108 / 134
手続き。
しおりを挟む翌朝、
栞菜さんと雅さんがやって来た。
「美波、義弥の側に付いていたいだろうけど
今日と明日で出来る事はやってしまおう。」
今日は確か土曜か……
栞菜さんも僕も
平日は時間が取れなくなるから…
「はい。栞菜さん…お願いします。
雅さん、義弥をお願いします。」
「任せておいて。
変化あったらすぐに連絡いれるね?」
2人が居たけど
僕は義弥を抱き締めて
少し長いキスをした。
「義弥、行ってきます。」
栞菜さんと一緒に車に乗った。
最初に着いた所は
『楠木法律事務所』
ぼくは入り口の看板を見て固まった。
「美波、入るよ?」
僕は頷いてぎこちなく栞菜さんの後を
付いて行った。
応接室のような部屋に通された。
そこには
僕を担当してくれている
弁護士の先生と
弥生さんの姿があった。
僕は
栞菜さんのジャケットを掴んでしまった。
栞菜さんは僕を抱き寄せて
「大丈夫。僕に任せて。」と囁いてくれた。
「梅宮 弥生さん
朝から来て頂きありがとうございます。
本日は櫻 美波くんの後見人の話しをさせてもらいます。」
「はい。よろしくお願いします。」
「本日付けで美波は私の息子になる予定です。
本人がそれを強く希望しております。
よって後見人は不要となるので
取り外す手続きをさせていただきます。
よろしいですか?」
「はい。
あの……それは構いません。
ただ今後も美波くんと会う事は可能ですか?」
「できれば遠慮していただきたい。
美波も私の息子も
それを望んでいないですから…。」
弥生さんは
とても哀しそうな瞳をした。
でも今は
弥生さんが僕を見て
父さんを見ているのがよく分かる。
「弥生さん、
今までありがとうございました。
僕の腕のコトも、大学のコトも、
後見人のコトも。
たくさん僕を見てくれて
ありがとうございました。
でも……でも僕は……
こんな僕を待ち続けてくれる恋人の基に
戻ります。
貴女の『睦月』にはなれないから……」
小さな声で呟くのが精一杯だった。
栞菜さんは僕の背中をさすってくれた。
僕を担当してくれた弁護士の先生…
荒木先生が僕の手を取り別室に連れ出して
くれた。
胸が一杯で不安な僕に
受付にいたお姉さんがココアをいれて
持って来てくれた。
「美波くん、それ飲んで?
少し落ち着いたら楠木先生との養子縁組みの
手続きするよ?
大丈夫?」
「はい。
先生、今回もよろしくお願いします。」
僕は荒木先生と一緒に
栞菜さんと雅さんの息子になる手続きをした。
しばらくして栞菜さんがやって来た。
「美波、
弥生さんには義弥とのコト、今の現状
全て話したよ。
そしてそれらが変に拗れないように
色々、書類作成もした。
僕の息子になった以上、美波の事は僕が全力で守るよ。」
そう言って
養子縁組みの書類に栞菜さんはサインした。
「まだ手続き完了ではないけれど
今日から美波は僕の息子だ。
美波……おいで?」
そう言って栞菜さんは両手を広げてくれた。
僕は栞菜さんに駆け寄り抱き付いた。
「栞菜さん、栞菜さん…」
「美波?」
「……父さん……ありがと……」
0
あなたにおすすめの小説
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる