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第二章 原作開始
第77話 勇者の取り扱いは……
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キャルに事のあらましが説明され、正式に婚約も取り交わされることになりました。
「あの、ふつつか者ですがよろしくお願いします?」
まだ王女だったという真実が馴染んで無いのか、首を傾げている。
「えっと、キャルはそれでいいの?」
というか、原作で勇者と魔王討伐に向かうパーティーメンバーが全員、正式に俺の婚約者になったってこと、か……。
討伐後、アンジーを正妻、リズとキャルを側室にして王に成り上がるストーリーだったのになぁ……。
「はい。私はアーシュのヤツにボロボロにされてもう結婚は無理だと諦めていました……」
まだミレニアム女王に抱き抱えられているキャルは、俺とリズを交互に見て深く頭を下げた。
「でも、ドライ様とリズ様にこうして傷ひとつ無い身体に治してもらえて、本当に嬉しかった。また夢を見れるんだって……だから! あの不束者ですが、えっと、よろしくお願いします。なのと、その、ありがとうございます」
「どういてしましてですわ。これからは同じドライの婚約者同士、仲良くいたしましょうね」
「どういたしまして。キャル、これからよろしくね」
「はい!」
「キャロラインのこと、よろしくお願いいたしますね。ですがこれで懸念していたことは回避できたでしょう」
ミレニアム女王が懸念していた真相は、キャルが生きていたとわかれば、求婚者が押し寄せてくるということだ。
キャルも妹が二人いるそうだが、まだまだ幼く、そう言った話はまだ先だったそうだけど、それでも何人かの求婚者がおり、保留中だったとのこと。
そうか、未来の女王候補のお婿さんだ。婿に出した家は王族と親戚関係になるんだもんな。
それで行方不明だからキャルの妹たちを旗頭に現状、派閥争いが上手く拮抗しているそうだ。
そう、良い方向で機能していたところに、長女であるキャルが見つかったらどうなるか……。
「カサブランカ王からの書状で『見つかったかもしれない』とその場にいた上層部のものたちでさえ、大慌てでしたから。それに」
ミレニアム女王はキャルから離れ、ソファー立ち上がると、俺とリズの前までやってきた。
なんだ?
「ドライ、エリザベス――」
ソファーに座っていたから二人で慌てて立ち上がると、逆にミレニアム女王が俺たちの前で跪いた。
「え? あの、ミレニアム女王陛下、何を!」
リズも同じことを考えたのか、跪いたミレニアム女王に立ってもらおうと手をさしのべた。
その手をスッと優しく取られ、見上げるその目には今にも決壊しそうなほど涙が溢れている。
「私の大切なキャロラインを助けてくれたこと、心より感謝いたします。本当にありがとう」
そうか、女王であると同時に母親でもあるんだ。場を鑑みずにこんな行動が取れるなんてすごいことだ。
……通常なら考えら、れ? あれ? カサブランカ王もグリフィン王もやりそうだ、よね?
いや、できるからこそ良い王なのかもしれないな。
「いえ。俺たちはただ治してあげたかったから治しただけですから」
「そうですわミレニアム女王陛下。お立ちになってくださいませ」
俺とリズはミレニアム女王の手を引き立ってもらう。
「ありがとうございます。それにファラフェル王女、アンジェラ王女もキャロラインのことよろしくお願いいたします」
「当然です。もうわたくしたちお友達だもの。お任せください」
「そうだ。キャルは俺の、俺たちの友達だからな。よろしくするのが当たり前だ。任せるのだ」
「ふふ。ありがとう」
「話はまとまったようだな。そこでだミレニアム女王よ。キャロラインに怪我を負わせたもののことは聞きたくないか?」
カサブランカ王が俺たちが話したい件に向かうよう、上手く話題を変えてくれた。
「当然ですわ。そのようなものは、生きていることを後悔させてあげませんといけませんので、是非ともお聞かせくださいませ」
友達のくだりでにこやかになっていた部屋の雰囲気が緊張感のある空気に変わった。
「先ほどから出ていたアーシュとやらのことですよね?」
「その通りだ。なはアーシュ・フォン・ロホ。ロホ男爵の養子となった元孤児であり、教会認定の勇者だ」
