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第一章・孤独の中に
9・残酷な朝
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私はクリスティンのこと、どこがどう好きなんだろう?そう考えてみる。
女性よりも美しいと言われる容姿?それとも意外にも逞しい体躯かしら。一見冷たそうに見えて、心を許した人にだけ見せる人懐っこい笑顔?そんなものは私には決して見せてくれないのに…
これ程の長い間一途に想っているなんて、自分でも滑稽だと思う。だけどそのお陰で、こうして目に映る権利だけは得たようなものだわ。それだけでも幸せに思わなくてはいけない?それ以上を望んではいけないのかしら…考えても答えは出ない。
遅く起きた朝、隣にはもう夫は居なくなっていた。それはそうだろう…あれから眠れなくなってしまった私は、再び眠ったのは白々と夜が明けて来てから。ゆっくり寝ていい…義両親からそう言われていたものの、初日から寝坊する嫁というのもどうなんだろうか…
普通だったら、とっくに飛び起きていただろう。だけど今はそうする気力もない。そのくらい昨夜のことにショックを受けている。正直まだ泣きそうなくらいだわ…
ほんの少しは好きでいてくれている…そんなのは幻だったのだと思い知る。この結婚は失敗だったのだろうか?いいえ、判断するにはまだ早すぎる。これから私なりに夫に尽くせば、きっと振り向いてくれる筈。だけど本当に?そんなことをくどくどと考えていると…
「若奥様、入ってよろしいでしょうか?」
部屋の外からそんな声が聞こえてくる。私が起きた気配を感じたのだろう…それで声を掛たようだった。
それに「どうぞ入って」と返すと、一人のメイドが入って来て深々と頭を下げる。
「おはようございます若奥様。私は若奥様の身の回りのお世話をさせていただきますケイトと申します。どうぞお見知り置き下さいませ。早速ですが、身支度のお手伝いをさせていただきます」
そう丁寧に挨拶され、それに頷きながら…
「よろしくね。だけど…若奥様は慣れないわ!是非名前で呼んでちょうだい。シルビアと…」
そう返事して、悪く思われないようにと微笑んだ。するとメイドは「では、そうさせていただきます。シルビア…様」と笑顔を返してくれホッとする。
それに満足して、徐ろにベッドから立ち上がろうとすると…脚にツーッと滴り落ちるものを感じる。
──えっ、これは…昨夜の!?
そう気付いて顔を真っ赤にする私。そしてベッドに目をやると、今まで寝ていたところに赤黒い染みが!
そんな昨夜の行為を連想するものを目の当たりにして、何やら生々しさを感じてしまって…
そんな私に気を遣わせないようになのか、まるで何も見なかったように私をバスルームに案内するメイド。そしてたっぷりと張られた湯に浸かると、スッと疲れが取れていくように感じる。心の蟠りもこんなふうにスッと流れてくれれば楽なんだけど…
どこか浮かない表情の私に、いたわるように優しく身体を洗い、そして風呂から上がった後は手際よく仕度を整えていくメイド。良い人を付けてくれた…正直そう思った。これがクリスティンなりの私への配慮なのだろう。それ程年齢の違いもなさそうな人を選んだのも、話しやすいようにという気遣いなんだと思う。そのことが有り難いと素直に思える。そして鏡台の前に座ると…人妻となった自分の顔が見える。びっくりするくらい何も変わらないわね…
当たり前といえばそうだけど、こういった日の朝は嬉しさで、顔が輝いて見えるんだと思っていた。夫から愛されて…
だけど私の場合はそうでもないのね?そう思ったら自虐めいた気持ちになり、フッと笑いが漏れた。それに一瞬メイドは不思議そうな顔をしたけど、何も言わずにヘアセットにかかった。
垂らしていた独身時代とは違い、緩やかにアップされる髪。それにブルーの宝石があしらわれた髪留めが付けられていく。このブルーはクリスティンの色ね?これからはこういったことが増えるのだろう。だけどあの人は、普段から私の色を身に着けてくれるのかしら?でなければ哀しいわ…そう重苦しい気持ちになっていると、セットし終えたメイドがそれを伝えてくる。
「ありがとう、素敵ね。これからも頼みます」
そうお礼を言って立ち上がると、何か言いたそうにしているのが目に入る。何かしら?そう思って顔を覗き込むと…
「シルビア様、私を憶えておいででしょうか?お小さい頃、一度だけお会いしたのですが…」
そう告げられてドキリとする。えっ…会ったことがあるですって?そしてマジマジとメイドの顔を見た。年は二十代半ばくらいだろうか、私よりも明るい茶色の髪の、クリッとした瞳の女性だ。そして優しい微笑みを浮かべている。その笑顔を見ていたら、何処かで会ったような気がしてくる。ケイト…と言ったわね?名前にはピンと来ないし、このアノン邸でとなると…もしや?
