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第1章

第7話 面白い事って! ②

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 次は祭壇の上に残っていたものも鑑定しながら収納し終わったんだけど、この後は……そうだ、扉の小窓!

 ちなみにバターを発見して思わず飛び跳ね喜んでしまったけど、途中で一人だし、ロリっ子がまた見てるかもと思い、恥ずかしくなってきたので止めておいた。

 次は小窓に挑戦するため祭壇から飛び降り――ることはせず、壁歩きで床に降りて扉に向かい、貼り付いて小窓に向かって登る。

 くははは! 今の俺がちょうど通れるだけのサイズだし、ひょいっと――むきゅ……だ、駄目か。

 今の『むきゅ』もロリっ子が見てたのかと思い、とぼとぼと扉を壁歩きで降り、途方にくれてぇぇぇー! ってロリっ子が祭壇をどうとか言ってたじゃん!

 えっとなんて言ってたか……『下の祭壇と~、この祭壇を入れ替えたら面白いことになるからね~』だったよな。

 そうと決まれば! 収納! で~、階段を下りながら~祭壇で蓋をするように出しておけば良いかな。
 しばらくは召喚部屋には来そうにないよね、スニーカー以外一緒に来た人達の忘れ物は無かったし。

 ほいっと!

 ズンと階段の入口が祭壇で閉ざされて、天井になった。

 よしよし、その後下の部屋に下りてきたんだけど、本当に何もないね。

 そして上の祭壇を置いたんだけどさ……何も起こらないんだけど!

 あ? もしかして上下逆? 考えたら上で収納した祭壇をそのまま出した気がするかも……。

 そう思い当たったらやってみるだけだよね。

 今置いた祭壇を収納して、階段を上り、上の祭壇を意識して収納して、下から持ってきた祭壇を意識して出す。

 ズンと音を響かせて蓋完了。

 急いで下に戻って上の祭壇を収納から出した途端――ズズズズと置いた祭壇がいや、これは蓋が開いてる! もしかしてこれは石のひつぎで中に階段があるパターン!

 ゴンと柩の蓋が開ききったようで、石同士がこすれるこすれる音も聞こえなくなった。

 俺はロープレで柩の中と言えばこれくらいしか知らない! 宝か階段だ! 中には金銀財宝またはダンジョンへの入口だ! ワンチャンって言うか、骨の魔物が出てくるパターンは心の底から遠慮したい!

 考えていても仕方がないので、急ぎ柩を上り、ふちに乗って中を見たんだけど……よ、幼女が……なんだか悪魔のお姉さんが着るような露出が激しく、ほとんど裸な服を着て寝てるんだけど!

 ってかロリっ子が言ってた面白い事ってこれ? ってか生きてるの? えと、生きてたら生きてたで放っとく訳にはいかないし、いやいや召喚されてスキルはいっぱいあるかもしれないけどさ、HPもMPも確か……。

 ――――――――――――――――――――

 HP 3
 MP 3

 ――――――――――――――――――――

 だよね~、自分の事だけでもこのステータスだし、幼女のお世話をしながらとかハード過ぎだよ……。

 あっ、それより生きてるかどうか調べてからだよな。

 柩の縁から内側に入り、壁歩きで降りていく。
 寝ている首もとを見ると、脈打ってるのが分かった。

 一応鑑定してみるか。

 ――――――――――――――――――――

 名前 イル・ミンスール
 性別 女
 HP 3
 MP 測定不能
 備考 魔王

 ――――――――――――――――――――

 おいロリっ子神よ……ロリっ子魔王だぞ……。

「だれですの? やかましいですの」

 俺が天を仰ぎ見て、ロリっ子に恨み辛みを愚痴ろうとした時、ロリ魔王が目を開けて俺を見ていた。
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