俺は神剣に選ばれ最強になる! 封印されてたツンデレ悪魔を引き連れ修行旅~ところで外れスキルの『努力』ってどういう事だよ!~【俺と悪魔】

いな@

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第一章

第36話 対決開始

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 角から覗いて見えた扉の奥に、プリムの言ってたリチウムと家令ってのがいるはず。

 だが、通ってきた通路の先には階段があり、一階へ下りれるようだ。

(とりあえず寝かせておく? せっかくこの屋敷の中に騒がれないで入れたんだもん、この二人と一階の人くらいなら眠らせるの簡単だよ?)

 アンラは屋敷の中にもいるモヤモヤを捕まえて回っている。

 俺とプリムが慎重に覗き見てんのに自分は見えないのを良い事に普通に曲がり角にも進んでいく。

 はぁ、まあ良いけどよ、ってかそうなんか? んじゃ眠らせて縛っとくか。アンラ頼――っ!

「何をしている。貴様は屋敷に入るなと言っておいただろう。それに見たことのない小僧は……いや、あの教会にいた奴だな」

 なっ! 後ろだと! 全然気付かなかったぞ!

 後ろを向くと、腕を組んだデップリとした男、教会で見たオッサンが立っていた。

(うっそー! コイツ気配を分けてるじゃん! ケント気を付けなさい、中々強いわよ!)

 アンラも驚いて振り向き、力が入ったのかモヤモヤが握り潰され浄化されていった。

「はわわ、えと、えっと――」

 俺の横にいたプリムは手をパタパタさせ、オロオロと俺の顔とリチウムの顔を見比べている。

 それを見たリチウムも俺とプリムの顔を見た後、舌打ちをして何か納得したような顔になり喋り始めた。

「チッ、誰が通したんだまったく。プリム、持ち物を取りに来たという事か……」

 腕を組み、考えているようだが……。

「捨てる手間が省けるか……よし、さっさと屋根裏からゴミを持って去るがよい。余計なところはうろうろするでないぞ。そしてもうこの屋敷には入る事は許さん」

 そう言い俺達の横を通り過ぎ、そこにいたもう一人の!

(むー、コイツもね……それにこの気配はどっかで……って考えてもしかたないっか、面倒だし眠りヒュプノス!)

 えっ! マジか、もう一人もいやがったのかよ! ってかお前今やるかっ!

 ドサッ、ドサッとリチウムと家令は倒れ込み、寝息をたてている。

 倒れたと同時に先にある扉の向こうの気配が消えた。

「ほへ! 倒れちゃいましたよ! 流石です!」

「お前な、やるなら――」

 突然の事に肩の力が入っていたんだが、あっけない結末に、スッと力が抜けた――が!

『後ろに剣を突き出して下さい!』

 クロセルの念話で一気に覚醒しながら、後ろも見ずに、言われた通り真後ろに剣を突き出した。

 微かな手応えが伝わるが避けられたようだ。

 そして真後ろにあった気配は無くなり、少し離れたところにまた気配が二つ現れた。

「その容姿は……とんだネズミだったようだな。貴様があの者達を……だが無詠唱で眠りヒュプノスか」

 寝てたはずだ、それにでっぷりとした脇腹のところに刺した痕跡がある、それがなぜなんでもないように立っている……。

「だが引っ掛かる物言いだったな。小僧とプリムの他にスライムとそれは猫か······」

 ちっ、妙だな……血も出てねえし、完全に刺さっていてもおかしくない位置なんだが……。

 アンラは見えてねえみたいだが……ちょっと待て! 今はソラーレもクローセも外に出てねえ、見えてねえのにいるのが分かんのかよ……。

『気配を感じる能力、それも中々強力な能力を持っていそうですね。アンラの事は気付いていないようですが』

(そ~簡単に私は見付からないよ~。でも、ん~、面倒だなぁ)

 アンラ、すまねえが協力してくれ。

(は~い仕方ないなぁ)

 そんな事を言いながらアンラは爪を伸ばして臨戦態勢に入る。

『ケント、振り向かないで下さい、目の前にいるように見えますが、この二人、今はまた背後にいます、』

 くそっ、なんだよそれ、見えてる物が信じらんねえな……。

「そのようですね。しかし魔法に今の動きでは、やつらでも待ち伏せされては捕らえられるのも納得できますね。それにあなたが攻撃を受けるとは」

 白髪に白ひげで、ひょろひょろの爺さんは髭をなで、目を細めながら俺の事を見てくる。

 だが、見えているのは嘘で、本物は後ろにいるんかよ。

(ふ~ん。耐性の魔道具と幻影かな?)

 アンラは無造作に動きだし、後ろの二人に近付いていく。

「それにその姿の変え方は私と似てるわね」

 なっ! 爺さんが女になったぞ!

『――アンラの予想通りかも知れません……っ! 来ます!』

「――!」

 ギィン! 目の前の女が動いたと思ったら攻撃は後ろからではなく横から来た――。

「ギルマス。ここは一旦引く方が良さそうですね」

 さらにギギンと数撃、色んな方向から攻撃が来るがなんとか防ぐ。

「チッ、そのようだな。幻影ミラージュを使って倒せない者がいるとは」

(やっぱりね~、ケント、コイツらもうここ二階にはいないよ~)

「表向きの地位を捨てるのは損害だが、仕方がないようだ、腹立たしい」

 どういう事だよ! ちゃんと見えて喋ってんぞ!

「くっ!」

 二人の俺に向かってくるが攻撃は、とどまることはなく、違う方向から攻撃が次々と来る。

 身をひねり避け、クロセルで受け流す。

 それも座り込んでしまったプリムにまで攻撃が飛んでくるため、なんとか防ぐがどんどん追い詰められてる。

「ぐあっ!」

 どんどん手数が増えて、服を切り裂くように、かする攻撃が増えてくる。

 そして、ついに背中に浅くない衝撃と共に受けちまった。

「こ、こりゃ、マズっ!」

 すると、その背中から急激に痺れ出す。

(ありゃ~、な~にやられてるのよ~。仕方ないなぁ。ぬぬぬっ! 見付けた! ほいっと、ぴょ~ん!)

 アンラはあきれ顔で俺達の回りをぐるりと回りながら伸ばした爪でリチウムと家令だった女を切り裂いた。

 そしてすぐに俺とプリムの襟首を持ち浮き上がると、階段の方へ一気に飛ぶ。

 そして俺達をおろすと、ニヤリと笑い――。

(真下におもいっきり! まだ幻影は解けてないよ!)

 くそっ、しつこい! 負けっか!

 痺れが広がってきてるがクロセルを大きく振りかぶって、足元に向けておもいっきり叩きつけた。

「どおりゃぁぁぁぁー!」

「や、やめろ! そこは!」

 ドガッと石畳が砕け、叩きつけた場所から四方八方に、ピシッと床にヒビが広がっていく。

「何て事を! 貴様ぁぁぁぁー!」

「な、なんだよこれは!」

 ひび割れた床から立ち上るモヤモヤ、いや、いつもの薄くて、向こう側が透けて見えるような物じゃなく、ドロドロと真っ黒な泥のようなものが染み出してきた。
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