初恋

あんず

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味方。

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荒木先生にお礼を言って
事務所を後にした。

それから

父さんと2人で食事をした。

父さんは少し高そうなレストランを予約して
いてくれてた。


「義弥が元気になったら

スゴいお祝いしような?

家族が増えたんだから。

今日は僕と美波のささやかなお祝いだ。」



父さんの気持ちが嬉しい。

僕はまた泪ぐんでしまった。



「美波は泣き虫だな?

これからは  笑顔も泣き顔も怒った顔も
遠慮なく見せて欲しい。

そして義弥とシアワセになって欲しい。

もちろん僕と雅もシアワセにして欲しい。

美波、僕は味方だ。

美波と義弥の味方だ。忘れるなよ?」





そう言った父さんの顔は

泣き顔だった。










母さんの好きな家具屋に来た。

支配人さんに一度購入した家具を全部処分して欲しいと伝えた。

中古品として売るも好きにしていいから
とにかく早急に引き取って欲しいと。



「また改めて新しい家具を買いに来ます。」


そう伝えると

明日の朝引き取りに来てくれるコトになった。







そして

マンションの解約に来た。


まだ2ヶ月も住んでいない。

でもあそこに足を踏み入れるのはイヤだ。





 
変な顔をする不動産屋に

『いい土地があったら知らせて欲しい』と

父さんが伝えると
マンション退去の手配はスムーズに行われ
明日の午後一番に引き渡すコトになった。





明日の引き渡しのため
僕のマンションに向かった。




「父さん、世の中知らないコトだらけだ。

僕、勉強たくさんしなきゃだね?

僕は医学の道に進むけど

義弥は法学部だって。

父さん知ってた?」



あまりにも打ち解けて話す僕に

驚いた様子の父さんだったが

すぐに笑顔になった。



「美波が知らない義弥のコトを

何で父さんが知ってるんだ?

T大法学部だって  義弥、頭良すぎ。

父さんは私立の早慶大だったのに…

ていうか美波もT大医学部だよな…

もう……お前たち塾も行かずに

ホント頭良すぎ。

父さん立場弱くなっちゃうな。」



「父さんはスゴいよ?

父さん見習わないと。」




そう言うと

信号待ちで僕の頭をクシャクシャと

撫でてくれた。





ぼくの周りの壁は

楠木家のヒトには通じない。

義弥と同じように

僕のココロにすっと入り込んだ。








荷物なんて大してなく。

ダンボール2個を父さんの車に積んだ。





父さんに弥生さんからもらった

チェーンとティーセットはどうすればいいか

たずねた。


少し父さんは考えてから

僕が預かるから美波は忘れなさいと言った。








楠木家に着く。

懐かしい匂いがする。

義弥と僕の部屋に

中学の時と同じように荷物を置いた。





義弥と雅さんの待つ病院に向かう。

明日は義弥のアパートも解約しなきゃなと

父さんは呟いた。













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