【死に役転生】悪役貴族の冤罪処刑エンドは嫌なので、ストーリーが始まる前に鍛えまくったら、やりすぎたようです。

いな@

文字の大きさ
133 / 139
第三章 原作崩壊

第127話 反転したら

しおりを挟む
『今度はキサマか!』

 やっぱり念話か。あの裸で出てきた身体は見た目だけで、この黒い霧が本体と見ていいだろうな。

 この感じだと、負の感情の寄せ集めにしか感じない。邪神だろ? なんでここまで驚異を感じないんだ?

 そもそもインフィニティスライムとはいえ、イスに捕まるとか、弱……いや、イスとか俺たちが強くなりすぎただけかもしれないけど……

 んーっと、今はそれより、暴風の膜の外は真っ黒でなにも見えないんだよな。

 ……あ、そうだ。コレに聖魔法の浄化を足してみたらいけそうな気がする。

 何だかんだで聖魔法の浄化ってチートだもんな。

 熱病の時のアザゼル像にかかった呪いも、毒もそうだし、洗脳だって解除できた。

 だったら負の感情の寄せ集めみたいな、アザゼルの黒い霧だってなんとかできそうだよね……。

 即死の権能が駄々漏れだから、それも押さえ込めると思うし……。

 なら……思い切り浄化を足してみよう。浄化ならイスも使える。

 よく考えたら使える方がおかしいんだけど……インフィニティだもんな。いいことにしよう。

 ということで、浄化を始めちゃいますか!

『イスの言葉をかりて、くらいやがれ!』

 黒い霧を寄せ付けないようにしていた暴風の壁へ浄化を乗せていく。

『くっ! 勇者の魔法を使えるだけでも驚きだが、さらに聖女の魔法まで使えるとは! キサマは何者だ!』

 おお、いい感じだぞ!

 暴風に巻かれた黒い霧が灰色になり、白くなって行く。

 ……うん、これ、凄く効いてるみたいだ。なら――

『イス。少しずつ威力を上げていくから無理そうなら言ってね』

『へぇ。聖魔法を足してるのね。私もやっちゃうから、遠慮しなくていいからねー。えっとその暴風を真似てー、聖魔法も足しちゃうとー、ほりゃ!』

『グハァアア! や、やめろ! キサマはスライムではないか! なぜそのようなことができる! 大人しく我の軍門に下るのだ!』

 おっと、さすがイス。俺のとはちょっとちがうみたいだけど、複合魔法まで使えるようになったのか。

『やっだもーん。私より弱いのにさー。なーに言ってんだろうねー。ほらほら~もっとやっちゃうよー』

『ぐぬぬ! なぜだ! 我は神だぞ! なぜキサマら羽虫にここまでやられなければならんのだ!』

『神ねー。なら一番弱い神様なんだねー。ほっらほらー、黒色が白くなってくよー。がんばれー』

 やるなイス。煽りまくりだ。それにアザゼルの焦り方から見ても、この攻撃方法であってるようだ。

『こ、こんなはずでは――』

『いいぞ! このまま浄化させちゃおう!』

『まっかせてー。どんどん威力マシマシでやっちゃうよー』

 イスの言う通り、どんどん威力を高めていくと、アザゼルの念話も途切れ途切れになってきた。

 残りわずかとなった黒い霧が浄化の暴風に巻かれ白くなったあと、輝く光の霧となって、今度はひと塊に纏まっていく。

『あれ? もう終わり? あっけなかったねー』

『だけど、この光はなんなんだ? 鑑定ではアザゼルのままなんだけど……種族が天使になってる』

 そうか、うろ覚えだけど、アザゼルは堕天してたはず。なら元々は天使ってことだ。

 なるほど。堕天してこの世界の邪神になったのか。迷惑な話だよな。

 で、悪い気の塊だったものを俺とイスが浄化しちゃったから、天使に戻ったってこと、かな。

『天使ね~。どうするの、やっつけちゃう?』

『どうしようか。一応話しかけてみてからかな。あの、アザゼルさん? 念話はできますか?』

『やっつけちゃえばよくない? まあ、いい子になってるなら別にいいけどさー』

 駄目か。邪神だったときはできていたし、使えると思ったけど駄目――まぶしっ!

 パンと集まっていた光が固定され、バスケットボールほどの球体で落ち着いたようだ。

『こ、ここは……どうしたことでしょうか。あれほど吹き出すようにあった破壊衝動が消えています』

 念話の感じだと、よい子になったのか、な?

