもいますが……それで……できれば五年後、俺とリズが学園に行く歳になるまでこのクリークにいてもらいたいのです」

「ええ。リズがそんな力に目覚めたなんて驚きですが、その考えには私も賛成です」

「ありがとうございます!  スキルを持っていると、世間に知られれば当然のように教会が保護という名目で連れていかれてしまいます。リズも、俺も」

「「え?」」

「あ、ドライのことは言ってなかったですわ。ドライも私と同じように聖魔法を使えますのよ」

「「ええええー!」」

 エマさんとアンさんはハモるように驚いた。その仕草もそっくりだ。それだけ長く一緒にいたってことだよな。

「そう言うことなので、さっきも言った通り、計画的には五年後にエマさんが治ったことにして、それまではこのクリークで過ごしてもらえないかなと思っています」

「五年後と言えば成人する十五歳、それなら教会も保護するという理由は使えなくなりますからね」

「はい。そもそも保護って言われても、俺たちは貴族の子ですから、その理由は通用しないことが多いとは思いますが……」

「そうね、通常でしたらそうでしょう。ですがイルミンスール伯爵家での私もですがリズへの当たり方を思うと……連れていかれ、会えなくなる可能性はありますね」

 ふぅ、と長い息を吐いてリズの頭を撫でながら――

「わかりました。熱病は治っていないことにします。それがリズとドライくんのためになるなら迷うことはありませんわね」

 ――と、快諾してくれた。

「ありがとうございます! やったなリズ!」

「はいですわ! お母様ありがとう、これでお母様ともドライとも離れずにすみますわ!」

 勢いよくベッドから立ち上がり、飛びついてきたリズを抱き止めた。

「ドライ」

「リズ。これからもよろしくね」

「もちろんですわドライ、ずっと離れませんわよ、んちゅ――」

「――っ!」

 不意打ちでキスしてきたリズ。親の前でこれは……。

「あらあらうふふ」

「まあ、お嬢様」

 ……好意的な笑顔が向けられている……良かった、怒られることはなさそうだ。

 その後、将来的に奥さんになって欲しいことと、隣国グリフィン王国の第八王女のファラが側室候補になりそうなことを話すと凄く驚いていた。

「そのような話になってましたのね……」

「ですが奥様、第八王女様のお母様は帝国の皇女であった方です。その事を考えますと、イルミンスール伯爵家での扱いが変わると思います。それも良い方へ劇的に」

「うふふ。そうね、いっぱい虐められましたから、ちょっとくらいは仕返しができますね。うふふ」

「その通りでございます。ふふふ」






 と、少し怖い気もしたけど、元気になったエマさんと一緒に四人でお昼ごはんを食べた後、一度城へ戻ることにした。

 熱病のことを調べてもらうためだ。メイドをつかまえ、ツヴァイ兄さんがいるところに案内してもらう。

 父さんとアイン兄さんはそれどころじゃないと思うしね。

『入るがよい』

 ツヴァイ兄さんの部屋に案内され、中に入ると、ミラさんがお茶の用意をしていた。三人分。

 あれ? 先ぶれしてないのに俺たちが来ること知ってたの?

 いや、ミラさんだし、そんなの無くても俺たちが来たことを察知できるスキルかなにか持っていてもおかしくない……かもしれない。

 今度教えてもらおう。ダンジョンで不意打ちを受けなくて済むだろうし、パーティーメンバーで一人は欲しいスキルだもんな。

 おっと、今はそれじゃない。なにやら忙しそうに書類を整理してるツヴァイ兄さんが目的だ。

「失礼します」

「うむ。ドライにエリザベス嬢。なにかあったのであるか?」

「忙しそうですね……その――」

 話しかけてもチラチラと書類に目を落とすツヴァイ兄さん。凄く言いにくいけどこれは俺じゃできないことだから、頑張ってもらおう。

 今日朝からのことを話して、まだどうなっているかはわからないけどと熱病のことについて話していく。

「熱病、であるか。そういえば――」

「使用人に一人、高熱のため休んでいるものがおります」

「そうであったな。ふむ、ドライよ、その浄化ポーションはすぐに作れるのであるか?」

「はい。水を量る道具を買わないと駄目ですが、薬草は森に行けばすぐに見つかるはずなので」

「今、城にあるものは何本あるかはわからんが、それも使うがよい、ミラよ、ドライの言った道具をすぐに買いに走らせるのだ」

「はい。薬草も取りに行かせましょう。少しお時間がかかりますので、その間、お茶を飲み、お待ちくださいませ」

「ありが――とう? もういないや……は、はは」

「……ミラさんには逆らいませんわ」

「……私も逆らわんのだ。ふむ。せっかく用意をしてくれたのだ、しばし休憩を挟もう」

 お茶の用意されたテーブルにつき、一緒に出されていたクッキーを噛りながらお茶を一口飲んだ時――

「お待たせいたしました。こちらが計量カップでこちらが薬草でございます。なお、薬草については手の空いている使用人と冒険者ギルドに採取依頼を出しておきました」

「「早いよ!早いですわ!」」
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