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第六話
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「美波ちゃん、彼氏と別れたんだって?」
畑野さんが言って
「エッ?」
と美波ちゃんが漏らす。
「聞いたよ。フリーになったなら、オレと付き合ってよ」と笑う。ムカついて
「必死過ぎて痛い」と声をあげると
「高校生は黙ってな」
とガキは外野と見做して話す。美波ちゃんの彼氏は自分なんだよと言いたいのを我慢しながら
「おっさんみっともないよ」と言う。
言い合う2人を見て、美波ちゃんが
「ストップ。岡田くんやめて」と言って目を細める。退院が決まった畑野さんとは、それからも言い合うことが多く、部屋の移動も検討されたが、満床で移動もできず病院を去るまで美波ちゃんから心配され、注意を受けた。
「周りの人も迷惑だから、辞めてね」
「アイツが美波ちゃんに構うから、見ててウザい」
「患者さんだから、きつくは言えないの」
リハビリから病棟に戻るエレベーター、偶然美波ちゃんと一緒になって、話していた。
「美波ちゃん、優しいから勘違いしちゃうよ。男は」
不安から手に触れた。驚いた顔から笑みに変わる表情に、鎖骨辺りがグッとなる。立ち上がり抱きしめる。
「ダメ」と言う美波ちゃんに
「誰も見てないところならいいじゃん」
年齢は上でも小さな体は柔らかい。肩から腕を触り、片手で細い腰に触れた。
「好きだよ」と言って僅かな時間、2人の気持ちを確認し合った。
「今日から荷重かけて歩くリハビリが開始になったけど、痛みはどう?」
「大丈夫。膝の可動域訓練(CPM)、ベッドに戻ったら付けて」と言って美波ちゃんが来てくれることを期待する。しかし、部屋に来たのは部屋担当の看護師だった。廊下でop後らしい患者と歩行器で歩く練習をしている美波ちゃんが通る。笑顔で話して歩くのを見て嫉妬する。でも、仕事なんだから仕方ないんだよなと自分に言い聞かすが、イライラする。やっぱ自分ガキだなと思った。深く深呼吸して
「早く退院できるようにリハビリ頑張ろ」と呟いた。
畑野さんが退院したその日、美波ちゃんが回診でまわってきた。医者の処置の介助をして、専門用語で話し合っている。ふとお似合いだなと思った。オレとじゃ釣り合ってないんだろうなと想像すると、何か見ていられなかった。自分に自信がない事を痛感する。どうしたら自信が持てるようになるんだろうと、オレンジに光る外を眺めた。自分の気持ちとは異なる色に違和感を感じて、苦々しくなって窓に映る自分を睨んだ。
畑野さんが言って
「エッ?」
と美波ちゃんが漏らす。
「聞いたよ。フリーになったなら、オレと付き合ってよ」と笑う。ムカついて
「必死過ぎて痛い」と声をあげると
「高校生は黙ってな」
とガキは外野と見做して話す。美波ちゃんの彼氏は自分なんだよと言いたいのを我慢しながら
「おっさんみっともないよ」と言う。
言い合う2人を見て、美波ちゃんが
「ストップ。岡田くんやめて」と言って目を細める。退院が決まった畑野さんとは、それからも言い合うことが多く、部屋の移動も検討されたが、満床で移動もできず病院を去るまで美波ちゃんから心配され、注意を受けた。
「周りの人も迷惑だから、辞めてね」
「アイツが美波ちゃんに構うから、見ててウザい」
「患者さんだから、きつくは言えないの」
リハビリから病棟に戻るエレベーター、偶然美波ちゃんと一緒になって、話していた。
「美波ちゃん、優しいから勘違いしちゃうよ。男は」
不安から手に触れた。驚いた顔から笑みに変わる表情に、鎖骨辺りがグッとなる。立ち上がり抱きしめる。
「ダメ」と言う美波ちゃんに
「誰も見てないところならいいじゃん」
年齢は上でも小さな体は柔らかい。肩から腕を触り、片手で細い腰に触れた。
「好きだよ」と言って僅かな時間、2人の気持ちを確認し合った。
「今日から荷重かけて歩くリハビリが開始になったけど、痛みはどう?」
「大丈夫。膝の可動域訓練(CPM)、ベッドに戻ったら付けて」と言って美波ちゃんが来てくれることを期待する。しかし、部屋に来たのは部屋担当の看護師だった。廊下でop後らしい患者と歩行器で歩く練習をしている美波ちゃんが通る。笑顔で話して歩くのを見て嫉妬する。でも、仕事なんだから仕方ないんだよなと自分に言い聞かすが、イライラする。やっぱ自分ガキだなと思った。深く深呼吸して
「早く退院できるようにリハビリ頑張ろ」と呟いた。
畑野さんが退院したその日、美波ちゃんが回診でまわってきた。医者の処置の介助をして、専門用語で話し合っている。ふとお似合いだなと思った。オレとじゃ釣り合ってないんだろうなと想像すると、何か見ていられなかった。自分に自信がない事を痛感する。どうしたら自信が持てるようになるんだろうと、オレンジに光る外を眺めた。自分の気持ちとは異なる色に違和感を感じて、苦々しくなって窓に映る自分を睨んだ。
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