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第三章~フレイヤ国、北東領地エルム~
第四話
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マズイと思った時には既に遅かった。総督の傍で控えていた長身の女が、「今何と」と声を張った。
「無礼な、ルピナ様を、馴れ馴れしくも呼び捨てにするとは。失礼千万であるぞ」
「ルヴィ、落ち着くのじゃ。大したことではない。彼の者に非はない」
側近を諌めたルピナは、ヴレイを直視しても、五年前の出合を思い出した素振りはない。
見据えてくる真っ青な紺碧に吸い込まれそうな気がした。まるでデジャブだ。あの時もルピナと目が合って、周りの空気がピリッと熱を帯びると、二人して人形のように固まっってしまったのだ。
確か、当時は黄金色の髪を長く伸ばし、神々しいぐらいに印象的だった髪は、短くバッサリ切られたショートカットだ。腰には長剣を差し、ワンピース型の軍服に身を包み、肩には短めのマントが掛けられ、風に靡いていた。
思わずヴレイは生唾を飲み込んだ。
「ところで現場を案内する前に、聞きたいことがある」
「何でしょう、エルム総督」
難を逃れたと、安堵したヴレイの腕に、オッサンが肘でド突いて、ウィンクした。
よくやった、とでも言いたげだ。こっちはそれどころでなく、冷や汗ものだったというに。
「ジルニクス帝国は何故、ベフェナ小国と交戦になったのじゃ。先に言いておくが、墜落した船は、国から避難してきた王族貴族を乗せた飛行船だった。さほど大きくもない船にかなりの人数が乗っていた。墜落の原因は操作ミスか、何らかの故障かもしれぬが」
語るルピナの眉根は険しく歪んでいた。
「話を元に戻す。ベフフェナ小国はフレイヤとも交易があり、友好関係であった。それに相手は小国だぞ、ジルニクス帝国が相手にする国ではなかろう。理由を述べよ。現場の立ち入りを許可した訳は、直接この理由が聞きたかったからじゃ」
ルピナに圧せられた外交官はグッと反論を堪えているようで、眉間が渋っていた。
初めて出会った時は、これほど勇ましいようには見えなかったが、頭角らしきハツラツ感はあった気がする。ザイドと会いに行こうといっていた姫が、目の前にいるが、やはり遠い存在である事実は変わらない。
目の前にいるが、透明で見えない境が、完全に空間を隔てていた。
フレイヤ支部に派遣されると聞き、もしかして会えるかもしれないと胸躍らせていたが、妄想物語のように簡単に慣れあうなど、現実ではありえないのだ。
「理由は私が説明しよう。私は特務第二艦隊のアンドラス機整備班班長、アラン。お見知りおきを、ルピナ王女様」
燻し銀の声を発したアランはルピナに敬礼し、オッサン! っとヴレイはぎょっとした。
いつもは無精髭で汚らしい面構えが、何芝居してんだと、突っ込みたくなった。
「ここでは総督と、アラン殿」
身分の差はあれど、二人は対等に向き合っているように見えた。
「貴様、勝手な真似はするな、発言権は私に託されている!」
オッサンを邪魔扱いする外交官だが、オッサンの岩のような体格に圧せられていた。
鍛えられたあの図体を、よくもまあ器用にアンドラスの機体内部に挟み込ませるよなと、毎回ヴレイはアランの起用っぷりに感心させられる。
「苦情なら上に報告するんだな、場の監督として、特務第二艦長から任を預かっている身でもあるんでね。つまり発言権は俺にもあるってこった」
ちっと外交官は小さく舌打ちをして、仕方ない様子で後ずさった。
「魔獣族の遺跡がベフェナで発見されました。それは御存じて」
「ほぉ、整備班と言ったな。雄弁のようじゃな。知っておる、続きを」
「ベフェナで発見された遺跡から、『魔獣の卵』が出土しました。『魔獣の卵』とは魔獣族が『妖源力』を物質化させ、備蓄エネルギーとして留めた物です。我々でもそこまでの技術は持っておりません」
オッサンの真剣な物言いは滅多に聞かないので、ヴレイは背筋にむず痒さを覚えた。
「なるほど、ジルニクスは『魔獣の卵』をベフェナから力づくで奪おうとしたのだな。人の物を強引に奪おうとするとは、しかも火力まで使うとは、目に余るな」
オッサンを睨み付けるルピナの眼光に勇ましさが増した。