「勇者、ですか。どこかで聞いた名とは思っていましたが……ではわたくしはそのものを罰してもよろしいのですよね」
部屋の温度が数度下がった気がする。今、この流れで捕まえてきたアーシュのことを言えば、地下牢に飛んでいくだろうな。
だけど言うならこのタイミングだろう。
「あの、そのアーシュのことですが――」
入学式後の王都での出来事をはじめから、教会の司教が去る所も含めて、王城に到着するまでのことをみんなに説明した。
「ほう。ではクズ勇者は今この城にいると言うのですね?」
ミレニアム女王は目に見えるレベルで魔力を練り始めている。すぐにでも地下牢に向かいたそうだ。
でも凄いな。レベルはそこまで高くないけど、魔力はとんでもない量だ。流石キャルのお母さん、といったところか。
「はい。司教の言うとおり、教会へ身柄を渡せばおそらくすぐに無罪放免のように出歩くでしょう」
「うむ。衛兵からの報告書にもそのように書かれていた。近々衛兵の詰所に兵の派遣をするつもりであったと……」
「はい。今後も同じような罪を犯すと確信したので、ここの牢ならその心配も無いのかなって」
「良くやったドライ。ならば来る魔王の復活までは地下牢に放り込んでおけば良かろう」
「カサブランカ王。生ぬるいです。わたくしは奴隷の魔道具で管理することをおすすめします」
いいかもしれない。奴隷にした上で、牢に放り込んでおけば誰にも迷惑はかからない――
コンコンコン
「何だ」
『はっ、門番からの報告で、モラークス枢機卿が登城してくるそうです。即時謁見をとのことです』
枢機卿? 教会のお偉いさんだよな。おおかたアーシュを引き渡せと言いに来るんだろうが……。
いくら枢機卿が教国で凄い権威を持っていてもほぼ間違いなく引き渡しは無理だよな。
「わかった。……そうだな、一番ボロい待ち合いに通し、気が向いたら会ってやると言っておけ。茶も何も出さなくて良い。案内のものにそう伝えておけ」
『はっ。ではそのように』
悪戯好きの王様だが、その対応は全面的に支持します。
この部屋にいるものは王への好感度が上がったと思いますよ。
「一言文句を言ってやりたかった者が向こうから来てくれるようだ。どうだ、皆も会ってみないか?」
ニヤリと悪者顔をするカサブランカ王に俺たちは当然――
「「「「是非とも」」」」
「あの、ふつつか者ですがよろしくお願いします?」
まだ王女だったという真実が馴染んで無いのか、首を傾げている。
「えっと、キャルはそれでいいの?」
というか、原作で勇者と魔王討伐に向かうパーティーメンバーが全員、正式に俺の婚約者になったってこと、か……。
討伐後、アンジーを正妻、リズとキャルを側室にして王に成り上がるストーリーだったのになぁ……。
「はい。私はアーシュのヤツにボロボロにされてもう結婚は無理だと諦めていました……」
まだミレニアム女王に抱き抱えられているキャルは、俺とリズを交互に見て深く頭を下げた。
「でも、ドライ様とリズ様にこうして傷ひとつ無い身体に治してもらえて、本当に嬉しかった。また夢を見れるんだって……だから! あの不束者ですが、えっと、よろしくお願いします。なのと、その、ありがとうございます」
「どういてしましてですわ。これからは同じドライの婚約者同士、仲良くいたしましょうね」
「どういたしまして。キャル、これからよろしくね」
「はい!」
「キャロラインのこと、よろしくお願いいたしますね。ですがこれで懸念していたことは回避できたでしょう」
ミレニアム女王が懸念していた真相は、キャルが生きていたとわかれば、求婚者が押し寄せてくるということだ。
キャルも妹が二人いるそうだが、まだまだ幼く、そう言った話はまだ先だったそうだけど、それでも何人かの求婚者がおり、保留中だったとのこと。
そうか、未来の女王候補のお婿さんだ。婿に出した家は王族と親戚関係になるんだもんな。
それで行方不明だからキャルの妹たちを旗頭に現状、派閥争いが上手く拮抗しているそうだ。
そう、良い方向で機能していたところに、長女であるキャルが見つかったらどうなるか……。
「カサブランカ王からの書状で『見つかったかもしれない』とその場にいた上層部のものたちでさえ、大慌てでしたから。それに」
ミレニアム女王はキャルから離れ、ソファー立ち上がると、俺とリズの前までやってきた。
なんだ?