「もしかして、私がお茶を溢した時の?あの時ドレスを拭いてくれた…」
そうとしか思えなかった。だってこの家に来たのも、片手で数えるくらいだもの。それも殆どが結婚が決まった後からだし…
「そうです!あれから一度もおいでにならなかったので、ずっと気にしておりました。何か私が粗相をしてしまったのかと…」
そう言ってケイトは、恐縮したように首を竦める。思ってもみなかったことに慌てふためく私。
「そうじゃないのよ!あれからクリスティンとは、ちょっと疎遠になってしまっただけで…。このアノン邸で唯一良い思い出になっていたのは、あなたの優しさなのよ?そんな私がまさかこの家の一員になるなんて…」
その言葉で私の気持ちを理解してくれたであろうケイトは、嬉しそうに頷いている。あれからというともう十年近く経っているし、若く見えるけれど中堅ってところかしら?何かと頼りになりそうに思う。
「さあさシルビア様、朝食に参りましょう。それから今日はゆっくりお過ごし下さい。坊ちゃまからもそう申し遣っておりますので」
坊ちゃま!?それに吹き出しそうになる。確か、昔もそう呼んでいたわね。未だにそうなんだと笑いを噛み殺していると、それに気付いたケイトは慌てて…
「あっ、失礼しました!クリスティン様がお小さい頃からそうお呼びしているもので…つい」
「フフッ、いいえ。夫の意外なところが見えたようで嬉しいわ!これからもそう呼んであげてちょうだい」
それからひとしきり笑って、ダイニングルームへと向かった。もう既に誰も居なかったが、ケイトのお陰で楽しく食事をとることが出来た。あの頃も今も、やっぱりこの人が私にとってムードメーカーになるみたい。そう思って明るい気持ちになれた。それなのに…
私はまるで分かっていなかった。昨夜の嫌な予感…それが現実のものになっていくなんて…
女性よりも美しいと言われる容姿?それとも意外にも逞しい体躯かしら。一見冷たそうに見えて、心を許した人にだけ見せる人懐っこい笑顔?そんなものは私には決して見せてくれないのに…
これ程の長い間一途に想っているなんて、自分でも滑稽だと思う。だけどそのお陰で、こうして目に映る権利だけは得たようなものだわ。それだけでも幸せに思わなくてはいけない?それ以上を望んではいけないのかしら…考えても答えは出ない。
遅く起きた朝、隣にはもう夫は居なくなっていた。それはそうだろう…あれから眠れなくなってしまった私は、再び眠ったのは白々と夜が明けて来てから。ゆっくり寝ていい…義両親からそう言われていたものの、初日から寝坊する嫁というのもどうなんだろうか…
普通だったら、とっくに飛び起きていただろう。だけど今はそうする気力もない。そのくらい昨夜のことにショックを受けている。正直まだ泣きそうなくらいだわ…
ほんの少しは好きでいてくれている…そんなのは幻だったのだと思い知る。この結婚は失敗だったのだろうか?いいえ、判断するにはまだ早すぎる。これから私なりに夫に尽くせば、きっと振り向いてくれる筈。だけど本当に?そんなことをくどくどと考えていると…
「若奥様、入ってよろしいでしょうか?」
部屋の外からそんな声が聞こえてくる。私が起きた気配を感じたのだろう…それで声を掛たようだった。
それに「どうぞ入って」と返すと、一人のメイドが入って来て深々と頭を下げる。
「おはようございます若奥様。私は若奥様の身の回りのお世話をさせていただきますケイトと申します。どうぞお見知り置き下さいませ。早速ですが、身支度のお手伝いをさせていただきます」
そう丁寧に挨拶され、それに頷きながら…
「よろしくね。だけど…若奥様は慣れないわ!是非名前で呼んでちょうだい。シルビアと…」
そう返事して、悪く思われないようにと微笑んだ。するとメイドは「では、そうさせていただきます。シルビア…様」と笑顔を返してくれホッとする。
それに満足して、徐ろにベッドから立ち上がろうとすると…脚にツーッと滴り落ちるものを感じる。
──えっ、これは…昨夜の!?