「ここはジルニクス代表として言わせてもらいますが、『妖源力』の制御技術において、ジルニクスの右に出る国はないでしょう。『魔獣の卵』を安全に取り扱うためにも、一つの国が所有しているべき代物ではありません」
「だから飛行船の墜落現場にまで訪れ『魔獣の卵』を回収しに来たのじゃな」
妖源力に関わる仕事とはこの事かと、やっと腑に落ちた。敵意を向けてくるルピナに任務の真相を明かされるとは思ってもいなかったので、何だか複雑だ。しかも完全に怒らせている。
「そうだよな、外交官」とオッサンは突然、外交官に話しを振った。
「え、はい、そうなんです、エルム総督」
と答えた外交官は、オッサンをひと睨みした。
「なら残念じゃが、現場に『魔獣の卵』はもうない」
今度は全員の視線がルピナに集中した。なら、もしかすると、と過った予感は皆同じだったかもしれない。
「ここにあるのだから」
ほくそ笑んだルピナは、何かを掴んでいた手を皆の前に差し出した。
手を広げると、食べる卵より二回りほど大きな石が載っていた。見た目はただの石だが、よく見ると、黒檀みたいな色の中に、金の幼虫が蠢いているかのような、鈍い光の動きがあった。見た目はあまり見惚れるような代物ではない。
「これが『魔獣の卵』ですな。さすがエルム総督です。既に見つけておられたとは。エルム総督、『魔獣の卵』をジルニクスに引き渡していただきたい」
「それはできぬ」
問答無用と言わんばかりに、ばっさりとルピナは外交官の頼みを切り捨てた。
「墜落現場に駆け付けた時、まだその時は息のあったジェイド王女から託されたのじゃ。だから、君たちに渡すことはできぬ」
「ジェイド王女が何故ーー」とアランの眉間が険しく皺を刻んだ。
外交官には織り込み済みの展開らしく、特に渋った様子もなく切り返した。
「おそらくロマノ帝国も『魔獣の卵』の存在を知っております。ここにあると察知されれば、攻撃対照になる可能性もあります。そのような事態が起こる前に、セイヴァが預かります」
意志を曲げるものかと、頑として両者は視線を逸らそうとはしなかった。
後方から見守るヴレイはどっちでもいいから早く決着をつけてくれと、欠伸を堪えた。
堪えた欠伸のせいで耳が詰まったと思った時、詰まった耳に響く低音に気付いた。
戦闘機のエンジン音だと気付いた時には、岩山の向こう側から現れた、数機の機体を肉眼で捉えた。
「無礼な、ルピナ様を、馴れ馴れしくも呼び捨てにするとは。失礼千万であるぞ」
「ルヴィ、落ち着くのじゃ。大したことではない。彼の者に非はない」
側近を諌めたルピナは、ヴレイを直視しても、五年前の出合を思い出した素振りはない。
見据えてくる真っ青な紺碧に吸い込まれそうな気がした。まるでデジャブだ。あの時もルピナと目が合って、周りの空気がピリッと熱を帯びると、二人して人形のように固まっってしまったのだ。
確か、当時は黄金色の髪を長く伸ばし、神々しいぐらいに印象的だった髪は、短くバッサリ切られたショートカットだ。腰には長剣を差し、ワンピース型の軍服に身を包み、肩には短めのマントが掛けられ、風に靡いていた。
思わずヴレイは生唾を飲み込んだ。
「ところで現場を案内する前に、聞きたいことがある」
「何でしょう、エルム総督」
難を逃れたと、安堵したヴレイの腕に、オッサンが肘でド突いて、ウィンクした。
よくやった、とでも言いたげだ。こっちはそれどころでなく、冷や汗ものだったというに。
「ジルニクス帝国は何故、ベフェナ小国と交戦になったのじゃ。先に言いておくが、墜落した船は、国から避難してきた王族貴族を乗せた飛行船だった。さほど大きくもない船にかなりの人数が乗っていた。墜落の原因は操作ミスか、何らかの故障かもしれぬが」
語るルピナの眉根は険しく歪んでいた。
「話を元に戻す。ベフフェナ小国はフレイヤとも交易があり、友好関係であった。それに相手は小国だぞ、ジルニクス帝国が相手にする国ではなかろう。理由を述べよ。現場の立ち入りを許可した訳は、直接この理由が聞きたかったからじゃ」
ルピナに圧せられた外交官はグッと反論を堪えているようで、眉間が渋っていた。
初めて出会った時は、これほど勇ましいようには見えなかったが、頭角らしきハツラツ感はあった気がする。ザイドと会いに行こうといっていた姫が、目の前にいるが、やはり遠い存在である事実は変わらない。
