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トムは排泄処理も一人で出来なかった。
「うあああああああん!」
「尻が赤くなったのはお前がフンをした後そのままにしたせいだ。何故尻を拭かなかった」
「うびゃああああああん!」
「泣くな! 泣いても尻はキレイにならないぞ!」
「うぎゃあああああ!」
「トム! やめろ、泣くな! わかった! お父さんがキレイにしてやる!」
ソレはもう一本の腕の爪も剥いで柔らかい肉を曝け出すと、二本の腕でそおっと、そぉっと、壊さないよう慎重に小さなトムを抱き上げた。
「ぶあう!」
小さな手が自分の指にしがみつくのを、ソレは胸が痛いような痒いような気分になりながら見た。
森の奥を流れる清流にトムの尻を浸け洗い流す。
「うあああああん!」
冷たい水に驚いたのか激しく鳴き出した。
「泣くな! キレイにしただけだ! もう少しだけ我慢しろ! 泣くな!」
「ぎゃああああん!」
鳴き止まないトムに焦りつつ、尻をきれいにして尻尾の毛皮で拭いてやると、ようやく鳴くのをやめてくれた。
「ぷ!」
「全く……そんなに騒ぐほど嫌なら最初から尻を拭けばよかったんだ」
トムはまったく自分で自分の世話ができないようで、ソレはトムを鳴き止ますため毎回世話をした。終いにはトムが排泄をしそうになると察知することまで出来るようになった。
トムは果物と木の実、地を走る生き物の乳でどんどん大きくなっていった。
しかし相変わらず無力で、自分で自分の世話が出来ないままだった。
何て非効率な生き物だろう、とソレは思った。
頭の黒い毛皮は増えて頭全体を覆うようになったが体はつるつるのぷよぷよで、森の獣の強さを舐めきっているとしか思えない有り様だ。歯も前歯がちょっと見えてきたが、ソレが獲ってきた獣の肉を食い千切ることは出来そうもなかった。
全くもって『生き残る』という気概が感じられない。
大きなニンゲンくらい育てばもっと強くなるのだろうか、とハラハラしながらソレはトムを守り育てた。
「うあああああああん!」
「尻が赤くなったのはお前がフンをした後そのままにしたせいだ。何故尻を拭かなかった」
「うびゃああああああん!」
「泣くな! 泣いても尻はキレイにならないぞ!」
「うぎゃあああああ!」
「トム! やめろ、泣くな! わかった! お父さんがキレイにしてやる!」
ソレはもう一本の腕の爪も剥いで柔らかい肉を曝け出すと、二本の腕でそおっと、そぉっと、壊さないよう慎重に小さなトムを抱き上げた。
「ぶあう!」
小さな手が自分の指にしがみつくのを、ソレは胸が痛いような痒いような気分になりながら見た。
森の奥を流れる清流にトムの尻を浸け洗い流す。
「うあああああん!」
冷たい水に驚いたのか激しく鳴き出した。
「泣くな! キレイにしただけだ! もう少しだけ我慢しろ! 泣くな!」
「ぎゃああああん!」
鳴き止まないトムに焦りつつ、尻をきれいにして尻尾の毛皮で拭いてやると、ようやく鳴くのをやめてくれた。
「ぷ!」
「全く……そんなに騒ぐほど嫌なら最初から尻を拭けばよかったんだ」
トムはまったく自分で自分の世話ができないようで、ソレはトムを鳴き止ますため毎回世話をした。終いにはトムが排泄をしそうになると察知することまで出来るようになった。
トムは果物と木の実、地を走る生き物の乳でどんどん大きくなっていった。
しかし相変わらず無力で、自分で自分の世話が出来ないままだった。
何て非効率な生き物だろう、とソレは思った。
頭の黒い毛皮は増えて頭全体を覆うようになったが体はつるつるのぷよぷよで、森の獣の強さを舐めきっているとしか思えない有り様だ。歯も前歯がちょっと見えてきたが、ソレが獲ってきた獣の肉を食い千切ることは出来そうもなかった。
全くもって『生き残る』という気概が感じられない。
大きなニンゲンくらい育てばもっと強くなるのだろうか、とハラハラしながらソレはトムを守り育てた。
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