今更何の御用でしょうか?私を捨てたのは貴方ですよ?[完]

風龍佳乃

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ナタリナは……

殿下の婚約者?私が?何で?
エドモンド殿下と結婚するのよね?
どうして?
状況を理解できないでいたが

「さぁ、ナタリナ嬢こちらにサインを」
振り返るとイーダス公爵と王宮の秘書官
らしい人がいた。

「公爵様…」

イーダス公爵は
「色々と大変だったな。もう大丈夫だ
    君は自分の幸せを考えなさい」
ナタリナに優しい笑みを向けた

ナタリナは出された書類にサインをし
イーダス公爵と共に部屋を後にした。


ハデュラン公爵は振り返っていた。
俺には5歳上の兄がいた
美男で聡明。剣もできた…
ずっと、ずっと比べられていたんだ

「あの子はあなたの歳で出来ていたわ」
「あの子はあなたの歳で覚えていたわ」
「あの子は…あの子は…」
母の口癖であり、呪文の様だった

俺が16歳で兄が21歳の時に両親が事故で亡くなった。悲しみなんて無い。
別に…俺には関係ない事だ。

公爵を継いだ兄には毎日のように求婚状
が届いていたな。俺は18歳になったら
家を出て自由に生きる。そう決めていた

しかし、運命とはわからないものだ。

家を出る準備も出来た。さぁお別れだ…

兄が急死した。

朝、執事が執務室に入ると倒れている
兄を見つけたが既に冷たくなっていた
と言う。過労からくる突然死だった

急遽、俺が公爵を継ぐ事になった。

俺が公爵だぞ!馬鹿にした奴らを見返してやるんだ!

しかし現実は違った……

親族が集まった会議に1人の女が居た
俺の結婚相手だった…

兄とは違い後ろ盾も無く仕えていた
執事が退職したばかり。
仕方なかった…

子が産まれたが…女だと?女子に使う
金などない!
しかし、段々と兄にも似た雰囲気を
持ち始めた。これを王家に嫁がせれば
俺の泊も着くと言うものだ。
よし、茶会に出席させるぞ!

馬鹿娘がぁー!婚約者から外れただと?
お前なんぞ母親と一緒に静かにしていろ

どいつもこいつも使えない!

何故だ?どうして俺ばかり…

ハデュラン公爵は震える手で書類に
サインした。

背後では膝をつき、項垂れる父の
気配を感じながら…


部屋を出るとエドモンドが待っていた。
「公爵、宜しく頼む」

「はい、お任せ下さい殿下。
    ナタリナ嬢、また後ほど」

エドモンドと中庭へと移動して
お茶を始めたがナタリナの頭の中は
今だ混乱中だ。

「お疲れ様。上手く行って良かった」

エドモンドの話しから

陛下と殿下はイザベラとの婚約白紙に
伴い 次期候補のナタリナを調べていた
らしいが(家出した前代未聞の令嬢)
という立場から反対する人も居た
らしい。そこで後継人として名乗り
出てくれたのがイーダス公爵と
イザベラ嬢だった。
その事でナタリナが公爵令嬢として
王家に輿入れする事に問題が無くなり
今回の運びとなったらしい。

「殿下、突然過ぎて…少しぐらい
    話してくださっても良かったのでは」

「うん、悪かった。ギリギリまで
   わからなかったんだよ。
   先にプロポーズしてから、やっぱり
   無理だった。とか無しでしょ」

「まぁそうですけど…」

エドモンドはナタリナを立ち上がらせ
髪に口付けをすると
膝まづいて指輪を出した。

「ナタリナ・イーダス公爵令嬢
    この先に色々な困難があるかも
    しれない。だけど、どんな時でも
    どんな事でも君と分かち合いたい。
    国の為、民の為、そして僕の為に
    一緒に人生を歩んでほしい  」

「はい」

ナタリナは指輪を受け取った。
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