目の前にいるが、透明で見えない境が、完全に空間を隔てていた。
フレイヤ支部に派遣されると聞き、もしかして会えるかもしれないと胸躍らせていたが、妄想物語のように簡単に慣れあうなど、現実ではありえないのだ。
「理由は私が説明しよう。私は特務第二艦隊のアンドラス機整備班班長、アラン。お見知りおきを、ルピナ王女様」
燻し銀の声を発したアランはルピナに敬礼し、オッサン! っとヴレイはぎょっとした。
いつもは無精髭で汚らしい面構えが、何芝居してんだと、突っ込みたくなった。
「ここでは総督と、アラン殿」
身分の差はあれど、二人は対等に向き合っているように見えた。
「貴様、勝手な真似はするな、発言権は私に託されている!」
オッサンを邪魔扱いする外交官だが、オッサンの岩のような体格に圧せられていた。
鍛えられたあの図体を、よくもまあ器用にアンドラスの機体内部に挟み込ませるよなと、毎回ヴレイはアランの起用っぷりに感心させられる。
「苦情なら上に報告するんだな、場の監督として、特務第二艦長から任を預かっている身でもあるんでね。つまり発言権は俺にもあるってこった」
ちっと外交官は小さく舌打ちをして、仕方ない様子で後ずさった。
「魔獣族の遺跡がベフェナで発見されました。それは御存じて」
「ほぉ、整備班と言ったな。雄弁のようじゃな。知っておる、続きを」
「ベフェナで発見された遺跡から、『魔獣の卵』が出土しました。『魔獣の卵』とは魔獣族が『妖源力』を物質化させ、備蓄エネルギーとして留めた物です。我々でもそこまでの技術は持っておりません」
オッサンの真剣な物言いは滅多に聞かないので、ヴレイは背筋にむず痒さを覚えた。
「なるほど、ジルニクスは『魔獣の卵』をベフェナから力づくで奪おうとしたのだな。人の物を強引に奪おうとするとは、しかも火力まで使うとは、目に余るな」
オッサンを睨み付けるルピナの眼光に勇ましさが増した。
「ここはジルニクス代表として言わせてもらいますが、『妖源力』の制御技術において、ジルニクスの右に出る国はないでしょう。『魔獣の卵』を安全に取り扱うためにも、一つの国が所有しているべき代物ではありません」
「だから飛行船の墜落現場にまで訪れ『魔獣の卵』を回収しに来たのじゃな」
妖源力に関わる仕事とはこの事かと、やっと腑に落ちた。敵意を向けてくるルピナに任務の真相を明かされるとは思ってもいなかったので、何だか複雑だ。しかも完全に怒らせている。
「そうだよな、外交官」とオッサンは突然、外交官に話しを振った。
「え、はい、そうなんです、エルム総督」
と答えた外交官は、オッサンをひと睨みした。
「なら残念じゃが、現場に『魔獣の卵』はもうない」
今度は全員の視線がルピナに集中した。なら、もしかすると、と過った予感は皆同じだったかもしれない。
「ここにあるのだから」
ほくそ笑んだルピナは、何かを掴んでいた手を皆の前に差し出した。
手を広げると、食べる卵より二回りほど大きな石が載っていた。見た目はただの石だが、よく見ると、黒檀みたいな色の中に、金の幼虫が蠢いているかのような、鈍い光の動きがあった。見た目はあまり見惚れるような代物ではない。
「これが『魔獣の卵』ですな。さすがエルム総督です。既に見つけておられたとは。エルム総督、『魔獣の卵』をジルニクスに引き渡していただきたい」
「それはできぬ」
問答無用と言わんばかりに、ばっさりとルピナは外交官の頼みを切り捨てた。
「墜落現場に駆け付けた時、まだその時は息のあったジェイド王女から託されたのじゃ。だから、君たちに渡すことはできぬ」
「ジェイド王女が何故ーー」とアランの眉間が険しく皺を刻んだ。
外交官には織り込み済みの展開らしく、特に渋った様子もなく切り返した。
「おそらくロマノ帝国も『魔獣の卵』の存在を知っております。ここにあると察知されれば、攻撃対照になる可能性もあります。そのような事態が起こる前に、セイヴァが預かります」
意志を曲げるものかと、頑として両者は視線を逸らそうとはしなかった。
後方から見守るヴレイはどっちでもいいから早く決着をつけてくれと、欠伸を堪えた。
堪えた欠伸のせいで耳が詰まったと思った時、詰まった耳に響く低音に気付いた。
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