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アリーリアが緊張しながら鏡を見つめる
着ているウエディングドレスは
アリーリアの好みをわかっている
ガイルからの贈り物。
あの時のドレスを現代風に合わせた
ドレスに胸が熱くなる。
早朝にガイルの部屋へと駆け込んで
気持ちを伝えた。
「どこにも行かないって言ったくせに!
私を守るって言ったくせに!
側に居るって言ったくせに!
今度は誰とどこに行くのよ!」
ガイルは優しく抱きしめてくれた
「ずっと一緒居るよアリーと永遠に」
それからすぐにガイルを婚約者として指名した。
いつからガイルの事が好きだったかなんて
私にはわからないけど、それならそれでいい。
今度は素直な自分でいたいから…
私達の婚約式はすぐに行なわれると
挙式の準備に入った。
前世のあの日
私はウエディングドレスなんて
どうでもよかった。
でも今は違う……
早くガイルに会いたい。見てほしい。
神殿で待つガイルに駆け寄りたい。
鏡を見ながら込み上げる感情を必死に抑えていた
コンコン
「失礼するわよ」
入って来たのはキャロルとリリアナだ
「まぁ綺麗だわアリーに似合うわね」
「本当にガイル様はアリーを
よくわかっていますね」
キャロルとリリアナはアリーを見つめて
微笑んだ
「さ、アリー私達は先に行くわね」
2人は先に神殿に向かった
「お時間でございます」
神官が声をかけてきた
「わかりました」
「それでは参りましょう」
神官の後をゆっくりと歩く
アリーリアの後ろには侍女が3人と
護衛がついている
「ふぅ…」
この扉が開くと多くの参列者がいて
階段の下でガイルが待っている。
こんなに緊張したのは初めてだわ
私を階段までエスコートするのは
皇帝ではなく大神官だ
アリーリアは軽く会釈をして挨拶した
「お待ちしておりました。
とてもお綺麗でございます」
「ありがとう」
扉が静かに開くと参列者の視線が
一斉にアリーに注がれる。
けれどアリーリアの瞳にはガイルしか
見えない
やだ、泣きそう…
夢で見た白いタキシード姿のガイルが
まっすぐにアリーリアを見つめている
ゆっくりとガイルに近づくとガイルの
表情が見えた。
優しく力強い瞳…この人ならば大丈夫。
そう思わせてくれる。
差し出してくれたガイルの手を掴んだ。
大きくて包み込む様な温かい手だ
「綺麗だアリー」
その言葉に少し緊張が和らいだ
「ガイル、貴方も素敵だわ」
ガイルはアリーリアに微笑んだ
ゆっくりと階段を踏みしめながら上がり
祭壇の前に立つと大神官が待っていた。
皆が見守る中で
誓いの言葉を交わして指輪をして
見つめ合った…
やだ、こんなに感動するものなのね…
2人は静かに祭壇に向きを変えて
大神官に向き合った。
目の前には誓いの書と婚姻書
アリーリアが先にサインを入れた。
そしてガイルがサインを入れた時だった
カタン
大神官が小さな箱を目の前に置いた
アリーリアはその箱を見て固まって
しまった。
え?何で大神官が?? どういう事なの?
アリーリアの目が大きく開いた
ガイルはその箱を見つめながら言った
「そういう事だったとはな…
驚ろかせてくれたなロニー
サプライズ成功だよ」
え、わかりませんけれど?
ロニー?大神官が店主さんなの?
何で……どうして ここに居るのよ
ガイルはどうしてそんなに冷静なの?
わからないわ…
大神官は2人に微笑むと
「私はあの時から ずっとお2人の
幸せだけを願っておりました。
今日お2人のお姿を見れた事を
嬉しく思います。
おめでとうございます」
倒れそうなアリーリアの腰を支えた
ガイルはアリーリアに微笑んだ
「アリー俺達は結ばれるべき運命だった
って事だよ
過去も今もこれからも…
ずっとアリーだけを愛すると誓うよ」
呆然と立ち尽くすアリーリアの手に
口付けをした。
まるで全てが夢の様だった。
毒だと思って飲んだ聖女の涙
そして100年の時を超えて蘇った魂
エド、、ガイルとの再会…
再び結ばれた私達…
これから どれだけ驚く事が待っているのだろう
私達の未来には何があるのだろう
不安もあるけれどわかる事がある。
それはガイル、貴方と一緒ならば
きっとどんな困難も乗り越えられる。
という事…
エド、私は幸せを見つけたわ
ガイルと一緒に……
[完]
着ているウエディングドレスは
アリーリアの好みをわかっている
ガイルからの贈り物。
あの時のドレスを現代風に合わせた
ドレスに胸が熱くなる。
早朝にガイルの部屋へと駆け込んで
気持ちを伝えた。
「どこにも行かないって言ったくせに!
