【死に役転生】悪役貴族の冤罪処刑エンドは嫌なので、ストーリーが始まる前に鍛えまくったら、やりすぎたようです。

いな@

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第三章 原作崩壊

第126話 捕まえた

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「くそ! 崩れて埋まってる!」

「これでは追いかけられませんわ!」

 アザゼルが突き破って出てきたから崩れたのか……どうする。

 転移で祭壇のところまでは飛べないことはないけど、あの空間も崩れて埋まってるはずだ。

 もしそんなところに転移したなら生き埋めになるだろう。

 こうなったら地下に向けて全力の爆裂魔法でも撃ち込もうか……。

『ねえねえ。私が行ってこようか? 私なら瓦礫の中に転移しても大丈夫だし?』

「は? そんなこと……」

『だって私、スライムなんだから、どんなところでも、すきまさえあれば入れるしねー』

「あ! そうか! いや……でも、アザゼルも向かってるはずだよ?」

『思ってたんだけどさー。アザゼルって弱くない?』

 ……言われればそうだ。まったく身の危険は感じなかった。現れたときの威圧感以外。

『だから捕まえてくればいいんでしょ? ってことでー。いってきまーす』

 そう念話をしてすぐに、止める間もなく転移で消えていった。

「イス!」
「イス様!」

『たっだいまー……どうしたの二人とも変な顔して。大丈夫だって言ったでしょ? あれ? 言ってない?』

「言ってないよ!」
「言ってませんわ!」

『言ってなかったかー。ごめんごめん』

 消えたのもつかの間、ものすごく大きくなったイスが戻ってきた。

 あの祭壇があったドームと変わらない大きさだ。

 そして大きくなったイスの透き通った身体の中に真っ黒な霧が蠢いている。

『それとー、はいこれ。ダンジョンコアっぽかったから持ってきたよー。あれ? いらなかった?』

 伸ばしてきた触手の先に、あのファイ○ルファンタジーに出てくるようなクリスタルが握られていた。

 それも俺とそう変わらない大きさの。

 鑑定ではダンジョンコアと出ているからこの名もなき島ダンジョンのコアで間違いなさそうだ。

「ううん。でも、イス……いくら強くなったって、一人で危険なことすれば心配するのも当然だろ」

「そうですわ。イス様はわたくしの大切なお友だちですもの。心配するのは当たり前ですの。それに……その中のモヤモヤは大丈夫ですの?」

 そうだ、アザゼルから出てきたものだ。それを取り込んではいないと言っても、身体の中にあるんだ。影響がまったく無いとは言いきれない。

『あー、これね。内側から攻撃されてるけど、まったく問題ないよー。くすぐったいくらいかな』

「そうですのね。でも、そのモヤモヤ、どうすれば良いのでしょう。ずっとそのままは嫌ですわ」

『それもそうね。んーと、勇者のマオーに攻撃してもらえばいいんでしょ? ならマオー、お願いするとして、ドライ、これ、渡しておくねー』

「お、危なっ!」

 ポイっとクリスタルを俺に投げ渡す。

 というか、もう少しで落とすところだったぞ。たぶんだけど、ダンジョンコアって物凄く貴重なもののはずだ。

 それに神様が作ったものだし、壊したりすればとんでもないことになりそうだし……ストレージにしまっておこう。

 コアをストレージに放り込み、マオーを見るとイスの触手に巻き取られていた。

「なんじゃ? 何をすればよいのかの? ひょわっ! く、くすぐったいのじゃ! わ、わき腹は弱いのじゃー!」

 身をよじり、『あひゃひゃひゃ』と笑うマオーをポンと自分の上に放り上げられていた。

「おほー! 弾むのじゃ! ひゃっふっー!」

 一度だけ大きくバウンドしたあと、二度目は弾むこと無くイスの中に取り込まれていくマオー。

『マオー、私のことは気にしなくても大丈夫だからおもいっきり魔法でやっちゃってー』

『よくわからんが、わかったのじゃ! わらわの炎をくらうがよい!』

 黒い霧の中に入ったマオーが魔法を連続で放ち続けているのが見える。

 ヤバくないか? イスが魔法の勢いのためか、膨らみ始める。

『あら? マオーの魔法じゃ全然弱まらないわね? なんでだろ』

 というか、マオーのHPが下がり始めている。

 なんでだ……勇者の魔法なのになぜ効いてない、邪神にも勇者の攻撃は弱点のひとつなのに……。

『熱っ! 熱っ! こ、こりゃたまらん! 失敗したのじゃ!』

 自分の火魔法の熱でダメージを負う、聖女で魔王な勇者……。

 勇者……あ、そうか、複合魔法だ。

「そうか! イス! マオーを出して俺を中に入れて!」

『いいけど……危なそうだったら引っ張り出すからね?』

 そう言ったあと、すぐにマオーがイスから飛び出てきた。

「今度はなんじゃ!」

 すっぽんぽんの、ぽんだ。自分の火魔法で服が燃え尽きたんだろうけど、目のやり場に困る。

 飛び出してきたマオーの落下地点にいるのは俺。目のやり場に困るけど、この場合受け止めないと駄目だよな……。

 じたばたしながら落ちてくるマオーをむかえるように手をひろげ受け止めた。お姫様抱っこだ。

 身体は幼女なマオーだけど、たぶんリズより膨らんでるかもしれない。

「ぬおっ! 助かったのじゃ」

「うん。それはいいんだけど」

「ドライは見ちゃ駄目ですの! すぐ、ぼいってしてくださいませ!」

「え、あ、そうだ、ご、ごめん、おろすね」

 さすがに、ぽいっとはやっちゃ駄目だと思い、跪いてマオーをおろす。

「マオーちゃんはすぐ服着ますの!」

 リズが俺の視界を遮るように間に割り込んできた。

 ボソっと『わたくしより大きいですわ』と、聞こえた気がする『もいで……』……恐ろし気な声も聞こえた気がするけど、聞かなかったことにしよう。

『準備はいい? かな?』

「イス。準備はいいけど、イスは大丈夫なの? 複合魔法だよ?」

 そういいながらジャンプしてイスの上に飛び乗る。うん。トランポリンに乗った感じだ。

『問題ないわ。結界張るし。それより急いで欲しいかも。いつまでもこんな奴包んでいたくないしねー。じゃあお願いねー』

「まかせ――うおっ!」

 もう一回くらいはずめるかと思っていた足場がなくなり、落ちていく。

 暴風魔法で体を包み込んだおかげで、黒い霧の中に包まれたが、まったく問題なさそうだ。

 さて。勇者じゃないけど、やってみるか。

『今度はキサマか!』
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