『あなた方が私の破壊衝動を浄化してくれたようですね。それにしては、変わった組み合わせです。インフィニティスライムに転生者ですか』

『転生者? ドライってそうなの?』

『あ、いや、まあ、言ってなかったけど、ね』

 いやいや、いきなり人の秘密バラさないでよ……。

『ふーん。まあ、いいけどねー、ドライはドライだし。で、あなた、なにものなの?』

『そちらの転生者……不思議な魂をお持ちですね。……なるほど。それなら邪神となっていたわたくしでは太刀打ちできないのも納得です』

『おーい。話聞いてるー? あまり話聞かないんなら、やっつけちゃうよ?』

 いや、ホントに話聞かないな……よく考えたら、邪神アザゼルが呼び寄せたアーシュもこんな感じだったし……。

 というか、邪神の時も、今の天使も性格が似てるよな。似たものを呼び寄せたのかもしれないな。

『では。時間もありません。あなた方に幸多からんことを』

 光の玉のアザゼルが言いたいことだけ言って消えてしまった。

『あっ! 逃げるなー!』

『嘘だろ……こんな中途半端に消えるとか……』

『もー! でも消えた先は捉えてるんだから! ドライ! やっつけに行こー』

『だな。ちゃんと話聞かせてもらわなきゃだよな』

『みんなもいっしょにー、転――』
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

最弱無双は【スキルを創るスキル】だった⁈~レベルを犠牲に【スキルクリエイター】起動!!レベルが低くて使えないってどういうこと⁈~

華音 楓
ファンタジー
『ハロ~~~~~~~~!!地球の諸君!!僕は~~~~~~~~~~!!神…………デス!!』 たったこの一言から、すべてが始まった。 ある日突然、自称神の手によって世界に配られたスキルという名の才能。 そして自称神は、さらにダンジョンという名の迷宮を世界各地に出現させた。 それを期に、世界各国で作物は不作が発生し、地下資源などが枯渇。 ついにはダンジョンから齎される資源に依存せざるを得ない状況となってしまったのだった。 スキルとは祝福か、呪いか…… ダンジョン探索に命を懸ける人々の物語が今始まる!! 主人公【中村 剣斗】はそんな大災害に巻き込まれた一人であった。 ダンジョンはケントが勤めていた会社を飲み込み、その日のうちに無職となってしまう。 ケントは就職を諦め、【探索者】と呼ばれるダンジョンの資源回収を生業とする職業に就くことを決心する。 しかしケントに授けられたスキルは、【スキルクリエイター】という謎のスキル。 一応戦えはするものの、戦闘では役に立たづ、ついには訓練の際に組んだパーティーからも追い出されてしまう。 途方に暮れるケントは一人でも【探索者】としてやっていくことにした。 その後明かされる【スキルクリエイター】の秘密。 そして、世界存亡の危機。 全てがケントへと帰結するとき、物語が動き出した…… ※登場する人物・団体・名称はすべて現実世界とは全く関係がありません。この物語はフィクションでありファンタジーです。

50代無職、エルフに転生で異世界ざわつく

かわさきはっく
ファンタジー
就職氷河期を生き抜き、数々の職を転々とした末に無職となった50代の俺。 ある日、病で倒れ、気づけば異世界のエルフの賢者に転生していた!? 俺が転生したのは、高位エルフの秘術の失敗によって魂が取り込まれた賢者の肉体。 第二の人生をやり直そうと思ったのも束の間、俺の周囲は大騒ぎだ。 「導き手の復活か!?」「賢者を語る偽物か!?」 信仰派と保守派が入り乱れ、エルフの社会はざわつき始める。 賢者の力を示すため、次々と課される困難な試練。 様々な事件に巻き込まれながらも、俺は異世界で無双する! 異世界ざわつき転生譚、ここに開幕! ※話数は多いですが、一話ごとのボリュームは少なめです。 ※「小説家になろう」「カクヨム」「Caita」にも掲載しています。

現代知識と木魔法で辺境貴族が成り上がる! ~もふもふ相棒と最強開拓スローライフ~

はぶさん
ファンタジー
木造建築の設計士だった主人公は、不慮の事故で異世界のド貧乏男爵家の次男アークに転生する。「自然と共生する持続可能な生活圏を自らの手で築きたい」という前世の夢を胸に、彼は規格外の「木魔法」と現代知識を駆使して、貧しい村の開拓を始める。 病に倒れた最愛の母を救うため、彼は建築・農業の知識で生活環境を改善し、やがて森で出会ったもふもふの相棒ウルと共に、村を、そして辺境を豊かにしていく。 これは、温かい家族と仲間に支えられ、無自覚なチート能力で無理解な世界を見返していく、一人の青年の最強開拓物語である。 別作品も掲載してます!よかったら応援してください。 おっさん転生、相棒はもふもふ白熊。100均キャンプでスローライフはじめました。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

我儘令嬢なんて無理だったので小心者令嬢になったらみんなに甘やかされました。

たぬきち25番
恋愛
「ここはどこですか?私はだれですか?」目を覚ましたら全く知らない場所にいました。 しかも以前の私は、かなり我儘令嬢だったそうです。 そんなマイナスからのスタートですが、文句はいえません。 ずっと冷たかった周りの目が、なんだか最近優しい気がします。 というか、甘やかされてません? これって、どういうことでしょう? ※後日談は激甘です。  激甘が苦手な方は後日談以外をお楽しみ下さい。 ※小説家になろう様にも公開させて頂いております。  ただあちらは、マルチエンディングではございませんので、その関係でこちらとは、内容が大幅に異なります。ご了承下さい。  タイトルも違います。タイトル:異世界、訳アリ令嬢の恋の行方は?!~あの時、もしあなたを選ばなければ~

伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります

竹桜
ファンタジー
 武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。  転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。  

ひっそり静かに生きていきたい 神様に同情されて異世界へ。頼みの綱はアイテムボックス

於田縫紀
ファンタジー
 雨宿りで立ち寄った神社の神様に境遇を同情され、私は異世界へと転移。  場所は山の中で周囲に村等の気配はない。あるのは木と草と崖、土と空気だけ。でもこれでいい。私は他人が怖いから。

大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!

古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。 その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。 『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』 昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。 領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。 一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――

処理中です...