私を守るって言ったくせに!
側に居るって言ったくせに!
今度は誰とどこに行くのよ!」
ガイルは優しく抱きしめてくれた
「ずっと一緒居るよアリーと永遠に」
それからすぐにガイルを婚約者として指名した。
いつからガイルの事が好きだったかなんて
私にはわからないけど、それならそれでいい。
今度は素直な自分でいたいから…
私達の婚約式はすぐに行なわれると
挙式の準備に入った。
前世のあの日
私はウエディングドレスなんて
どうでもよかった。
でも今は違う……
早くガイルに会いたい。見てほしい。
神殿で待つガイルに駆け寄りたい。
鏡を見ながら込み上げる感情を必死に抑えていた
コンコン
「失礼するわよ」
入って来たのはキャロルとリリアナだ
「まぁ綺麗だわアリーに似合うわね」
「本当にガイル様はアリーを
よくわかっていますね」
キャロルとリリアナはアリーを見つめて
微笑んだ
「さ、アリー私達は先に行くわね」
2人は先に神殿に向かった
「お時間でございます」
神官が声をかけてきた
「わかりました」
「それでは参りましょう」
神官の後をゆっくりと歩く
アリーリアの後ろには侍女が3人と
護衛がついている
「ふぅ…」
この扉が開くと多くの参列者がいて
階段の下でガイルが待っている。
こんなに緊張したのは初めてだわ
私を階段までエスコートするのは
皇帝ではなく大神官だ
アリーリアは軽く会釈をして挨拶した
「お待ちしておりました。
とてもお綺麗でございます」
「ありがとう」
扉が静かに開くと参列者の視線が
一斉にアリーに注がれる。
けれどアリーリアの瞳にはガイルしか
見えない
やだ、泣きそう…
夢で見た白いタキシード姿のガイルが
まっすぐにアリーリアを見つめている
ゆっくりとガイルに近づくとガイルの
表情が見えた。
優しく力強い瞳…この人ならば大丈夫。
そう思わせてくれる。
差し出してくれたガイルの手を掴んだ。
大きくて包み込む様な温かい手だ
「綺麗だアリー」
その言葉に少し緊張が和らいだ
「ガイル、貴方も素敵だわ」
ガイルはアリーリアに微笑んだ
ゆっくりと階段を踏みしめながら上がり
祭壇の前に立つと大神官が待っていた。
皆が見守る中で
誓いの言葉を交わして指輪をして
見つめ合った…
やだ、こんなに感動するものなのね…
2人は静かに祭壇に向きを変えて
大神官に向き合った。
目の前には誓いの書と婚姻書
アリーリアが先にサインを入れた。
そしてガイルがサインを入れた時だった
カタン
大神官が小さな箱を目の前に置いた
アリーリアはその箱を見て固まって
しまった。
え?何で大神官が?? どういう事なの?
アリーリアの目が大きく開いた
ガイルはその箱を見つめながら言った
「そういう事だったとはな…
驚ろかせてくれたなロニー
サプライズ成功だよ」
え、わかりませんけれど?
ロニー?大神官が店主さんなの?
何で……どうして ここに居るのよ
ガイルはどうしてそんなに冷静なの?
わからないわ…
大神官は2人に微笑むと
「私はあの時から ずっとお2人の
幸せだけを願っておりました。
今日お2人のお姿を見れた事を
嬉しく思います。
おめでとうございます」
倒れそうなアリーリアの腰を支えた
ガイルはアリーリアに微笑んだ
「アリー俺達は結ばれるべき運命だった
って事だよ
過去も今もこれからも…
ずっとアリーだけを愛すると誓うよ」
呆然と立ち尽くすアリーリアの手に
口付けをした。
まるで全てが夢の様だった。
毒だと思って飲んだ聖女の涙
そして100年の時を超えて蘇った魂
エド、、ガイルとの再会…
再び結ばれた私達…
これから どれだけ驚く事が待っているのだろう
私達の未来には何があるのだろう
不安もあるけれどわかる事がある。
それはガイル、貴方と一緒ならば
きっとどんな困難も乗り越えられる。
という事…
エド、私は幸せを見つけたわ
ガイルと一緒に……
[完]
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