そう気付いて顔を真っ赤にする私。そしてベッドに目をやると、今まで寝ていたところに赤黒い染みが!
そんな昨夜の行為を連想するものを目の当たりにして、何やら生々しさを感じてしまって…
そんな私に気を遣わせないようになのか、まるで何も見なかったように私をバスルームに案内するメイド。そしてたっぷりと張られた湯に浸かると、スッと疲れが取れていくように感じる。心の蟠りもこんなふうにスッと流れてくれれば楽なんだけど…
どこか浮かない表情の私に、いたわるように優しく身体を洗い、そして風呂から上がった後は手際よく仕度を整えていくメイド。良い人を付けてくれた…正直そう思った。これがクリスティンなりの私への配慮なのだろう。それ程年齢の違いもなさそうな人を選んだのも、話しやすいようにという気遣いなんだと思う。そのことが有り難いと素直に思える。そして鏡台の前に座ると…人妻となった自分の顔が見える。びっくりするくらい何も変わらないわね…
当たり前といえばそうだけど、こういった日の朝は嬉しさで、顔が輝いて見えるんだと思っていた。夫から愛されて…
だけど私の場合はそうでもないのね?そう思ったら自虐めいた気持ちになり、フッと笑いが漏れた。それに一瞬メイドは不思議そうな顔をしたけど、何も言わずにヘアセットにかかった。
垂らしていた独身時代とは違い、緩やかにアップされる髪。それにブルーの宝石があしらわれた髪留めが付けられていく。このブルーはクリスティンの色ね?これからはこういったことが増えるのだろう。だけどあの人は、普段から私の色を身に着けてくれるのかしら?でなければ哀しいわ…そう重苦しい気持ちになっていると、セットし終えたメイドがそれを伝えてくる。
「ありがとう、素敵ね。これからも頼みます」
そうお礼を言って立ち上がると、何か言いたそうにしているのが目に入る。何かしら?そう思って顔を覗き込むと…
「シルビア様、私を憶えておいででしょうか?お小さい頃、一度だけお会いしたのですが…」
そう告げられてドキリとする。えっ…会ったことがあるですって?そしてマジマジとメイドの顔を見た。年は二十代半ばくらいだろうか、私よりも明るい茶色の髪の、クリッとした瞳の女性だ。そして優しい微笑みを浮かべている。その笑顔を見ていたら、何処かで会ったような気がしてくる。ケイト…と言ったわね?名前にはピンと来ないし、このアノン邸でとなると…もしや?
「もしかして、私がお茶を溢した時の?あの時ドレスを拭いてくれた…」
そうとしか思えなかった。だってこの家に来たのも、片手で数えるくらいだもの。それも殆どが結婚が決まった後からだし…
「そうです!あれから一度もおいでにならなかったので、ずっと気にしておりました。何か私が粗相をしてしまったのかと…」
そう言ってケイトは、恐縮したように首を竦める。思ってもみなかったことに慌てふためく私。
「そうじゃないのよ!あれからクリスティンとは、ちょっと疎遠になってしまっただけで…。このアノン邸で唯一良い思い出になっていたのは、あなたの優しさなのよ?そんな私がまさかこの家の一員になるなんて…」
その言葉で私の気持ちを理解してくれたであろうケイトは、嬉しそうに頷いている。あれからというともう十年近く経っているし、若く見えるけれど中堅ってところかしら?何かと頼りになりそうに思う。
「さあさシルビア様、朝食に参りましょう。それから今日はゆっくりお過ごし下さい。坊ちゃまからもそう申し遣っておりますので」
坊ちゃま!?それに吹き出しそうになる。確か、昔もそう呼んでいたわね。未だにそうなんだと笑いを噛み殺していると、それに気付いたケイトは慌てて…
「あっ、失礼しました!クリスティン様がお小さい頃からそうお呼びしているもので…つい」
「フフッ、いいえ。夫の意外なところが見えたようで嬉しいわ!これからもそう呼んであげてちょうだい」
それからひとしきり笑って、ダイニングルームへと向かった。もう既に誰も居なかったが、ケイトのお陰で楽しく食事をとることが出来た。あの頃も今も、やっぱりこの人が私にとってムードメーカーになるみたい。そう思って明るい気持ちになれた。それなのに…
私はまるで分かっていなかった。昨夜の嫌な予感…それが現実のものになっていくなんて…
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