「ドライ、エリザベス――」
ソファーに座っていたから二人で慌てて立ち上がると、逆にミレニアム女王が俺たちの前で跪いた。
「え? あの、ミレニアム女王陛下、何を!」
リズも同じことを考えたのか、跪いたミレニアム女王に立ってもらおうと手をさしのべた。
その手をスッと優しく取られ、見上げるその目には今にも決壊しそうなほど涙が溢れている。
「私の大切なキャロラインを助けてくれたこと、心より感謝いたします。本当にありがとう」
そうか、女王であると同時に母親でもあるんだ。場を鑑みずにこんな行動が取れるなんてすごいことだ。
……通常なら考えら、れ? あれ? カサブランカ王もグリフィン王もやりそうだ、よね?
いや、できるからこそ良い王なのかもしれないな。
「いえ。俺たちはただ治してあげたかったから治しただけですから」
「そうですわミレニアム女王陛下。お立ちになってくださいませ」
俺とリズはミレニアム女王の手を引き立ってもらう。
「ありがとうございます。それにファラフェル王女、アンジェラ王女もキャロラインのことよろしくお願いいたします」
「当然です。もうわたくしたちお友達だもの。お任せください」
「そうだ。キャルは俺の、俺たちの友達だからな。よろしくするのが当たり前だ。任せるのだ」
「ふふ。ありがとう」
「話はまとまったようだな。そこでだミレニアム女王よ。キャロラインに怪我を負わせたもののことは聞きたくないか?」
カサブランカ王が俺たちが話したい件に向かうよう、上手く話題を変えてくれた。
「当然ですわ。そのようなものは、生きていることを後悔させてあげませんといけませんので、是非ともお聞かせくださいませ」
友達のくだりでにこやかになっていた部屋の雰囲気が緊張感のある空気に変わった。
「先ほどから出ていたアーシュとやらのことですよね?」
「その通りだ。なはアーシュ・フォン・ロホ。ロホ男爵の養子となった元孤児であり、教会認定の勇者だ」
「勇者、ですか。どこかで聞いた名とは思っていましたが……ではわたくしはそのものを罰してもよろしいのですよね」
部屋の温度が数度下がった気がする。今、この流れで捕まえてきたアーシュのことを言えば、地下牢に飛んでいくだろうな。
だけど言うならこのタイミングだろう。
「あの、そのアーシュのことですが――」
入学式後の王都での出来事をはじめから、教会の司教が去る所も含めて、王城に到着するまでのことをみんなに説明した。
「ほう。ではクズ勇者は今この城にいると言うのですね?」
ミレニアム女王は目に見えるレベルで魔力を練り始めている。すぐにでも地下牢に向かいたそうだ。
でも凄いな。レベルはそこまで高くないけど、魔力はとんでもない量だ。流石キャルのお母さん、といったところか。
「はい。司教の言うとおり、教会へ身柄を渡せばおそらくすぐに無罪放免のように出歩くでしょう」
「うむ。衛兵からの報告書にもそのように書かれていた。近々衛兵の詰所に兵の派遣をするつもりであったと……」
「はい。今後も同じような罪を犯すと確信したので、ここの牢ならその心配も無いのかなって」
「良くやったドライ。ならば来る魔王の復活までは地下牢に放り込んでおけば良かろう」
「カサブランカ王。生ぬるいです。わたくしは奴隷の魔道具で管理することをおすすめします」
いいかもしれない。奴隷にした上で、牢に放り込んでおけば誰にも迷惑はかからない――
コンコンコン
「何だ」
『はっ、門番からの報告で、モラークス枢機卿が登城してくるそうです。即時謁見をとのことです』
枢機卿? 教会のお偉いさんだよな。おおかたアーシュを引き渡せと言いに来るんだろうが……。
いくら枢機卿が教国で凄い権威を持っていてもほぼ間違いなく引き渡しは無理だよな。
「わかった。……そうだな、一番ボロい待ち合いに通し、気が向いたら会ってやると言っておけ。茶も何も出さなくて良い。案内のものにそう伝えておけ」
『はっ。ではそのように』
悪戯好きの王様だが、その対応は全面的に支持します。
この部屋にいるものは王への好感度が上がったと思いますよ。
「一言文句を言ってやりたかった者が向こうから来てくれるようだ。どうだ、皆も会ってみないか?」
ニヤリと悪者顔をするカサブランカ王に俺たちは当然――
「「「「是非とも」」」」
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